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4−1 ソフトウェアで経営は如何に変わるのか。テックカンパニーのよくある誤解 #ソフトウェアと経営

ソフトウェアと経営マガジン第27回です。ソフトウェアで経営を変えようというのは簡単ですが、実際にどうすれば変わったと言えるのでしょうか。Agilityに貢献するソフトウェア活用という観点から新たな経営のOSとしてのソフトウェア経営の話をしようと思います。

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本節のまとめ

・ソフトウェアを活用した経営スタイルの先にあるテックカンパニーとは、「エンジニアサイド・ビジネスサイドの区分なく、データと技術を活用して迅速に事業展開ができる」チームのことだと考えている。
・ソフトウェアを経営に活用するためには、ソフトウェアのスケーラビリティ、レジリエンス、データの生成、モデル化を活用しAgilityを高め、機械学習によってその適用範囲を広げていくことが重要だ。
・スケーラビリティとは、計算機リソースを確保し適切な設計・開発を行えば多くの人に迅速に機能を提供できるソフトウェアの性質を指す。
・レジリエンスは、事業上の失敗範囲を局所化することでそのダメージをコントロールするための復元性であり、ソフトウェア設計の先にこのレジリエンスを高める事が可能だ。
・ソフトウェアはその動作過程を記録することができ、結果大量のデータを生み出すことに繋がる。
・大量のデータを活用すれば、第二章で多く語ってきた事業の数理モデル的な理解が可能になる。
・機械学習の活用は、デジタルでない領域からの入出力をソフトウェアに理解させ、対処させることを可能にする。
・DX(デジタルトランスフォーメーション)においても、上記の要素を活用しながら、新たな経営のOSとしてソフトウェアを中心に据えて組織を変えていく必要がある。

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ソフトウェアを事業に活かそうというときに必要となる知識は非常に広範に渡る。そのソフトウェア技術の各要素について説明する前に、まずはそもそもなぜソフトウェアが重要なのか、言い換えると、ソフトウェアによって経営はいかに変わるのか、ということについて、その性質を踏まえながらAgilityを高めるという観点から説明していきたい。4章では、序盤でソフトウェアの意義を確認し、それを踏まえた上で中盤以降から具体的に各要素技術を説明していく形を取る。中盤以降の各要素技術は、前回のnoteを見て既に感じた方もいらっしゃるかと思うが、重要な技術のみに絞っても要素の数自体が少なくない。かつそれぞれの要素が一部重なりつつもほぼ独立しているために、全容を把握するにはまず、詳細に入る前に全体観を頭に入れておくことが役に立つと考えている。そのため、本節より数節の序盤では、中盤以降で語られるソフトウェアの各要素技術を理解することが実際どのように役立つか、というざっくりとした全体観やゴールイメージを持つことを目的として読んでいただけると幸いだ。

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