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1-7 ソフトウェアがAgilityを最大化する

ソフトウェアと経営マガジン第7回です。ソフトウェアがなぜ重要かという話になります。これで第一章は以上となります。次回から事業モデルについての話を書いていきます。

この節のまとめ

・ ソフトウェアはレジリエンス、可観測性、スケーラビリティというAgilityを強化する重要な特徴を持つ。
・ 正しくソフトウェアの設計を行うことで、レジリエンスを獲得し、施策の影響範囲を限定し失敗をコントロールできる。
・ ソフトウェアの挙動をログデータとして記録し分析することで、様々な施策を数値的・科学的に評価可能になり、また事業全体を数値によるモデルとして表現可能になる。
・ ソフトウェアは計算機上で同じ動作を何度でも繰り返す。このスケーラビリティにより、発見した知識をソフトウェアとして表現すれば即座に沢山の人に利用してもらう事が可能である。
・ AIないし機械学習はソフトウェアのスケーラビリティの適用可能な領域を拡大することに貢献してきた。

Agilityとはなにか、その重要性、そしてそれを高めるために重要な失敗のコントロール・科学的手法・透明性という要素について話をしてきた。しかし、ここまででソフトウェア、およびソフトウェア経営などの言葉はほぼ使っていない。実のところAgilityというラベルのついたこの概念は、これまでの経営史、プロジェクトマネジメント史の中で繰り返し求められてきたものであり、ソフトウェアと関係なく進展してきたものだと考えている。だが、ソフトウェアがあるからこそ、Agilityというものは大きく発展し、特に2000年ごろ、インターネットの興隆から始まる20年の大きな産業構造の転換を促してきたのではないかと私は考えている。

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