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「ソフトウェアと経営」連載2周年、書き続けることの大切さ

連載開始から2年

ソフトウェアと経営マガジンの執筆から丸2年がたちました。書きたいことはおおよそ最初に構想があったため、頭の中にある概念をひたすら書き起こす、といった感じで書き続けてきました。気づいたら2年も経っており驚いています。

本連載は自分のソフトウェア経営における考え方、フレームワークを整理し、エンジニアだけではなく広く様々な職種の方に向けて、事業に少しでもソフトウェアが活かされるようになればと思い書いてきました。

日頃、多数の事業相談や組織改革の相談をいただきますが、相談だけで伝えられること、解決できることも限られますので、自分の知見をスケールさせたくひたすら書き続けています。

ちなみに、LayerXの経営でも本連載の概念を多々活用しています。例えば事業の予算構築やそれに対するレビューでは意味のある予算であるかどうかなど本連載のKPI経営的なエッセンスを取り入れてきました。逆に、事業推進の中で発見した事柄を連載に反映するなども行っています。

ここまでの執筆で、分量にして54回、およそ25万字ほどのボリュームとなりました。自分の中で書こうと思っている内容としては全体の5~6割を書き終えたといったところ。まだまだ先は長いですね。しかも書いてると更に付け加えたいことなど沢山出てくるので、ゴールが遠のいている感じもします。

大まかなここまでの内容

読んだことのない方も多いと思いますので、大まかに内容を紹介させてください。本連載はAgilityという概念を中心とし、それを支えるソフトウェアやデータ、組織設計などの概念について一つ一つ説明していくという形で書かせていただいております。

第一章から始まり、現在第五章まで書いている途中なのですが、全体としては7~8章立てくらいの内容を書く想定です。大まかには下記のような内容を書いてきました。

第一章では、ソフトウェア経営の根幹を為すAgilityという概念とそれを取り巻く周辺の事柄について書かせていただきました。「失敗をコントロールしながら継続的に改善する」ということが本連載を貫く中心の考え方になります。

第二章はAgilityを高めるためのKPI経営の基礎を取り扱いました。改善というのは定量的な指標があって初めて科学的に行えるものです。この数字を具体的にどう扱っていくか、KPIモデルの構築や予算・目標値の立て方、モニタリングなど具体的なアクション含めKPI経営の道具を使いこなすことが重要です。

その次の第三章では不確実性とは何か触れてきました。改善することの目的は、単に数字を向上させるだけでなく、取り組む事業に関する不確実性を最小化することであると言えます。不確実性という概念を整理し、それに対してどのような姿勢で望めばよいのか、組織全体のAgilityを高めるための考え方を本章では整理しています。

第四章はソフトウェア技術の概説と付き合い方。ソフトウェアを扱う上で、そもそもソフトウェアの事業面からみた意味合いとは何か、実際に事業に活用する上でどういった技術が必要なのか、組織とソフトウェアをあわせて構築するとはどういうことか、など広くソフトウェア技術について触れさせていただいております。

第五章はピープルマネジメントを中心にしたAgility高い組織の作り方について、現在進行系で執筆しています。一人ひとりが自律的に意思決定でき、その方向が揃うことでAgilityを最大化できます。そのためのピープルマネジメントのあり方を明らかにすることで、明日から取り組める組織の改善につながればと願っています。

今後執筆予定の第六章はソフトウェア時代の組織変革について。ここでは私自身が携わってきた組織文化や事業、経営のあり方の変革の経験を元に、ソフトウェアを活用した経営スタイルに移行したい様々な企業に向けて、組織を変えるためのステップや手法を書いていこうと思っています。

第七章はスタートアップの手引、ソフトウェアを使ったスタートアップの立ち上げからスケールまでの考え方について触れていきます。長らくスタートアップの立ち上げからスケールまで見てきておりますので、その中でソフトウェア経営という観点でどのように着実に事業を拡大できるのか書いていきます。

今のところ、大まかに構成が出来上がっているのは上記までですが、それ移行も経営や事業におけるガバナンス、ソフトウェア経営の課題なども書いていきたいと考えています。

書き続けること

ここまで2年書き続けてきました。その原動力には、知識・経験を誰かの役に立てたいということに加えて、学ぶこと自体の楽しさがあります。

私の重要なスタンスの一つとして、学びはインプットとアウトプットの双方がセットあるのですが、それに従いこれまでの経験を書き続けています。

学んだこと、理解したと思ったことを、文字や様々な形でアウトプットすると、頭の中に記号化・概念化が進むため、さらに新たな学びを得ることができます。なんとなく経験したり、読んだだけではぼんやりとした概念が頭の中に浮かんでいるだけなのですが、執筆などのアウトプットを通すと言語化や図式化が行われ、明確に自分の中での整理が進みます。ですので、こうした物書きによるアウトプットは翻って私自身の学びともなっています。

そもそも学ぶことそのものが楽しいため、執筆し続けることは楽しみでもあります。とはいっても、現業や子育てとの兼ね合いで最近は遅筆になっていますが。今後もコツコツと執筆を続けていきます。文書をコツコツ書き続けるテクニックについては、今後どこかで別途書きたいなと思います。

本連載が、様々な方の経営や事業を少しでも支えるものとなると信じつつ、もうしばらく連載を続けていこうかと思います。ご感想やTwitter上でのネタバレなどは全く構いませんので、皆様のフィードバックをいつも楽しみにお待ちしています。

また、宣伝になりますLayerXでは現在様々なポジションで人を募集しております。ソフトウェアと経営の手法を活かし、さらに新たな概念を生み出す、ということも私のテーマとなっています。一緒にこのチームでお仕事できる方、また経営にお悩みの方の壁打ち相手などこちらのmeetyでぜひお話させていただきたく、よろしくおねがいします。

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