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妖怪きなこ爺
2021年6月8日 01:21
20歳のちょうど今ぐらいの季節に僕は上京した。時の流れは早いものであれからもう14年経ってしまった。下高井戸駅を降りて5分ほど歩いたところにあるアパートが僕の住処だった。甲州街道と京王線に挟まれたその木造アパートは、とてもレトロで、汚くて、良い意味でも悪い意味でも味があった。六畳一間の和室はイグサの香りが懐かしくて、僕は気に入っていた。部屋には布団が一組と、コタツテーブルと、座椅子と、ブラ