メーガンvsチャッキー
全米大人気というM3GANを見てきました。
映画の告知でも「チャイルド・プレイ」と比較した内容などが目立っていましたので、どれくらい違うのかを期待して見に行きました。
その前にここでいう「チャイルド・プレイ」は2019年にリメイク公開された「オカルトではない方」です。
元々のチャイルド・プレイは「殺人犯の魂が宿った人形が、殺人を繰り返す」という話でしたが、2019年版はAI人形が自我を持って、自分以外の友達を排除しようとするという内容でした。
オカルト抜きであの怖さを再現しているので私にはかなり評価が高い映画です。
そして今回のM3GANも広告により最初から「AIによるお友達人形で少女を思うあまりその行動が恐ろしいものになっていく」のだとわかっています。
これを聞いただけでチャイルド・プレイとプロット的にも同じであることが予想されますので、逆にどこまで差別化してくるのかが興味のポイントでした。
というわけで、ここからは本音のネタバレなので、まだ見ていない人はお帰りください。
見るつもりがない人か「ネタバレOK」な方だけお進みください。
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……本当にいいですか?
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では、両映画の比較を行いたいと思います。
まずストーリーのプロットとして
1)少女(少年)の不幸な境遇
2)与えられた代理の友達(AI人形)
3)少女(少年)がAI人形に依存していく
4)AI人形側にも少女(少年)に依存していく(共依存関係)
5)それを危険視した他者の妨害
6)AI人形が犯罪に陥る
7)少女(少年)が本当に大切なものに気づく
8)AI人形が壊れて終わる
という流れは全く同じでした。
AIだからこその「他の電子機器をハックして操る」もあります。
なので本当にそのまま!
違うところといえば、AIの成長でしょうか?
チャイルド・プレイでは徐々に学習して行き、それが倫理的に間違えた学習だったので犯罪を肯定することになりました。
しかしM3GANはある程度学習済みの状態から始まるので「やれるけど、犯罪はいけないことだと知っているからやらないだけ」と非常に人間的は判断をしていたことです。
人間も「やれるけど、悪いことだからやらない」と自制しているわけです。
ですが限界を超えたり追い詰められたときに、その自制を越えてしまい、犯罪行為を行います。
そしてM3GANがチャッキーと違うのは「チタン合金による骨格」を持っているため、非常に頑強なのです。
完全におもちゃであるチャッキーより強力です。
(とはいえ、子供が持ち上げられるほどの重量っていうのは、中身はどうなっているんでしょうね?
しかもあれだけ動けるバッテリーを積んでいたら、それだけで何十kgにもなると思いますが)
チャッキーのAIは元々工場で機能制限を外された状態で組み立てられたので最初から暴走させるように仕組まれていました。
そして少年という友達を「自分だけのものにしたい」という所有欲から犯行を行います。
さらに犯行を行ったことで少年から怖がられ「裏切られた」と感じて少年を襲います。
M3GANは最初は狂っていませんが少女とペアになったこと、少女が母親に会いたがっていたことから「母性」を発現させ「母親として娘を守ろう」「娘との仲を割く存在を排除しよう」という動機で犯行に及びます。
一応、そういった心情的な差は見ることは出来ます。
……でも動機づけはどうあれ、結局やっているプロットは同じなのでした。
一言で評するならば、期待して観た結果、期待通りでしたが、期待以上ではない映画でした。
チャイルド・プレイ(2019)を見ていない人なら、純粋に楽しめると思います。
それより、このCG全盛の時代に、あえてパペットと人間でメーガンを演じるというのは逆に新鮮に映りました。
メイキング映像が大量に公開されているので、歩き回るメーガンは子供の役者が仮面をつけて演じています。
CMのあの廊下でのダンス……モーションキャプチャーにしてはよく動くと思っていたら、実演していたのですね。
そして人外の動きをするシーンはパペットにして、あえて不自然さを出したりと、映像づくりはかなり巧妙でした。
お陰で画面の中での馴染み、存在感は確かなものでした。
というわけで、比較するとがっかりしますが、比較せずに見るならちゃんとしています。
いや、無理に差を出そうとしていないだけ奇抜なことをしないで良かったのかもしれません。
以上が私の評価でした。
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ゲーム業界に身を置いたのは、はるか昔…… ファミコンやゲームボーイのタイトルにも携わりました。 デジタルガジェット好きで、趣味で小説などを書いています。 よろしければ暇つぶしにでもご覧ください。