月見 里
#詩
鉄のように固まった足の底を引きずるようにして歩いた。 スーツの上着を肩にかけ、車通りの多い国道から一本入った街路を進む。 全身から汗があふれ出る。 アスファルトと…
2023年3月19日 16:31
2023年3月12日 12:55
2023年3月5日 14:39
2022年9月19日 20:53
鉄のように固まった足の底を引きずるようにして歩いた。スーツの上着を肩にかけ、車通りの多い国道から一本入った街路を進む。全身から汗があふれ出る。アスファルトと鉄筋コンクリートに囲まれた空間で、逃げ場を失った湿気が全て、身体に纏わりつくようだ。昼夜の境なく活動を続ける都会では、夜でもセミが鳴く。国道を走る大型車の轟音とジリジリと迫るアブラゼミの騒音に、思考が現実から切り離されていく。