31/100 『まにまに』 西加奈子
西さんのエッセイ集。
これまで10冊ほど西さんの作品を読んだけど
エッセイは初めて。
初っ端の「かなこです」という話から
心を持っていかれた。
「わかる〜!!!」って
共感ボタンがあれば100連打くらい押したい。
その後 小林製薬のネーミングセンスの話やバトルロワイヤル譬えの話も
共感ボタン連打。
そして何より感動するのは
文章の秀逸さ。
同じことを感じていても私には西さんのような文章は書けない。←当たり前なんだけど。
私にもこんな文章が書けたなら…と思う。
「もしもピアノが弾けたなら」と歌う
西田敏行の気持ちがわかった。(は?)
コンセプトが地球に優しくしよう的な
イベントで トイレに行ったら
音姫がなくて でも ここはエコ…って
音を隠さず用を足して
出たら次に入ったエココンシャスな
綺麗な女性がガンガン音消しに水流しながら用を足し 物凄い量のトイレットペーパーをむしり取ってたって話。
これどっかでまったく同じ話を聞いたことがあって しばらく
「誰だっけ?誰だっけ?」と思い出そうとしたけど思い出せなくて
モヤモヤしたまま 読み進めていたら
違う章で
たまたま遭遇したとある光景が
美しくて それを「書きたい」
と思い そういうところから物語の発想が湧くというようなことが書かれていて
「ああ あれは西さんの小説で
読んだ話か」と気付く(気付くの遅っ)。
でも なんて話で出てきたっけな?
あのエピソード。
わかる方 ご一報ください!
そんなふうに日常に起きたちょっとした
出来事を キッカケに物語が
頭に浮かんでくるんだぁ。
作家さんてすごいなぁと改めて思う。
自分にはないことだから。
なにか起きても
起きた それで終わり。
例えば ルミネのトイレで
並んでいたら 個室から可愛い女子高生が出てきたと思ったら
う○こ流してなくて
驚きすぎて トイレに入らず走ってその場から去ったあの時。
駅で電車を待っていたら
「ムーンウォークを見てほしい」と言われ 下手くそなムーンウォークに
「すごく上手いですね」と拍手して
電車に飛び乗ったあの時。
酔拳みたいな状態でコンビニ店員が
寝ながらレジ打ちをしていたあの時。
なにげない日常のちょっとした場面で
忘れられずに ずっと覚えていて
たまにふと思い出すなんてことが
結構ある。
西さんならどう描くんだろう?
こんなことがあったという日常の出来事を募集して選ばれた人の出来事は
西さんの小説のなかに その描写が
出てくる。なんて企画をやってくれないだろうか?
選ばれた人テンションあがるよなぁ。
ハァー選ばれたい(妄想につぐ妄想)。
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