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「浦和レッズ三年計画を定点観測」~#22. 2020 J1 第17節 vs川崎 レビュー&採点~

前半戦の最後にやってきた首位川崎との一戦。
既に他のチームがあの手この手を講じ川崎の前に散ってきたわけですが、1周目の最後にあたることになった浦和としては、それらのやり方の中から自分たちにも出来そうなものを抽出して試合に臨んでいきました。

両チームのメンバーは以下の通りです。

DAZNのプレビューショーで取り上げられていた橋岡と三笘が揃ってベンチ外という、担当スタッフからすれば膝から崩れ落ちようなメンバーとなりましたが、スタメンの中で最も注目を浴びたのは柏木かなと思います。

攻撃力が持ち味の相手に対して、守備(特にプレッシング)の強度に不安のある柏木を起用したということで、
攻撃に対する防御はこちらの攻撃回数や時間を増やして、相手からボールを取り上げてしまいたいというプランが想像できます。


試合の流れ

◆川崎のプレッシングはロングボールでひっくり返す

脇坂が起用されている時の川崎のプレッシングのスタイルは脇坂が1列前に出て2トップのようになるだけでなく、WGも前目のポジションから外のコースを切って寄せていくので、数字で表現すると4-2-2-2のようなイメージになります。
この時に空くのがWGの背後のスペースです。

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浦和としては前節の札幌戦と同じようなイメージで、相手が前からプレッシングに来た時には出てきた選手の背後のスペースへロングボールを入れて、相手を置き去りにしてしまうことを狙いました。

5:48~のシーンでは上図の通り、脇坂が前に出た形のプレッシングをしてきたので、西川は迷わず前へロングボールを蹴り出します。
西川までボールが下がった時には基本的に足元で繋がないという前提なので、両SHを含めた前線4人はそれぞれが相手の中盤の背後スペースに立ち、ロングボールのターゲット、あるいはそのこぼれ球の回収係を担っています。

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さらに直後の6:55はパスが長くてラインを割ってしまいましたが、西川にボールが渡った時に柏木とデンが斎藤の左右の斜め後ろにポジションを取り、西川から斎藤の頭上を越してデンへのパスを試みました。

試合の序盤から、川崎のプレッシングの傾向によって生じるピッチ上の穴へ的確にボールを届けられる西川という武器を使ってボールを前に進めて行こうとする浦和のプランが見えたと思います。

14:00にも攻撃の後の流れで前に選手が残っている状態からの守備になった川崎は、浦和のバックパスに対してそのままの形でプレッシングを行います。
この時も西川が出したのは川崎の中盤背後に立つ関根。
一度、トラップが大きくなったところを守田に奪われますが、川崎のポジトラでのパスが合わずに跳ね返ったボールが再び関根のもとに転がり込んできます。

守田がボールを奪って出て行った分、さらに川崎の中盤と最終ラインの間にスペースが出来たので、関根はこのスペースを一気にドリブルで運び、外側に逃げる動きをしたレオナルドへスルーパス。
チョンソンリョンの肩口を狙ったシュートは惜しくも枠外となりましたが、狙っていたスペースを使ってボールを前進させ、シュートまで持っていくことが出来ていた序盤のうちに点を取ってしまうことが出来れば、この後の展開はまた違ったものになったかもしれません。


◆川崎保持vs浦和非保持はお互いのアクション待ち

浦和は前半においては、非保持の時にはミドルゾーンでブロックを作ってボールに対して前向きな状態で構えて、ボール保持者に対しては必ず1人出て行くものの、組織全体として大きなアクションは起こさないことでブロックを無闇に動かさず、川崎にアクションを起こさせてそれを吸収するような守備を心掛けていたように見えます。

川崎の方も、浦和が守備→ポジトラの局面で中盤をひっくり返したいという目論見もあってか、試合の序盤はポジションチェンジを少なくしてネガトラへの移行をスムーズに行えるようにしながらボールを動かして、浦和の方がアクションを起こして来たら、それによって生じた穴を使っていくことを目指しました。

浦和はボールサイドにしっかり人をスライドさせていきますので、一度どちらかのサイドでボールを前進させて浦和の組織を寄せてから、逆サイドへというのは意識していたと思いますが、簡単に奪われない(浦和にポジトラの局面を与えない)ためにもロングボールではなく、一度中央の選手を経由して逆サイドへ、という感じでした。

そのため、川崎は大きなチャンスには行きつかないものの、中央や右側から前進させたボールを左サイドで外に開いた斎藤に届けて、スライドが間に合わないスペースへドリブルで切り込んでいくシーンが序盤から散見されました。
そして14:56は守田からのパスを斎藤が外に開いた状態で受け、デンとプレスバックする柏木の間をドリブルで切り込んで結果的に柴戸のファウルを誘い、15分という早い時間帯で浦和のボールハンターにイエローカードをつけることに成功しました。


◆ロングボールに内在するリスク

36:35、浦和はこの試合でのプラン通り、西川までバックパスが入り川崎がプレッシングしてきたので、関根と柏木が相手の中盤背後にポジションを取り、西川からのロングボールのこぼれ球に対する準備をします。

しかし、このボールはターゲットとなる杉本からずれてしまったため谷口にプレゼントする形になり、谷口は落ち着いてボールを大島へ落とします。
こぼれ球回収係としてはここでボールを落とした先で潰して奪い返すことが出来れば、味方同士でボールがつながらなかったとしても結果的に狙った状態に持っていくことは出来たのですが、ここで大島が寄せてきた柏木をさらりとターンで外します。

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ターンで外された柏木の背後へはエヴェルトンがスライドして、エヴェルトンが出て行ったスペースは柴戸がスライド。
ここで柴戸がスライドしたスペースはSHの関根がスライドして埋めたいところですが、関根は柏木と同様に西川からのロングボールのこぼれ球回収係のため前にポジションを取っており、バイタルエリアのところにスペースが出来てしまいました。

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このスペースで脇坂がボールを受けて前向きに運ぶことで槙野を引き出し(槙野のカバーのために山中が内に絞る)、外側で待っていた家長へパスを出すと脇坂はそのまま槙野が出てきた裏のスペースへ走り込む。
このランニングには岩波が先にスペースを埋めて対応しますが、今度は脇坂が走ったことで空いたスペースに山根が入り込む。
狭いスペースで家長が軽くボールを浮かせたパスをスペースへ入ってきた山根が見事なボレーシュート。
1つ穴が出来たことで、その穴を人の動きで広げて仕留めるという川崎らしさのあるゴールでした。

家長のアシストも山根のシュートも見事でしたが、失点の引き金は浦和のボール保持での狙いに内在するリスクでした。
結果論的に言えば、ロングボールが出た時にこぼれ球を拾う役割を与える選手は、柏木よりもボール際で相手を潰せる、奪える長澤のようなタイプの方が適任だったかもしれません。
やりたいこと(やれること)と人選の部分で少しミスマッチがあったことによって、プランに内在するリスクを食らう形になってしまいました。

とはいえ、山根も試合後のインタビューで言ってましたが、あんなシュートは何回も決められるものではないので、なにもこの試合でそれを出してくれなくても良いのになと。


◆「後半スタートからフルスロットルでいくぞ!!」

大槻監督のハーフタイムコメントは以下の通りです。

・「ボールを奪った後の精度を上げよう。難しいなら、作り直せ」
・「守備のやることは変わらない。強度を上げて連続性をもっていこう」
・「埼玉スタジアムでプレーするプライドをもって前に出て戦おう」
・「後半スタートからフルスロットルでいくぞ!!」

この言葉通り、後半スタートから浦和の非保持でのアクションに変化が出ます。キックオフ直後から柏木が最初は登里、その後には守田が下りたことによって少し外に開いた谷口へプレッシングをかけに行きました。

前半は相手のアクションを吸収しながらボールを奪おうとしていた守備から一転、後半は自分たちからアクションを起こしてボールを奪おうという姿勢を見せます。
そして、この谷口へのプレッシングからボールを奪い早速チャンスが出来ました。

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◆川崎は空いてる穴を逃さず使う

47:56、クロスボールをカットしたところから浦和はロングカウンターを仕掛けます。自陣の深い位置からでしたが、関根→レオナルド→柏木で局面をピッチの左から右の広いエリアに展開することに成功し、中央を関根、杉本、レオナルドがフルスプリントで駆け上がります。

柏木のパスは中央を走った3人と意図が合わずに流れてしまいますが、そのままの流れで浦和は前からのプレッシングを行い奪回を目指します。
ここは川崎が冷静にボールを動かして展開を落ち着けますが、ロングカウンターとそのままの流れでのプレッシングによって関根は右サイドまで流れました。
48:35あたりでは杉本が関根に代わって左SHのポジションに入って決定的な突破は許しませんでしたが、ボールが浦和の右サイドへ展開されると関根がゆっくり戻ってきたのを見て杉本は自分の本来のポジションへ帰っていきます。この少しの入れ替わりの時間によって生まれたスペースを逃さなかった脇坂。
守田からのパスをボランチは右にスライドしていて不在、関根も戻れていないので不在となっていたバイタルエリアで受けて外で待つ家長へ展開します。

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さらに、図にも表してますが、斎藤にボールが入った時にデンが対応したことによって出来た穴、いわゆるチャンネル間、ポケットの穴も登里がきっちり走り込んでいます。そして、家長からのクロスはこの登里へ。

クロス自体は柴戸が穴を埋めに入っていたことと、デンがすぐさま自分のポジションに戻ったことで対応しましたが、このクロスがこぼれたところを斎藤がすぐさま回収し、ペナルティエリアの中から逆サイドへ逃げた小林へピンポイントクロス。

浦和のカウンターからのプレッシングによるアクションによって出来た穴、4バックの構造上必ず生まれる穴、この2つを的確に見つけて、使うことが出来たことによる得点でした。
そして、浦和にとっては後半から前向きにエネルギーを使うようにして、チャンスを作ろうとしていた矢先での失点となり、少なからず精神的にダメージがあったことは想像に難くありません。

また、浦和の方で1つ気になったのは、ゾーンディフェンスの基本としてはクロス対応の際にはゴールの幅の中にCB2枚と逆サイドのSBの3枚が入ることが基本ですが、クロスのこぼれ球を斎藤が拾った時に槙野は山中に対して絞ってくることを制しているような仕草をしています。
しかし、結局は槙野の頭を越すボールを出され背中で小林に決められてしまったわけで、基本通り槙野の後ろは山中がケアすればよかったのでは?という疑問が残るシーンになってしまいました。


◆マルティノス投入からの停滞

2点目が入った後、浦和はロングボールを入れた時に思いのほか杉本がボールを落としきれなかったことからスペースへ的確に顔を出してボールを受ける興梠と、一発逆転を狙うべくハマれば強烈な推進力を発揮できるマルティノスを投入します。

マルティノスに与えられたタスクは基本的には関根と同じで、川崎の家長や脇坂の背後のスペースに立ってボールを引き出すこと。
しかし、狭いスペースでボールを受けてターンをすることが得意なわけではないため、中間ポジションでボールを受けられても前を向けなかったり、そもそもポジションを取り直す動きが少ないので、最初は中間ポジションに立っていても流れの中で周りの配置が変わってしまってボールを受けた時には窮屈な状態になってしまったり。
マルティノスは左利きなので、左内側の中間ポジションでボールを受けても捌けるのが外方向中心になりやすく、川崎側はこの位置でマルティノスにボールが入ったとしても怖さはなかったのではないかと思います。

マルティノスがらしさを発揮できたのは山中が外側でボールを持って山根が食いついてきた時に背後へ走ることが出来た時程度。
本来、マルティノスの良さは広いスペースへ走り込んでボールをもらったり、外側で相手から距離を取った状態でボールをもらってから仕掛けたりというものです。
タスクとキャラクターのミスマッチによって攻撃に停滞感が出てしまいましたし、マルティノスもどんどんご機嫌斜めな感じになっていきます。

また、守備でも横のラインの鎖の意識は基本的になさそうなので、スペースを消す、周りのカバーをするという動きは希薄で、マルティノスとボランチの間を何度もボールが通過し、中間ポジションを取っている脇坂と外側に開いた家長によって山中、槙野が左に引き出されたことでひたすら非保持に追われ、前に進むための体力や気力を着実に奪われていきました。


◆武藤投入によってボール保持を回復するも決めきれず

後半の飲水タイム明けに川崎は小林と脇坂に代えてダミアンと旗手、浦和は柏木とエヴェルトンに代えて武藤と長澤を入れます。
武藤が入ったことでマルティノスは右サイドに移動し、中間ポジションでボールを持った時に内側を向きやすくなったので、この辺りから少しずつ機嫌も回復しボールを持った時に前向きに仕掛けるような姿勢を取り戻します。

また、攻守ともに細やかなポジショニングが出来る武藤を左サイドに入れたことで山中も前向きに守備がしやすくなり、家長と脇坂に蹂躙されていた左サイドの主導権を取り戻していきます。

しかし、89分のロングカウンターに象徴されるようにゴールに向かうシーンが作れても人もボールも長い距離を速いスピードで動いたため、ほんの少しのずれが命取りになり、結局はゴールを奪えず。

そして91分には再びロングボールを出したところでボールを拾えず、そのままボールを蹴り返されてとどめの3点目。
決定力の差というよりは、決定機を作る力の差がスコアに現れたのかなと思います。


採点結果

Q1.<保持/非保持 共通>個の能力を最大限に発揮していたか?
→ 2点 (アンケート:2.1点)

ゲームプランと人選でミスマッチがあったのではないかというのが柏木の部分かなと思います。
下からボールを繋いでいくのであれば、スペースの中でボールを持てる柏木でも良かったと思いますが、ロングボールのこぼれ球を回収させる役割をさせるのであれば、長澤のような強く当たれる選手で良かったのかなと思います。

もしかしたら、杉本のところでもっとすんなりボールを収めて柏木に前向きな状態でボールを渡して、ピッチの中央からボールを振り分けてもらいたかったのかもしれません。

Q2.<保持/非保持 共通>前向き、積極的、情熱的なプレーをしていたか?
→ 3点 (アンケート:2.5点)

川崎のアクションを吸収しながら前向きにボールを奪ってその勢いで出て行った時のスプリントは好感が持てました。
89分の岩武が外してしまったシーンも、ボールに絡んだ選手の大半は途中出場でしたが、0-2であの時間帯で、まだいけると信じて走っていったわけですから。

ただ、守備の部分での前向きなアクションの目の揃っていない感じというのは引き続き気掛かりです。

Q3.<保持/非保持 共通>攻守に切れ目のない、相手を休ませないプレーをしていたか?
→ 2点 (アンケート:1.5点)

ボールを前進させる手段がロングボール主体だったため全体の押上げをする時間を確保できず、前の方でボールを奪われてもすぐに取り返しに行くような切れ目のなさは表現できませんでした。

守備から攻撃への移行については、川崎の中盤背後のスペースを使うことが共有されていたので、そこについてはスムーズだったとは思います。

Q4.<保持>運んだり、味方のスピードを活かしたりしていたか?
→ 3点 (アンケート:1.9点)

基本的には川崎はブロックを作るのではなく、浦和の最終ライン対して距離をあまり空けずに対峙してくるのでその背後へのボールを多用しましたが、川崎が引いた状態の時には槙野の運ぶプレーが出ました。

75:30のシーンでは槙野がボールを運び、さらに武藤もバックステップを踏みながら川崎の中盤のラインの後ろへ移動することで、川崎の選手を後ろ方向に引っ張ることが出来ました。
その結果、一度は武藤にパスが入ったところで潰されますが、ボールと一緒に前進した槙野がそのまま寄せて行ってボールを奪い返すことに成功しています。

槙野の運ぶ意識は確実に高まってきています。これからも注目です。

Q5.<保持>数的有利を作っていたか?
→ 2点 (アンケート:1.8点)

狙い通り川崎のWGの背後を使えた時には関根の外側を山中が追い越して山根に対して2vs1を作ったりするシーンもありました。
逆サイドも同様で34:40のように柏木が川崎の中盤ラインの背後でボールを持てた時にデンが外側を回っていきました。残念ながらこれはオフサイドになってしまいましたが。

狙った形を作れた時には数的有利が出来ていたと思います。
ただ、その形が果たしてどれくらい再現できたかというと、あまり数は多くなかったかなと。

アンケートの記述欄で頂いた回答にも
「最初の決定機の前半2-4分の流れでは左右のサイドを上手く使えて、数的有利も作れていたかなぁと思います」
というものがあり、
これは柴戸がサイドに絡んで行ったり、杉本がハーフレーンへ入って山根を引き付けて山中が上がるスペースを作ったりしていたところかなと思います。

WGの背後を取ることでSBを引き付けて、こちらのSBを使って2vs1を形成するという狙い通りのシーンであったと言えると思います。

Q6.<保持>短時間でフィニッシュまで行っていたか?
→ 2点 (アンケート:2.0点)

シュートが打てそうな場所へボールを運ぶイメージの共有はされているのかなと思いますが、どういう状態でシュートを打つためにボールを運ぶのかというところまではなかなか見えてこなかったかなと思います。

短時間でやりきるためには最後がどういう形なのかのイメージが共有されていないと、その都度の判断になってしまいます。
14分のレオナルドのシュートのようにスピードアップしてからフィニッシュまでのスピード感は目指しているもののように見えますので、これの再現性を高めていく作業が出来ればと思います。
ただ、スピードに乗った中で狭いスペースを的確の突くパスを出すのは容易ではないので、果たしてこれをチーム戦術の中で突き詰めていくことが出来るかというとどうなんだろうと思ってしまうのが正直なところです。

Q7.<保持>ボールを出来るだけスピーディに展開していたか?
→ 3点 (アンケート:1.9点)

川崎のプレッシングが来たら西川にその背後へ落としてもらうということは意識されていたので、ボールを展開させる中での判断スピードは悪くなかったと思います。

西川にボールを入れてもらってからその先は?という部分でのスピーディさはまだまだでしたかね。

Q8.<非保持>最終ラインを高く、全体をコンパクトにしていたか?
→ 1点 (アンケート:1.6点)

前半のブロックを作っていた時も、後半の前からのプレッシングに行っていた時も、なかなか最終ラインは高くなりませんでした。
ブロックを作っている時は最終ラインの高さに合わせて全体がミドルゾーンにセットする形になったので、自然とコンパクトになりますが、
前からプレッシングに行くときは後ろが押し上げないとコンパクトさは保てません。

実際に失点シーンはボールが前に行った時に最終ラインが高くならず全体が間延びしたことで、ボール周辺での密度、強度が不足して剥がされてしまったものです。

前からのプレッシングと最終ラインの高さはセットです。
「前プレするにしても、中盤から後ろの押上げがいつも連動しないのが昨シーズンから変わっていない。」
「ハイプレス時にDFもラインをあげないのかなぁと感じました。もちろんDFのスピードが早いわけではないので、裏抜けへの対処もしないとですが」
という意見も来ています。

観ている側は分かっていますね。
体力的なものなのか、意識の問題なのか、原因は外からでは判別できませんが、早くピッチ内の現象の整合性をとってほしいなと思います。

Q9.<非保持>ボールの位置、味方の距離を設定して奪っていたか?
→ 1点 (アンケート:1.5点)

前からのプレッシングに連動した押し上げがないので、味方との距離感が定まらず、ボールを奪うためのチーム全体のアクションは取れませんでした。

チームとしてではなく、各々のセンスでボールを奪っているシーンがいくつかでているのかなとは思いますが、チームコンセプトを作って戦っているわけですから、出ている選手は最低限これくらいの絵は思い浮かべながら守備をするというシーンが増えてほしいなと思います。

Q10.試合全体の満足度は?
→ 2点 (アンケート:1.9点)

やりたいことは見えたがそれを遂行する力は足りなかったという、分かりやすい結果が出たように思います。

プレーコンセプトに則った編成を何年も積み重ねている川崎と、それをまさに今年からやり始めていてプレーコンセプトと編成のミスマッチがある浦和という捉え方で良いと思います。

今やれることはやった。でも力が足りないので負けた。


定点観測 - 22_page-0001


さて、この川崎戦を皮切りに5連戦。
しかも次の清水戦、横浜FC戦はいずれも中2日ということで、選手を入れ替えながら結果を出していかないといけません。

清水については前回対戦時と同様に4-2-3-1の陣形を攻守ともに作るので、川崎戦で狙った相手のWGの背後スペースがある状況が想定されます。ボールを刺し込むべき場所は分かりやすく提示してくれているので、そこをきっちり使って得点してもらいたいと思います。

過密日程で心の準備を整える間もなく次戦がやってきますが、是非清水戦でもアンケートのご協力をよろしくお願いします。

では、また。


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