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しらんけど。

兄は昔の写真をみると視線の先に
弟であるわたしを見ている写真が多い。

親に甘やかされて育ったわたしを
親の代わりに叱りつけることも多く
よく言えば面倒見がよかった。

その反面、イジられることも多かった。
わたしが驚いたり、なにか言うと
ゲラゲラ笑っていた。

23時頃、1周1キロほどの道路を二人並んで
ランニングをしていた。
「愚弟よ。」
「なんだ愚兄よ。」

このころ北斗の拳にハマっており
ラオウの口ぐせを真似していた。
愚かな兄弟だ。

「正常位のときに人間だけは向き合うとが正常位や」
「は?なんばいいよっとや。」
愚かである。

「だけんさ。動物は後ろからが正常やろうが」
「は?なんばいいよっとや。」
ランニングの最中だ。

「人間も後ろからが正常位にせんば
おかしかろうが。」
「童貞の弟になんば聞きよっとや。」

ため息混じりに答えた。
「よかや。愚兄よ。」
「動物が向かいあってやっとったら
急所丸見えやろが。アブなかさ。だけん
背中向けたメスに覆い被さって急所隠しながら
行為およっぶちゃろ。しらんけど。」

答えが面白くなかったようで無視して
次の話題へと進む愚か者だ。

「じゃあ弟よ。なんで人間は二足歩行や。」
「は?中間テスト120人中115位の弟に
なんば聞きよっとや。」
ゲラゲラ笑っている。

兄のツボはいまだにわからない。
まぁ しらんけど。

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