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モリタ(ver.24)マニュアル|仕事、ひいては生き方の話②働き「続ける」ために躁鬱の私が考えたこと


こんにちは。
今回のモリタマニュアルも「働くということ」についての記事です。

前回の記事を前提として読んでいただけると、今回の内容に納得がいきやすいかもしれません。


躁鬱に悩まされる私が、私らしさを保ちながら働き「続ける」ためにどういうことを考えて、どういう決断をしたのか。書いていきたいと思います。


フリーター時代を経て再就職へ

「私はゆるやかに職を失いました。」と前回の記事を締めくくったのですが、実は割とすぐに次のお仕事が決まっていました。

失業以前から在籍させていただいていたバーの出勤を増やしていただいたり、以前からのご縁で新しい場所でバーテンダーとして働かせていただいたり。

この時期は人の温かさに触れていたと同時に、フリーターとして生きる上での社会の厳しさなども痛感していました。

「社会のことを知らないと、搾取されて終わっちゃうのかもしれない」、「もっとうまく世渡りするための勉強が必要なのかもしれない」。

いろいろな方にアドバイス(ときにはお叱りのような)を受けながら、このように思うようになりました。
私、この期間にちょっぴり腹黒くなったと思います(笑)

この時期には、バーテンダーとしてたくさん勉強させていただきました。色々と学ぶことがあり、充実した日々を送っていたのも確かです。

ただ、「安定した生活」のことを考えると、フリーターという働き方では難しいのかもしれないと自覚するようになり、焦りを覚えていました。

私は再び「バーテンダーとして正社員で働ける環境」を探すようになり、なんと幸いにもそういう環境にすぐに巡り会えたのです。

結果的に、このフリーター期間は2ヶ月ほどで終えることとなりました。

再度うつ悪化、離職

そんな経緯で、とあるダイニングバーに就職しました。
ここはご飯にもドリンクにも同じくらい情熱を注いでいて、常に向上心を持って仕事をしたいと思っている私にとって間違いなく理想的な環境でした。

毎日学びが多く、必死ながらも環境に感謝し働いていました。

しかし、私はまた鬱を悪化させ体調を崩してしまうことになります。

今考えてみれば当たり前の話でした。
私は前回休職させていただいたときも、自分で心から納得のいくGOサインを出して復帰したわけではありません。
お医者さんに「復帰しないと店が閉まっちゃうんです」と訴えて、「復帰できる」と診断書を書いてもらいました。

閉店後に休めたのはほんの一瞬。その後は、目標収入に到達するまでシフトを入れてがむしゃらに働く生活になりました。

自分にとって多少無理な働き方をしている自覚こそあれ、見て見ぬふりをしていたのです。

そして、その状態のまま就職。
勤務日数はフリーター時代より増えていました。

「多少無理な働き方」と申し上げていますが、心身ともに健康な方なら問題なく働けるシフトだったと思います。私自身、働けると思っていましたし。

ただ、いつからか、「私だって心身ともに健康だ」と思いこむようになっていたのも確かです。

当時の私は「理想的な環境なら心の状態なんて崩さないだろうし、多少崩れたとしても身体の調子は持ち直せるだろう」と信じていたのです。本気で。
やりたいことをできているのに心身の調子が悪いだなんて、そんなのは甘えだ。そういう誤った考えを持っていました。

だから、人に迷惑をかけるまで無理をしてしまった。

前回書いた渋谷の店が志半ばで閉店してしまったことで「次の店では、やりきったと思えるようになるまで絶対にいなくなってやらないぞ」という変に固い意志があったことも、無理な状態を続けた一因でした。

無理を続けたことによって鬱症状が爆発した私はついに仕事にいけなくなり、無断欠勤を数日続けてしまいました。入社3か月目のことです。

少し気力が戻ってきたときにお店にお手紙を書き、行けなくなった経緯と謝罪(無断欠勤していることと、体調不良が続いていたことを伝えなかったこと、自分の症状の詳細を入社時に伝えなかったことなどを書いたように記憶しています)の意をお伝えしました。ちゃんと読んでいただけたかどうかは不明ですが……。

離職というと聞こえはまともですが、これも俗にいう「飛んだ」「バックレた」というやつなのです。

私はこの話をするとき、空気を重くしたくなくてヘラヘラしながらしゃべってしまいますが、本当はものすごく責任を感じています。やってはいけないことをしたことも解っています。

だからこそ、この経験が「絶対に無理して働かない」という決意とライフスタイルづくりにつながりました。
自分のためだけでなく、周りの人のためにもそうしなきゃいけないんだ、と気づけたきっかけになりました。


※余談ですが、退職代行サービスは頭をよぎったものの使いませんでした。考え方に個人差はあると思いますが、不誠実/不義理だと私は思ったので。退職にあたっての細かい話し合いはできなくとも、お手紙で辞意を表明したほうがまだ誠実なのではないかと考えました。
一緒に働いていた上司、先輩、アルバイトの方々のことはとても好きだったので、こうはなってしまったけれど可能な限り自分の言葉で謝意をお伝えしたかったのです。

休みながら考えたこと

離職後は、自分の心身の状態をスキャンするように見つめなおし、いろいろなことを考えた期間でした。

よく広告に出てきていた就労移行支援センターの相談や体験にも数回お邪魔させていただきました。
就労移行センターは社会復帰までにかかる期間やその他個人的な事情から、結果的には利用しないことに。
ですが、その後も「自分は健康な人ではない」という意識を持ちながら求職活動などをするようにはしていました。

以下、考えたことについて少しずつではありますが書いていきたいと思います。

好きなことをする、というのは健康だからできること

これまで私は「好きなことをするのは大変なことではなく、むしろ幸せで楽なことだ」と、大きな勘違いをしていたのです。

この約1年間を振り返って、そうではないんだということに気づきました。
むしろ、好きなことをするのはすごくカロリーを消費することで、健康じゃないとできないんだ、と。それを生業にしていたら尚のことです。

だって好きなことって、とっても感情が動くことじゃないですか。
成長できたら小躍りするくらい嬉しいし、反対に、失敗したり退化を感じたときには自分の才能のなさに辟易し、落ち込んでしまう。

なんの情もない仕事でのミスで、心の中では「ハイハイ、サーセンした」と思いながら頭を下げるのもそれはそれで大変だと思います。
ですが、好きで/本気でやっていることでの失敗ではまた別の、もっと自分の能力のなさを責めるような落ち込みがあると気づきました。

仕事する自分だけでなく、自分の存在ごと責めてしまうような。

だから「元気のないときには好きなことをしよう!」というのは時と場合によっては有効ではない考え方なのかも、と思います。

好きなことを続けるのも、成長するのも、すごくエネルギーを使うことです。疲れること。私はそう思います。

「好きなことなのにできない」と思って落ち込んでいる方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、そのことで自分を責めるべきではないですよ、とお伝えしたいです。今、健康ではない可能性があると思います。
お休みは十分にとれていますか?生活リズムを見直すと、また好きなことに向かっていける元気が出るかもしれません。

休む=人に迷惑をかける、ではない

・「〇〇できる?」と聞かれたら「できます」と答えてしまう
・何のバイトでもシフトに協力しすぎる
・大変なことでも、無理すればできることなら「大変です」と言えない

以上3つ、私の悪い癖です。

「できないです」
「出られないです」
「それやるの難しいです」

これらは、伝えると迷惑をかける言葉だと思っていました。

でも、鬱で仕事に行けなくなる経験を2回もした(無断欠勤未遂も含めたらもっと回数あります)ことで、考えを改めました。

私の場合、無理なことを続けると以下のようになります。

・表情がなくなり、笑顔なんて作れなくなる
・声に感情が乗らなくなる
・些細なことにいらいらするようになる
・結果的に、単に不機嫌なのだと勘違いされる
・SNSで「もうむり」みたいな愚痴を書いたり発狂してしまう
・過食(食べ物は吐けないタイプなので非嘔吐型)
・ストレス以外の原因が見当たらない発熱
・起き上がれない、お風呂に入れないなど日常生活が難しくなる
・結果的に仕事に行けなくなる

あくまでも私の場合の話ですが、下に行くほどストレスレベルが高いサインだと捉えています。
経験上、だいたいどのくらい休めると復活できるかというのも自分の中で解ってきているのですが、上4つは2日ほどお休みが取れると復活できる症状です。
下3つになってしまうと、1週間以上本気で休まないと完全復活はできないと思っています。

こういう状態では、周りの人を不快にしてしまったり、迷惑や心配をかけてしまったりすることになりかねません。

これまでは「休む=迷惑」だと思い込んでいましたが、私の場合は実は「休まないこと」が迷惑に繋がってしまうことにやっと気づいたのです。

これに気づけてからは、今までのようにギチギチにスケジュールやシフトを組むことが少なくなりました。

私は5連勤がメンタルヘルス維持の限界だと自分でわかっているので、5連勤以上はしないようにしています。もしどうしてもしなければならない場合は1日の勤務時間がなるべく短くなるようにしたり、退勤後ひとりの時間を確保できるようにしたりしています。


私は「なにもできない」のではない

結局私は今何をしているのかというと、「いろいろやりすぎているフリーター」です。

お昼にはボディケアグッズのショップ店員をし、夜はコンカフェ嬢。週1で飲食店でのバイトもしながら、在宅でライティングのお仕事をさせていただいたりしています。たまに知り合いのバーのお手伝いに呼んでもらったりとかも。

こう書くと忙しそうに見えますが、実は余裕もあって生活や労働を楽しむ心も取り戻しはじめています。

今まで、好きなことすら続かない私は「なにもできない」人だと思っていました。

でも、色々考えた上で今のライフスタイルを試してみて、「なにもできない」んじゃなくて「私に合っていなかっただけなんだ」と気づきました。

・短時間でも毎日働くようなシフト
→1日の労働時間が多少長くなっても、週休2日を確保するシフトを意識するように。

・「ここしかない」と思えるような理想的な環境を探して働く
→自分を責めないために、あえて大好きなところから数ミリだけずれたところで働くように。
例えば、バーではなくバルで働くなど。こうすることで働く上でのエネルギー消費を少なくできていると思います。あと注意されても全然凹まなくなりました。

・夜型の仕事
→日付が変わる前には帰宅できる仕事に変更。学生時代から深夜勤は普通にしていたし、起立性調節障害を持っていたせいで自分は夜型だと思い込んでいたのですが、ダメ元で昼の仕事にしてみたら随分と体調が良くなりました。

・やりたい仕事であれば髪色を暗くすることも辞さない
→髪色自由は譲らない。面接にも染めていかないようにしました。わがままだよなあと自分でも思いますが、髪色を自由に変えられるのは自分のメンタルヘルス上非常に重要な条件だとわかっていたからです。

自分を振り返って「こんなことが大変だったからこんな風に働いてみたいな」という希望をすべて詰めこんだ生活が今です。
フリーターなので実際問題お金には苦労していますが、体と心が楽になったのが本当に嬉しくて。これなら続けられそう、と思えているこの環境に感謝しています。
昼の仕事が決まる目途が立たず、諦めかけたこともありましたが、希望を貫き通して本当に良かったです。

なにもできない、という自己否定の気持ちも徐々にやわらいできました。
今までやってきたのとは違う職種にも挑戦できていることが自信にもなっていますし、「この仕事の方が向いているのでは……?」と思うことすらあります。

私はいつかバーをメインとしたスペースを開業したいと考えているので、そのうちバーテンダーに戻ると思います。
ですが、そうなったとしてもこの経験を活かして、自分にあった働き方を選択し、希望できるように整えていきたいです。



ながーーーーい記事をここまで読んでくださったあなた!ありがとうございます!

書きながら「これはモリタマニュアルではないのではないか?」と思いましたが(笑)まあ今の私の話なので入れておいてもいいだろう、ということでそのままモリタマニュアルにすることにしました。

あとマニュアルにするならなんだろう。嫌いなものとか?

他に書きたい話もあるので、次回のモリタマニュアルは追加したいトピックを思いついたら更新することにします。

とんでもなく長い自語り2部作を最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
最後の方には自分の気づきも書きましたので、少しでもなにかのお役に立てておりましたら幸いです。

私みたいな経歴の人は多くないじゃないかな、と思いますので、私の話があなたの自信やパワーにつながれば嬉しいな。と思います。

それでは、また更新しますね。

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