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松本城をめぐってぐるぐる考えたこと:破

一本乗り遅れた電車で着いた松本はとても混んでいた。駅から松本城まで向かう道には明らかに同じ場所へ向かう人の流れができていた。と、分かりやすく思うのは、水色のジャージを着た子供たちが引率の教師に導かれ、列を組んで歩くさまが川の流れのように見えたからかもしれない。修学旅行だろうか。そういえば、コロナが流行し始めてからは修学旅行先の選択も変わってきているとこの間ニュースで聞いた。ランキングでいうと、京都と奈良の人気はいぜん根強いものの、次ぐ東京と大阪の順位は下がり、山梨と北海道が入れ替わりで上位に来た。これはまた分かりやすく、人が集まる大都市を避ける傾向があるとか、自然との触れ合いを重視する傾向があるとか、そういうことは言えそうだ。そういえば、昨日職場の人が休日に遊びに行った場所についていろいろ話してくれたのだが、伊勢とか出雲とか日光とか軽井沢とか、確かに地理的にはバラバラであるものの、なんとなく選ぶ場所の偏りが気になっていた。今思うとその偏りは、歴史か自然を訪ねるというパターンによるもので、そのパターンはもしかしたら日本人が学生時代の修学旅行で身につけるのではないだろうか。

一人でお城に行くとなぜかいつも修復工事をしている。小田原城に行った時もそうだったし、犬山城のときもそうだった。今回の松本城も修復中の部分があり、立ち入れないエリアがあるらしい。せっかくこんな複雑な構造をしているのだから、天守を登って降りるだけでなく、横の移動も楽しみにしていたので、肩透かしをくった形だ。


天守閣には入場制限がかかっていて行列ができていた。流石に修学旅行生と一緒では落ち着いて見学できないだろうと見越して、彼らがお城の周りで記念撮影を始めたタイミングで先に有料の天守ゾーンに入った。しかし一般と団体ではそもそも並ぶ列が違うらしく、僕がようやく入り口に差し掛かったところで魚の群れのような彼らがぞろぞろと、何食わぬ顔で合流してきて度肝を抜かれた。

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