【映画備忘録】シング・ストリート
かつてバンドを組んでいた僕としては、自分の青春と重ね合わせるかのようにこの映画を観てしまった。
この映画はコナーという主人公が、転校直後にラフィーナという女性に一目惚れをし、組んでもいないバンドをやっていると口走ってしまうところから始まる。
コナーは慌ててバンドを組むことになり、彼女を口説き落とすために頑張って歌を作る。
そして、本当に彼女をゲットする。
最後は彼女との恋に突っ走り、お金もない、あてもない中で、イングランドに向けて船で出発する。
一方、同時平行で描かれている学校生活やバンドはどうかと言うと、転校直後は周りからバカにされていたものの、最後は最高に盛り上がるライブを学校で開催する。
そのライブ中、コナーに厳しく指導をしていた校長を皮肉に歌う曲を演奏し、派手なパフォーマンスもする。
学校という場所で、
人間関係に悩みながらも、
音楽に夢中になり、
狙った女の子と恋に落ちていく。
なんと成り上がりのストーリー…
青春ど真ん中すぎる…
そんな映画のなかで、気になったシーンが1つ。
コナーは自分をいじめていたヤツを、最後のライブ前に、バンドのサポートメンバーに誘う。
イジメてきたヤツを仲間に迎え入れ、役割を与えるというのが何を意味しているのか。
現実では、あり得ない。
正直、「いかにも映画!」と思うシーンだった。
ただ、なんとなく気持ちは分からなくもない。
学校という狭いコミュニティのなかでは、イジメっ子を仲間につければ自分がイジメの対象ではなくなる、みたいな感覚はある。
そう言えばーーー
自分もベースを買ったのは、ヤンチャなグループがバンドを組んでいて、その仲間に入るキッカケが欲しかったからだったっけ。
バンドに入れてもらえれば、ヤンチャなグループと仲良く出来るかもしれない。
そう期待を抱きながらベースを買った。
今となっては、そこまでする必要はなかったと思う。
でも、当時はそれが学校生活を生き抜く術だった。
バンドを組めたこと、文化祭で演奏できたことはかけがえのない思い出になったから、結果的には良かったのかもしれない。
そんなことを思いながら、この映画を観ていた。
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