閑散とした道頓堀で、キャッチのお兄さんと話したこと
外国人観光客は減ったものの、国内にはまだ危機感が浸透していなかった3月上旬。
人のいない観光地を撮りたいと、わざわざホテルまで取って、終電後の大阪ミナミを散策していたのだった。
道頓堀のシンボルであるグリコの電灯は、とっくに消えていた。
「お姉さん! 待ち合わせですか?」
「あ、いえ、写真撮って回ってるんです」
「カメラマンさんですか?」
「いやいや、趣味ですよ。でもグリコももう消えてしまってますね。あんまり人もいないですし」
「そうっすね〜いつもはこんなもんじゃないんす