樟葉みちる

Twitterに書ききれないあれこれを整理して残す。創作の糧になりそうな体験や読書の感…

樟葉みちる

Twitterに書ききれないあれこれを整理して残す。創作の糧になりそうな体験や読書の感想。出来事や精神状態を言語化。自身を理解し、改善したい。

マガジン

  • 読書記録

    読書の記録。映画やニュース記事なども

  • 創作の糧

  • 私自身を理解するために

    私をより良くするために。これまでの体験、気付きを記録する。

最近の記事

「メドゥサ、鏡をごらん」これは誰の物語なのか(読書感想)

これは怪死や因習の裏側を明かす物語ではない。 怪奇をありのまま受け入れる物語だ。 「メドゥサを見た」 そう書き残し、婚約者の父・藤井陽造が亡くなった。自ら全身をコンクリートで塗り固めて。 真相を探るため、作家であった故人の遺作を探し始めた“私”は、ある町に残るメドゥサに関連した因習を追うことになり、怪異に呑まれていく。 メドゥサによって起こされる奇妙な出来事。その不安を加速させるのが前時代的な不便さだ。なんせ記録メディアの主流がフロッピィだった時代の話。 この物語では

    • どうすればいいかわからない不調をどうにかしたい 「最高の体調」読書記録

      先週初め、手足に発疹が現れた。1週間放置してようやく皮膚科に行くと、蕁麻疹と診断された。生まれて初めてのことだった。 「最近忙しいですか? 疲れを感じることは?」という医者に「こう言うとおかしいですけど、いつもです」と答えた。 これまでと変わったことはなにもしていない。社会人になってから数年、ずっと同じ部署でずっと同じような仕事をしている。それなのに原因は『疲労』らしい。なにが悪いのかなにもわからなかった。 で、思い出した。月始めに手をつけ半ばで放置し続けていた本のこと

      • 「すべての知識を20字でまとめる」はあらゆる本を読む前に出会いたかった一冊だ(読書記録)

        自分のことを頭が悪い人間だと思っている。 何を学ぼうとしたって、理解したつもりで、やっぱり頭に残っていない。 この本を読もうと思ったきっかけだけど、その前に。 ”理解”ってどういうこと? どんな状態? まず突きつけられる。 教科書や辞書に載っているような言葉を読み上げるだけじゃ”理解”してるとは言えない。 理解=自分の言葉で説明可能な状態。 見聞きしたことを何度も考え、自分のものにしないと意味がない。 他人のものを私が使いこなすことはできないし、誰かに分け与えることは

        • 自粛警察になるな(戒め)

          本日2020年6月13日土曜日。 京都新聞1面。「自粛警察」正義の暴走 同じく29面。不安感 増殖した言葉の刃 誰の肩を持つわけでもなく中立的に眺めてみれば。 本当に、正義面した人間の行いは醜い。 1面概要。 京都市の雑貨店に届いた嫌がらせのはがき。「オオサカ ヨリ コロナウィルス モッテクルナ」店主は大阪市から通勤ている。はがきが届く以前には店のショーウィンドウが割られる被害も。どちらも発生したのは緊急事態宣言中、京都大阪間の移動自粛が要請されている期間だった。 29

        「メドゥサ、鏡をごらん」これは誰の物語なのか(読書感想)

        マガジン

        • 読書記録
          6本
        • 創作の糧
          2本
        • 私自身を理解するために
          9本

        記事

          閑散とした道頓堀で、キャッチのお兄さんと話したこと

          外国人観光客は減ったものの、国内にはまだ危機感が浸透していなかった3月上旬。 人のいない観光地を撮りたいと、わざわざホテルまで取って、終電後の大阪ミナミを散策していたのだった。 道頓堀のシンボルであるグリコの電灯は、とっくに消えていた。 「お姉さん! 待ち合わせですか?」 「あ、いえ、写真撮って回ってるんです」 「カメラマンさんですか?」 「いやいや、趣味ですよ。でもグリコももう消えてしまってますね。あんまり人もいないですし」 「そうっすね〜いつもはこんなもんじゃないんす

          閑散とした道頓堀で、キャッチのお兄さんと話したこと

          私はボラード病患者であるべきなのかもしれない(読書感想)

          吉村萬一『ボラード病』を読んだ。 これはディストピアの話。我々の現実の延長に起こり得た、一つの可能性の話。 私は「ない話」を「あるかも」と言ったりするのが大好きなので、この本に対してもそういう風に吹きまわる姿勢だ。 しかし、それを否定できる人間がいるのか? この話は絵空事だと(絵空事なんて素敵な話でもないのだが)。現実とは全くの無関係だと。こんなに愚かな人間たちは実在しないと。言い切れる人間が。 まあ、非難はされそうだけど。 この話が現実世界と我々をモデルにしてい

          私はボラード病患者であるべきなのかもしれない(読書感想)

          「楽したい」が根底にあるので、モチベーションがガタガタな件

          「なんのため?」と聞かれれば、大抵のことは「楽したいから」が大元にある。 絶対に口には出さないけど。 楽したいから。 やれるうちは頑張るし、ちょっとでもしんどくなったらやめる。 結果、何事も成したことのない人間が私です。 私は形から入るタイプで、形を作るだけで疲れて興味が失せる。 世の中のあらゆることは「多少しんどい」とそろそろ気づいていい頃だな。 どんなに簡単そうなことでも「続けることは等しく苦痛」と心構えをしておくべきだ。 もしかして、みんな知っているのか? とっく

          「楽したい」が根底にあるので、モチベーションがガタガタな件

          ずっと同じ場所にいると歪(ヒズミ)が発生するらしい

          人事異動発表を翌週に控えたある日。 「ずっとここにいたいんですよ。異動は嫌です」 先日私は退職の意志を伝えた上司Sと再び話す機会に恵まれた。引き止めてきた上司に、今度は「せめて異動はしたくない」と伝えた。実際上司Sにもどうしようもない話だと知りながら。 (関連:社員登用から1年、退職の意思を伝え言われた言葉「能力があるのにもったいない」について。 ) この一見ちゃらんぽらんな上司は、私の申し出に対し真摯に頭を悩ませ、自分の過去を恥ずかしげもなく晒すのだ。人間性が垣間見

          ずっと同じ場所にいると歪(ヒズミ)が発生するらしい

          『そんなん誰でも早よ帰りたいやろ』と思いながら帰った日

          私を先に帰してくれた同僚の話。 定時10分過ぎ。内線が鳴った。用件は既に退社した人間宛てだった。 内線を受けたのは同僚で、同じ係で残っていたのは、残業することにした彼女と片付けを終えた私の2人だけ。 受話器を置いた同僚が言う。「支店の〇〇さんから問い合わせなんやけど。〜の件、わかる?」 それは彼女より私の方がよく知っている内容だった。「キャビネットAにありますよ。やりましょうか?」 「いや、いいよ。早よ帰りたいやろ」 気の利いた言葉は返せなかった。「すみませんお願

          『そんなん誰でも早よ帰りたいやろ』と思いながら帰った日

          "自分のこと"がわかれば努力はできる

          物心がついた頃から、努力ができなかった。継続的なものは特に。 夏休みの宿題は小1の時点から既に未提出で踏み倒していた。受験期には登校拒否からの、塾なし模試なしの一発勝負。受かった公立高校を1ヶ月で登校拒否し、転校。就職活動を一切経験せず非正規で雇用され、社員登用から1年、既に根を上げ転職を検討している。 この世の中は努力しないと生きていけないらしいので、努力する方法を考えてみた。 何故努力できないのか考えてみたまず何故、嫌なことを頑張らなきゃいけないのか。苦痛を耐えた先

          "自分のこと"がわかれば努力はできる

          正しい生活習慣は一生モノの資産(20kgの減量に成功した方法)

          一生痩せ薬を飲み続けるのと、どっちがいいか? これはアフィリエイト記事ではない。 1年半で約20kgの減量に成功した(最大1年しか表示できなかったがヘッダー画像は実際の記録)。 リバウンドが起こっていないという幸い中の不幸、体重が減りにくくなってしまった。まだ平均体重には届いていないので困る。さらなる減量に向けて、棚卸し。 20kg減量した方法生活習慣の改善。これだけ。 精神的にも金銭的にも苦痛が少なく、かつ長く続けられる唯一の方法だと思う。なにより、正しい生活習慣は

          正しい生活習慣は一生モノの資産(20kgの減量に成功した方法)

          20kgの減量に成功してから1年が経っていた

          なお、リバウンドは起きていない。 良いことがたくさんあった。 減量開始から現在まで、以前と変わったことを書くことにする。 2020.03.15 減量した方法を投稿。 周囲の反応は精神的支えになる「こんなこと聞くのあれやけど、大丈夫? 仕事しんどくない?」 5kg減量した時点で初めて言及された。女性上司だった。「健康的に痩せたので大丈夫です」といつも通りの表情の乏しさで返した。あとから「ストレスですって言っときゃ良かったな~」とニヤニヤしながらツイートした。 更にパート

          20kgの減量に成功してから1年が経っていた

          社員登用から1年、退職の意思を伝え言われた言葉「能力があるのにもったいない」について。

          若いので、やりたいことがたくさんある。絶対にやりたくないことだって。 社員でいる限り付きまとうであろうノルマに、1年目にして音をあげた。 「本当にここのことは大好きです。人にも恵まれました。経営理念だってとても素敵で共感してます。でも、その全てを台無しにするくらい、保険のノルマが嫌なんです。ああいうモノの売り方は絶対にしたくありません」 私は、全社員に課される保険のノルマが達成できなかった。人に勧められるほど良い商品ではない。「あなたが言うなら」と買ってくれる知り合いもい

          社員登用から1年、退職の意思を伝え言われた言葉「能力があるのにもったいない」について。

          私は何故「いつでもいい」と言われたことから終わらせてしまうのか

          「これ出しといてくれへん? あ、いつでもええで。忙しくない時に」 下っ端なので、何かに取り組んでいる最中でも構わず頼みごとをされる。「いつでもいい」は私を動かす魔法の言葉だ。その一言が付け加えられるだけで、私は今やっていることの手を止めて、頼みごとを優先し出す。 「いつでもいい」という気遣いに応えたい頼みごとに「いつでもいい」と付け加えてくれる人は、気遣いのできる人だと思う。私の仕事内容と量を知っていて、それでも私にしかできないことがあるから頼むことにしたのだろう。 さ

          私は何故「いつでもいい」と言われたことから終わらせてしまうのか

          SNSでのキャラ付けに、リアルの人格を侵食されていた頃の話

          人に誇れることが何もなくて、Twitterでのキャラ付けにアイデンティティを見出していた。 「お前らにとっては普通でも、私にはとんでもない苦痛なので強要するな」 世の中の全てを"私"と"それ以外"に分断した。被害者面して徹底抗戦の姿勢。あらゆる一般論を残らず刺しに行くかのようにツイートを繰り返した。 リズムや見栄えを重視した弊害Twitterでの人格は、現実の私ではない。格好良い自分でなくてはいけない。 140文字という制限の中、無駄な言葉を削ぎ落とす。オブラートを捨

          SNSでのキャラ付けに、リアルの人格を侵食されていた頃の話

          "怒らなきゃ損だ"という理由でイラついている自分がいた

          怒ることにさえ、疲れていたのだろう。 「わしなんでこんなにイラついてんのや」職場にて。他人から自分の担当業務外の単純作業をパスされて、動作の遅いゴミスペック備品PCの読み込みカーソルを睨みつけつつ、握りしめたマウスの上で人差し指を無意味に上下させていたある日のこと(日常茶飯事)。 確かに腹が立つことではあるが、なんだか必要以上にイラついている気がした。 それじゃあその"以上"の部分ってなんだ。何が原因で自分の精神はこんなにもかき乱されているのか。理不尽に対して怒るっての

          "怒らなきゃ損だ"という理由でイラついている自分がいた