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【つの版】ニンジャスレイヤーTRPG簡易リプレイ【バーニング・ヤクザハウス】

邦題:ヤクザ事務所襲撃(Burning Yakuza-house)

これは2019年1月2日から3日にかけてTwitter上のnjslyrタグで行われた、ニンジャスレイヤーTRPGの簡易版ゲームでのつののリプレイを纏めたものです。つのはリプレイ集とかを読むのはすきですが、実際にプレイしたことはあまりなく、サイコロと鉛筆とメモ用紙を手に手探りでやってみました。ツイートを全部貼ってもいいのですが、めんどいのでほぼ書き起こします。みなさんのも含めてTogetterにまとめられるでしょう。

◆ニンジャ創造◆

つののサイコロによって、新たなサンシタニンジャが無から誕生しました。おそらくキンカク・テンプルこと黄金立方体とは六面ダイスであり、シックスゲイツはその六面を表すのでしょう。神はサイコロをふるのです。

強くはありませんが弱すぎもせず。でもカトン使いでZBRをやってるサンシタという時点でだいぶいいえ未来(No Future)です。ではリプレイの様子から、彼のアトモスフィアを感じ取っていきましょう。

◆ソロアドベンチャーパート開始な◆

(これまでのあらすじ:ソウカイヤの末端ニンジャ、ハウスバーナー。彼はカラテとワザマエを多少評価され、モーターロクメンタイなるナビゲート・ドローンとソロ・ミッションを与えられた。マシンの機能テストが主であろうが、このビズに成功すれば上司からの評価は上がる。失敗すれば…)

「…ハッキング?俺が?火つけていい?」ミッションを告げるモーターロクメンタイ…通称D6に、ハウスバーナーは横柄に呟いた。カラテとワザマエには多少自信があるが、UNIXは苦手だ。カトン・ジツで事務所を燃やしてしまうことも考えたが、UNIXのデータも駄目になる。やるしかなさそうだ。

彼は今、データセンターのすぐ近くにいる。玄関前には、ショットガン装備のクローンヤクザY-10型が1体、守りを固めているようだ。普通のクローンヤクザはチャカガンを装備しているが、ショットガンとはなかなか危険だ。だが、当たらなければどうということはない。彼はニンジャだし、素早い。

"【ワザマエ】値に等しい個数のダイスを用意し、振ってみてください。振った中に出目4以上のダイスが1個でもあった場合、スリケンは命中です!"

ここを突破しなければ、目的のUNIXにはたどり着けない。悠長なことをしている暇はない。さっそくクローンヤクザに向かってスリケンを投擲!「イヤーッ!」「アバーッ!」クローンヤクザの額にスリケンが突き刺さり即死!「へっへ、よしよし…」彼のワザマエはサンシタとしては多少高い。

クローンヤクザは非ニンジャとしては強い部類だ。だがニンジャは彼らを苦もなく殺せる。カラテやワザマエ、ニューロンの冴えで。要は日々鍛錬だ。サンシタの中でも弱すぎる連中なら、スリケンを外し、あまつさえショットガンで反撃を受け、それさえ回避できずに食らい、死んでいただろう。

ハウスバーナーは、ソウカイヤでの上位ニンジャ…ソニックブームやアーソン、バンディットといった雲の上の存在を思い浮かべる。彼らは複数のマシンガンを近距離から連射されても全て回避できるという。自分にはまだそれほどの実力はないが、日々の鍛錬と才能があれば、その域に到るだろう。

とにかくハウスバーナーはスリケンでクローンヤクザを始末し、先へ進む。目的のUNIX部屋の前にはドアがある。ドアノブをひねるが、鍵がかかっている。ドアの鍵などニンジャである彼にはショウジ戸に等しい。論理錠前は苦手だが、カラテでドアノブをねじ切り押し開ければ済む話だ。

ハウスバーナーは少し考える。カラテに自信はある。カトン・ジツで焼いてもいい。しかし慎重にいこう。彼は元スラッシャーで、手先は器用であり、鍵開けには昔から自信があった。懐から一本のヘアピンを取り出すと、彼はニンジャ器用さで瞬く間に物理錠前を破った。「へっ、楽勝楽勝!」

"この手の判定は通常1回しか行えません。あなたのニンジャは自信満々でその判定に望んでいるからです。この判定に失敗したニンジャは、その不甲斐なさを深く恥じ入り、自分の家に帰ります。よって今日のゲームからは脱落です。しかし命は残りました。上出来です。あなたのニンジャはPCと呼ばれる特別な存在です。なので、【精神力】を1使うことで、こうした「どうしても成功しておきたい判定」について、自動的に成功することができます。本当は判定の前に宣言しなくてはいけませんが、今回は特別に、使ってもいいですよ。"

スリケンでヤクザを殺し、物理錠前を破った。彼はワザマエに自信を持っていた。もしどれかに失敗していたら、不甲斐なさに深く恥じ入り、自宅に帰っていたかも知れない。彼はやや頭が悪く、ZBR中毒で、精神的弱さを抱えている。自信を持て。慢心せず卑下するな。そう自分に言う。

UNIXの並ぶ部屋に侵入したハウスバーナー。だが…「スッゾコラーッ!」警備クローンヤクザが1体、ドスダガーを構えて向かって来た!ここはカラテの見せ所だ!「イヤーッ!」「アバーッ!」ハウスバーナーの迎撃カトン・パンチが警備ヤクザの頭部を焼灼破壊!ヤクザ即死!ナムアミダブツ!

確かな手応えに、ハウスバーナーはニヤリと笑った。俺はニンジャだ。世界の王にはなれずとも、非ニンジャよりは圧倒的に強い。頭部を失ったヤクザの懐から財布がこぼれ落ちた。咄嗟に拾い、万札1枚をゲットした。カラテで命とカネを奪ったのだ。スラッシャー時代の、あの快感と充足感だ。

"このクローンヤクザに対する【カラテ】で6の目が2個以上出ていた人は、『サツバツ!』が発生します。詳細は割愛しますが、『サツバツ!』により追加で【万札】を5獲得です!なお【精神力】使用による【カラテ】成功時には『サツバツ!』は発生しません"

運が良ければ、もう少し万札が多く手に入ったかも知れない。さっきスリケンで殺したショットガンヤクザの懐を探っても…ショットガンを回収して売り払えば…彼はいわゆる「ビーバーの皮算用」に囚われかけたが、目的はそんなちゃちなことではない。D6が行動を見ている。奥ゆかしくせねば。

敵は全て排除した。目の前にはUNIX。これをハッキングして未公開株券をゲットせよ。それがソウカイヤからのミッションだ。彼はUNIXやサイバネに迷信的な苦手意識を持っており、ローンを組むのと同じぐらい嫌いだったが、電脳都市ネオサイタマでビズをする以上、避けては通れない。

選択肢1:未公開株券データを狙い【ニューロン】でハッキングする(出目目標4)
選択肢2:株券データを盗むだけでなく、ヤクザクランの銀行口座そのものを狙い【ニューロン】でハッキングする(危険!:目標出目6)

D6に頼ろうかとも思ったが、それではソウカイヤに恥を晒す。たぶん自分にこのミッションが与えられたのは、UNIXへの苦手意識を克服しろという試練だろう。彼はそう解釈しようとした。なけなしの精神力をZBRではなく脳内麻薬でブーストし、彼は覚束ない手付きでUNIXを操作した!男になれ!

キャバァーン!ハッキング成功!ニンジャの身体能力と学習能力、そして集中力により、ハウスバーナーは苦手なUNIX操作を克服して未公開株券データを獲得したのだ!万札10枚にはなるだろう。欲をかいてヤクザクランの銀行口座そのものをハックすることも頭をよぎったが、危険を感じてやめた。

彼が非ニンジャのスラッシャー…ヤケミ・ノツだった頃、組んだハッカーの一人がハッキングに失敗し、UNIXから飛び出た毒矢に胸を貫かれて死んだのだ。それを目撃して以来、彼はUNIXに迷信的な恐怖を覚えるようになっていた。おそらくこのUNIXにも毒矢は仕掛けられていただろう。よくある罠だ。

だが、彼は冷や汗をかきながらもミッションを成功させた!成功の体験は人を、ニンジャを、一瞬で変える。良くも悪くも。「次はハッカーと組ませろよ!俺スラッシャーだろ?」D6に半分本気の軽口を叩き、ハウスバーナーは張り詰めた精神をリラックスさせる。笑い、深呼吸し、体験を噛みしめる。

ファオンファオンファオンファオン……騒ぎを聞きつけたのか、表通りでNSPD武装パトカーのサイレン音が鳴り響いている。潮時だ。D6に未公開株券データを入力し、ヤクザから奪った万札を懐に入れ、ハウスバーナーは事務所からしめやかに立ち去った……。

「ドーモ、ハウスバーナー=サン。ダイスマンです。D6の使い心地はどうでしたか?」突然声をかけられ、ハウスバーナーはぎょっとした。路地裏のゴミ箱の横に蹲っていたのは、ホームレスに変装したニンジャだ。ダイス型のサイバネアイが光る。ソウカイヤのニンジャで、D6を貸与してくれた。

「ドーモ、ダイスマン=サン。貸与ありがとうございました。実際役に立ちました」「それはよかった。じゃ、回収しますね」「はい。例のデータは入っています」「UNIXへの苦手意識も払拭できたようで、何よりです。それでは」「はい。ありがとうございました」ハウスバーナーは頭を下げた。

ダイスマンは立ち去った。不気味なニンジャだが、ソニックブーム=サンの紹介だ。信用できる。とにかく自分は万札を手に入れ、データを獲得した。自信もついた。それでいい。頭上を広告マグロツェッペリンが飛んでいく。「我が社は道徳に生きたい。貴方は借りられる!ふわふわローン

「ローンなんて組むのはごめんだぜ…」サイバネの借金で首が回らず、死神めいた債鬼によって命を落とした末端ニンジャも少なくない。都市伝説的なニンジャ殺しの死神より、そちらの方がよほど現実的だ。アブナイを知り、欲をかくな。自信を持て。今日はいいインストラクションになった。

「さて、アジトで祝いのZBRでもやるかな。たまには景気よく焼肉でも喰うか…」ハウスバーナーは独り言ち、夜のネオサイタマへ消えていった。

【バーニング・ヤクザハウス】終わり

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以上です。つの産のこうしたニンジャたちを、あなたは自由に活用して下さい。つのはとても喜び、あなたの記事にスキをつけたりするでしょう。

【以上です】

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