見出し画像

人間の権力争いが一番ホラー。映画『スターリンの葬送狂想曲』イギリス・フランス、2017年


久しぶりに映画が見たくなったので、見てきましたが、もう怖いのなんの!
原作はフランスの漫画の『La mort de Staline』だというから驚きました。マジな歴史小説かと思いましたよ。

ソ連の独裁者だったスターリンが死んだ後、後継者の座を争う面々の表面上の集団指導体制と水面下での闘争、暗躍。いろいろ調べてみると、映画の内容には歴史に忠実な部分も、創作の部分も多々あって、賛否それなりらしい。

でも、とにかくブラック・コメディすぎて笑えない。人があまりにもあっさり殺されたり、逮捕されたり。手を組んでいたと思っていた相手が、気づけば裏切っている。保身のためなら、友人も奥さんも売る。それも、自分が拳銃をつきつけられたり、逮捕されたりするまで気づかない。

多分、本当にこの時代の社会主義の国って、正直だとか、誠実だとかが、しゃれにならないくらい軽い価値しかもっていなかったらしいことが伝わってきます。つまり、生き残っている人、全員まともじゃない

とにかく、いろいろ怖すぎました。この夏、最大のホラー映画。おもしろかったには、おもしろかったんですけれど。心臓にかなり負担ありです。

邦題:スターリンの葬送狂騒曲(The Death of Stalin)
監督:アーマンド・イアヌッチ
原作:ファビアン・ニュリ、ティエリ・ロビン『The Death of Stalin』
製作:イギリス・フランス(2017年)107分


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?