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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#中国ドラマ

中国社会の暗部に挑む男たち。『検察官の遺言(長夜難明)』紫金陳(大久保洋子訳)

中国ドラマの名作『ロング・ナイト』(沈黙的真相)の原作。私は先にドラマを見ているので、ド…

夕遊
5日前
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中国の建物と街並み詳説絵巻『建築知識』2024年7月号

発売前から評判だった専門雑誌を予約購入。中国ドラマや映画をみるときや小説読むときの参考に…

夕遊
2か月前
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「14億分の10憶」のリアル『中国農村の現在』田原史起

読む前から、間違いなく田原先生の本なら面白いだろうなと期待させられる本。そして、実際隅か…

夕遊
6か月前
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耽美をめぐる社会情勢と魅力『BLと中国』周密

以前から興味を持っていた分野なので、すごく読みたかった本ですが、発売前から重版がかかるほ…

夕遊
6か月前
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ノスタルジー上海。『長恨歌』王安憶(飯塚容訳)

予備知識ゼロで手に取った、王安憶の長編『長恨歌』。白居易の『長恨歌』と同じ名前の現代小説…

夕遊
7か月前
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好みすぎる中国古代史ミステリー。『蘭亭序之謎』唐隠著、立原透耶監訳

中国の長い歴史の中でも、一番華やかな時代のイメージがある「唐」。7世紀から10世紀まで、日…

夕遊
9か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部屋が極端に暑がりな彼の好みぴったりの温度に調整され、彼の好きな日本の老舗のアンパンがウェルカムスイーツで置かれていたのを見て、中国側の事前情報の収集っぷりと交渉への並々ならぬ準備に、「これは大変な国に来てしまった」(≒交渉は相当手強いぞ)と言ったとか。1972年、日中国交正常化にまつわる有名なエピソードの1つです。 そういう「したたかな中国」(≒お金がないので「おもてなし」しかできなかっ

”無常”という冥界の使者『中国の死神』大谷亨

評判がよい本はぜひとも読みたいです。この本を読むまで、中国には無常(むじょう)という地獄…

夕遊
1年前
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暑い夏に見る中国ドラマ『バーニング・アイス』(無証之罪)2017年。

中国ドラマ『バッド・キッズ』、『ロング・ナイト』と続いた紫金陳原作の三部作ドラマ。最後は…

夕遊
1年前
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中国ドラマや小説を楽しむために。『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで…

出版直後からすごく話題でしたが、ようやく手に取ることができました。きっかけは、中国ドラマ…

夕遊
1年前
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『バッド・キッズ』の原作は確かにハードでした。『悪童たち』紫金陳(稲村文吾訳)

あまりにもよかった中国ドラマ『バッド・キッズ』。シリーズ3部作すべて原作がありますが、日…

夕遊
1年前
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胸がしめつけられる子どもたちの成長譚。中国ドラマ。『バッド・キッズ』(隠秘之角落…

中国のクライムサスペンス三部作、レベルが高すぎです。『バッド・キッズ』は『ロング・ナイト…

夕遊
1年前
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中国の宮廷ドラマをもっと楽しむために。『東アジアの後宮』(伴瀬明美・稲田奈津子・…

最近、中国の宮廷ドラマが日本でも気軽に見れるようになりましたが、そもそもどのくらいフィク…

夕遊
1年前
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あたたかな終幕。『天官賜福』6巻、墨香銅臭

『天官賜福』の台湾版(平心出版)6巻は、第114章からラストまで。外伝もあります。いやあもう、余韻がすごくて。気持ちを落ち着けるために2度読んでも、はぁ……ため息しか出ません。 以下、自分のための備忘録なので、気になることしか書いていません。余談だらけですし、ネタバレもあります。ご容赦ください。 ■ まず、すごく些細なことから。要所、要所でいい活躍をしてくれる雨師篁が、6巻も最初から登場でうれしいです。それに関連して、翻訳のbugみたいなものも発見。中国語の小説をこんな