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夕遊の本棚

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ひと仕事終わって、おいしい珈琲や紅茶を片手に読みたい本。仕事で読む本。とにかく、たくさん読みたい、楽しみたい私の本棚をご紹介します。
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#中国

中国の建物と街並み詳説絵巻『建築知識』2024年7月号

発売前から評判だった専門雑誌を予約購入。中国ドラマや映画をみるときや小説読むときの参考に…

夕遊
1か月前
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中国の恐竜事情がおもしろい。『恐竜大陸中国』安田峰俊(田中康平監修)

子どもにとって、恐竜の話題はいつだって人気コンテンツ。夏休み限定だった番組が、先生たちの…

夕遊
2か月前
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近現代日本の偽史とオカルト文化『隠された聖徳太子』

ブラジル出身のオリオンさんの聖徳太子本。出る前から、どんな本になるのか楽しみにしていまし…

夕遊
3か月前
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ファンタジーと歴史とSFと。ケン・リュウ『母の記憶に』古沢嘉通他訳

有名すぎるくらい有名なケン・リュウの小説。これまで、なかなか時間とタイミングがなかったで…

夕遊
3か月前
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「14億分の10憶」のリアル『中国農村の現在』田原史起

読む前から、間違いなく田原先生の本なら面白いだろうなと期待させられる本。そして、実際隅か…

夕遊
5か月前
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耽美をめぐる社会情勢と魅力『BLと中国』周密

以前から興味を持っていた分野なので、すごく読みたかった本ですが、発売前から重版がかかるほ…

夕遊
5か月前
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ノスタルジー上海。『長恨歌』王安憶(飯塚容訳)

予備知識ゼロで手に取った、王安憶の長編『長恨歌』。白居易の『長恨歌』と同じ名前の現代小説なんて、一体どんなだろうと読み始めたのですが、独特な文体にあっという間に引き込まれました。彼女の文体は、中国で「評論叙事文体」と名付けられたそうです。 凝った表現や、美麗な修辞でもなくて、一文、一文はシンプルで短いのに、それが一つ、また一つと連ねられると、他の誰とも違う雰囲気を醸し出す不思議。例えば、冒頭はこんな感じに始まります。 本書は、1945年の上海という都市の複雑に入り組んだ町

【香港島】天官賜福。筲箕湾の道教寺院(廟祠)めぐり。

2023年夏、仕事ででかけた香港島。せっかくの機会に、飛行機までの半日を観光しないわけにはい…

夕遊
7か月前
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ポップな懐かしさ。『台湾 和製マジョリカタイルの記憶』康鍩錫

台湾の裏通りや下町を歩いていると、レトロな建物や壁、看板があって、歩きながらみているだけ…

夕遊
8か月前
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『踊る大捜査線』エッセンスも楽しめる密室殺人ミステリー『厳冬之棺』孫沁文(阿井幸…

最初のページからひきこまれる、一気読み必至の良質なエンタメです。文章のテンポがよくて、構…

夕遊
8か月前
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「中国」との相克の戦後史。『台湾のアイデンティティ』家永真幸

タイトルを見たときは、現代台湾事情を中心にビギナー向けにまとめた本なのかなと思いました。…

夕遊
8か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
9か月前
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”無常”という冥界の使者『中国の死神』大谷亨

評判がよい本はぜひとも読みたいです。この本を読むまで、中国には無常(むじょう)という地獄…

夕遊
10か月前
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中華ファンタジー・ロボットSF『鋼鉄紅女』シーラン・ジェイ・ジャオ(中原尚哉訳)

中国の歴史に多少知識がある人なら、武則天と、李世民と、朱元璋と、諸葛亮と司馬懿に安禄山まで出てくる、英語で書かれたヤングアダルトってわくわくするのではないでしょうか。しかも、歴史物ではなく、朱雀や白虎、玄武というロボットで闘うSFです。主人公は武則天という少女。もちろん、女性初の皇帝になった歴史上の人物ではありません。 小説の舞台は、宇宙からの侵略者の巨大生物「渾沌」(フンドゥン)に人類が壊滅させられて2千年たった未来。フンドゥンの死体から人類は巨大ロボット(霊蛹機)をつく