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夕遊の中国旅

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中国大陸とその周辺に関連する本や映画の話題を集めてみました。
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#中国人

「14億分の10憶」のリアル『中国農村の現在』田原史起

読む前から、間違いなく田原先生の本なら面白いだろうなと期待させられる本。そして、実際隅か…

夕遊
2か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
6か月前
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中国ドラマや小説を楽しむために。『古代中国の24時間 秦漢時代の衣食住から性愛まで…

出版直後からすごく話題でしたが、ようやく手に取ることができました。きっかけは、中国ドラマ…

夕遊
10か月前
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激変する社会と悩める若者たち『シン・中国人』斎藤淳子

日本では、世の中がすさまじく変わるという状況は、なかなか実感することができません。でも、…

夕遊
1年前
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日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
1年前
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難民、遺民、抵抗者。 国と国の境界線に立つ人々『境界の民』安田峰俊

一気に読める、読ませる本です。著者の安田さんは、大昔のblogの時代から文章がうまかったです…

夕遊
1年前
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移民焼き畑国家、日本『「低度」外国人材』安田峰俊

安定の安田峰俊さんのノンフィクション。悪名高い「技能実習制度」で騙されて、日本に来てひどい目にあったベトナム人や中国人たちを取材したもの。普通、こういうテーマの本は社会問題を告発する重たいものになりそうですが、安田さん独特の筆致で、ユーモアを交えた語りがおもしろく読ませてくれます。 安田さんによれば、一般的な技能実習生をレポートした、「真面目で誠実なアジアの若者が、日本の悪辣な仲介業者に騙されて」という型にあてはまるパターンは少なく、騙される側にも知識不足や誤解・思い込みが

映画のような物語。『碁を打つ女』シャンサ

舞台は、1937年の「満州」。中国東北部の厳しい寒さの中で、広場に集まって男たちが碁を打…

夕遊
2年前
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日本人にだって難しい。『ポンフェイ博士の知れば知るほど「はてな?」のニッポン』彭…

ある年配の日本人を、空港に迎えに来たときの彭飛(ポンフェイ)さんのエピソード。 著者の当…

夕遊
2年前
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果てしないチャイニーズ。『もっとさいはての中国』安田峰俊

『さいはての中国』の続編。 おもしろさは、さらにパワーアップしています。 序章 濃厚な「中…

夕遊
3年前
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怖すぎて、おもしろすぎる社会派ミステリー。『十面埋伏』張平

タイトルの十面埋伏というのは、周囲に隙なく伏兵が潜んでいること。この小説の場合、警察組織…

夕遊
3年前
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中国との商売が牧歌的だった時代。『中国てなもんや商社』谷崎光

首の入らないTシャツ。プリント部分がくっついて、蛇腹のようになってしまったシャツの山。ジ…

夕遊
3年前
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江戸時代から薄給・兼業だったとは!?『<通訳>たちの幕末維新』木村直樹

文句なくおもしろい1冊。長崎のオランダ通詞が、組織として歴史上名前が登場してくるのは16…

夕遊
3年前
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最高に笑える、ハッピーな四人のお婿さんたち。映画『最高の花婿』フランス、2014年。

仕事の一区切りがついたので、夫や娘と大笑いしながら見ました。やっぱり、いい映画はいい。何度見ても笑えます。 舞台は、フランスの郊外に住む裕福な一家。4人の娘たちには自分同様、フランス式のカトリック教会の結婚式を夢見ていた夫婦。でも、娘たちが結婚相手に選んだのは、アラブ人、ユダヤ人、中国人、そしてアフリカ人。ノイローゼになるほど悩みつつ、それでも娘の婿たちを迎え入れる努力をするけれど……。 とにかく、いろんな場面に笑える要素があって、それがいちいち本当におかしくて楽しい。ア