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北海道大学への行き方(東京・京都付近の大学生向け)

たとえば東京から大阪へ行くとき、安価な移動手段といえば何ですか?高速バスですね。では、東京から札幌へ行くときは?高速バス?いいえ、東京から札幌へ直接行く高速バスはありません。津軽海峡に自動車用トンネルは無いのです。東京から札幌へ行く手段は、本州内のそれとは話が違うのです。

この記事では、東京・京都付近から北海道大学へ行く予定のある大学生向けの、安価な移動手段を紹介します。


おことわり
記事執筆時点での情報と、独断と偏見で書いているので、誤っていたり偏っているかもしれません。また、時間が十分にある大学生を対象にした記事です。時間・予算をオーバーするリスクもあるため、参考程度にお読みください。


札幌駅から北海道大学へ

これから紹介するいずれのルートも、札幌駅までの経路になっています。では、札幌駅から北海道大学へはどうやって行けばよいのでしょうか?

札幌駅北口を出て何ブロックか北へ歩き、左(西側)へ曲がれば北海道大学はそこにあります。要するに、札幌駅からすぐです。迷ったら交差点でそれぞれの道路の奥の方を見てみましょう。異質なほどまっすぐな道路が、北海道大学の方向だけ木々で塞がっているはずです。


東京から札幌へ

東京〜札幌はかなり需要の多い区間だと思います。私も実家が東京にあるため、経験の多い区間です。

飛行機

経路:東京🚃🚌羽田・成田🛫新千歳🚃🚌札幌
費用:10,000円〜?
時間:4時間?

このルートの飛行機を使ったこと無いので詳しく書けません。羽田→新千歳なら安くて8,000円前後、成田→新千歳ならさらに安く5,000円前後でチケットを取ることができるらしいです。ただ、都内〜成田空港、新千歳〜札幌でそれぞれ距離があるため、チケット代+3,000円は見込んだほうがいいです。早めに旅程を組むと安くなりますが、直前予約や変更が難しい手段だと思います。

旭川空港
旭川空港を利用する手もあります。具体的には、
 東京🚃🚌羽田・成田🛫旭川🚃🚌札幌
です。雪まつりなど新千歳需要の高まる時期はこちらの方が安いこともあります。また、旭川空港は雪に強いという特徴もあります。私が北大を受験した年は大雪で新千歳が止まっていたのですが、このルートを利用したため難なく札幌に到着しました。

鉄道(青春18きっぷ)

経路:東京🚃青森🚢函館🚃札幌
費用:7,000円程度
時間:36時間〜

森駅(函館本線)

時期が良ければ青春18きっぷで安く移動できます。「青春18きっぷ」とはJR在来線一日乗り放題、5回1枚12,000円の切符です(特急には原則乗れません)。東京駅〜札幌駅は2回(東京〜青森、函館〜札幌でそれぞれ1回)で移動できます。青森〜函館はフェリーが安いです。青春18きっぷの利点は、柔軟に旅程を変えられること、また乗り換え待ち等で沿線の観光も可能なことです。フェリーも当日受付で乗船できることが多いので、思い立った次の日に出発することも可能です。

東京から青森に至るルートは、路線図上では東北本線(上野から青森に至る路線)でカンタンと思われますが、盛岡〜八戸はJR線ではないので18きっぷで乗ることができません。仙台あたりから内陸に入って秋田を経由するか、盛岡〜好摩の運賃660円を払って大館に抜けましょう。新潟を経由するルートもあるそうです。詳しくは乗換案内でお調べください。JR東日本アプリがおすすめです。

青森から函館に渡るフェリーは二種類あります。「青函フェリー」は小さな船ですが比較的安く、函館側のターミナルも五稜郭駅に近いため節約できます。対して「津軽海峡フェリー」は大きな船で、函館側ターミナルは北大水産学部近くなので、早朝に見物するのも良いでしょう。どちらの船も、学割を使えば2,000円前後で利用できます。また深夜便を利用することで宿代も節約できます!青森駅に着いたら「青森まちなか温泉」で汗を流し、フェリーターミナルで出港まで仮眠、乗船したらすぐ横になることで、到着後に早朝から活動できます。どうせ函館〜長万部でたくさん寝られるのでご安心ください。

函館から札幌に至る列車は、調べていただければわかりますが大変乗り合わせが悪いです。ニセコを経由する通称・山線ルートでも、東室蘭を経由する通称・海線ルートでも、長万部で数時間の乗り換え待ちがあります。(長万部は観光できる場所が少ないので、暇つぶし道具は必須です。)山線ルートを使うと17時過ぎには札幌に着くので、早く休みたい方におすすめです。しかし、最近の廃線前需要とニセコ需要によって山線は激混みであることが予想されるため、ゆったり行きたい方は海線ルートも検討してください。どちらのルートでも21時までには札幌に着きます。

新幹線
青春18きっぷでは新幹線に乗ることはできませんが、一部区間だけ新幹線を利用して旅程を早めるという手もあります。たとえば盛岡〜八戸間は最安で3,500円ほどで新幹線に乗ることができます。八戸〜青森は途中下車をしなければ青春18きっぷで乗ることができるので、秋田側に迂回するより格段に早く青森に到着します。特に東京方面に向かうときにこのスキップが大変有効なのですが、詳しくは時刻表をご覧ください。
また、新幹線で津軽海峡を越えるという選択肢もあります。こちらは「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」という2,500円の切符を追加で買うことで利用できます。ただ、新青森〜函館新北斗の全区間を乗れるわけではなく、青函トンネルを挟む最短区間(奥津軽いまべつ〜木古内)のみ新幹線で、残りは在来線と第三セクター線(道南いさりび鉄道)を利用することになるので、時間がかかることはご承知ください。青森側の乗り合わせも大変悪いです。

フェリー

経路:東京🚃🚌大洗🚢苫小牧西🚃🚌札幌
費用:13,000円〜
時間:25時間〜

商船三井さんふらわあ さっぽろ(大洗マリンタワーより撮影)

長距離フェリーを利用して、ゆったりと北海道に行くのもオススメです。「商船三井さんふらわあ」は、大洗から苫小牧西港へ18時間前後で至る長距離フェリーです。値段は時期によって異なりますが、大学の長期休みの時期は安いことが多く、学割も使うと9,000円以内でチケットを取ることができます。直前予約でも値段が変わらないことを踏まえると、飛行機と比べても遜色ない安さです。ホテルのような船内で朝日を迎える体験をすれば、次の旅程もフェリーになるでしょう。船酔いが苦手な方は要注意です。

東京〜大洗、苫小牧〜札幌はバスを使うと安いです。フェリーの乗船券と抱き合わせで販売される「パシフィック・ストーリー」もあります。ですが、最寄り駅まで在来線で行き、港湾の景色を見ながらフェリーターミナルを目指すのも良いでしょう。港町も含めたフェリー旅です。

船内(さんふらわあ さっぽろ)

他のフェリー
関東から北海道へ行くフェリーは大洗〜苫小牧の「商船三井さんふらわあ」だけですが、新潟や東北地方から北海道を結ぶフェリーも複数あります。例えば、仙台〜苫小牧を結ぶ「太平洋フェリー」は早割が安く、仙台港のアクセスも良いため旅程に組込み易い航路です。青春18きっぷでは北東北〜北海道の乗り合わせが悪いことを考えると、こういったフェリーを活用するのも大いにアリです。


京都から札幌へ

京都〜札幌は往復一回しか経験が無いため、移動経路の解像度が低いです。勘弁してください。「東京から札幌へ」を前提とした記述をしています。

飛行機

経路:京都🚃🚌関空・伊丹🛫新千歳🚃🚌札幌
費用:11,000円〜?
時間:6時間?

たぶん早いです。関空とか使うらしいです。

鉄道(青春18きっぷ)

経路:京都🚃🛌🚃青森🚢函館🚃札幌
費用:10,000円程度
時間:60時間〜

村上駅(羽越本線)

京都から札幌へは「青春18きっぷ」3回分(京都〜青森で2回、函館〜札幌で1回)必要です。日本海を北上する経路を想像されると思いますが、敦賀〜直江津は第三セクター線なのでそうはいきません。名古屋から中央本線で長野を目指し、そこから新潟を目指すルートになると思います。東京を経由して前述のルートに合流するのも手でしょう。本州内での宿泊は、大きな駅のビジホや、駅から少し離れた国道沿いにあるネットカフェなどが便利です。大変な旅路だと思いますが、北の大地を目指してがんばりましょう。

フェリー

経路:京都🚃舞鶴・敦賀🚢小樽・苫小牧東🚃札幌
費用:12,000円〜
時間:27時間〜

船内(新日本海フェリー すいせん)

関西圏から北海道へ行くフェリーは複数あります。「新日本海フェリー」は舞鶴〜小樽、敦賀〜苫小牧東港を結ぶ長距離フェリーです。どちらの航路も、安い時期で学割も使うと9,000円以内で乗船できます。

往路は舞鶴〜小樽を強く推奨します。小樽港は札幌から電車で1時間、観光地としても有名な港町です。対して、苫小牧東港は苫小牧駅からも苫小牧西港からも離れており、最寄り駅は日高本線の「浜厚真駅」です。フェリーは夜遅くに到着することになるので、悪いことは言いません、往路は小樽行きに乗りましょう。

復路は苫小牧東港〜敦賀を推奨します。理由は単純で、舞鶴港では終電に間に合いません。対して敦賀港では北陸本線に余裕を持って乗ることができ、その日中に京都市内に着きます。往路と復路で別の港を使うので、観光的にも良いと思います。苫小牧東港フェリーターミナルへは明るいうちに行きましょう。

浜厚真駅(日高本線)

太平洋フェリー 名古屋〜苫小牧西港
前述した「太平洋フェリー」は名古屋〜苫小牧西港でも運航しています。季節ごとの早割で最大40%の割引があり、最安でなんと7,000円強で乗船券を購入できるため、名古屋へアクセスの良い地域にお住まいの方はこちらも検討されると良いと思います。


その他

移動方法ではないですが、いくつか補足します。

服装について

「北海道へはどのような服装で行けばよいか」と聞かれることがよくあります。夏場は、なんと夜が涼しいので羽織るもの1枚あれば良いと思います。春秋は本州の冬くらいの服装をイメージしていただければ大丈夫です。冬場の格好はよく調べた方が良いです。といっても、飛行機で来るのであれば新千歳空港から札幌駅、はたまた大通駅まで、雪に触れることなく移動することができます。北大構内は、残念ながら地下道が整備されていないので覚悟してください。札幌駅すぐとは思えない絶景をご覧になれます。

長時間移動、辛くないの?

36時間とか60時間とか、日常生活からは考えられない時間の「移動」ですが、実際に足で歩く時間は乗り換えなど、比較的少ないです。残りの時間はじっと座っているだけ。移り変わる景色を見ながら、勉強したり、課題をしたり、本を読んだり、映画を観たりと、日常的にやっていることをしていれば、長時間移動も苦では無くなるはずです。これを機に積んでいた本を消化していきましょう!

フェリーのすすめ
長距離フェリーに乗ると、日中はラウンジで勉強し、疲れたらベッドで横になるなど、贅沢な時間を過ごせます。一泊分とそういったくつろぎ要素が乗船券に含まれていると思うと、飛行機よりも格段に安く感じますよね??

札幌以外の「北海道」

「札幌へは着いたものの、北海道の他の地域にも行きたい!」というあなた、ここまでの旅路に比べたら北海道なんて小さいですね?

新千歳空港駅「北海道と本州の大きさを比較」(千歳線)

丘珠空港

札幌市にある空港は「丘珠空港」だけです(新千歳空港は千歳市・苫小牧市)。道内各地と、三沢(八戸)、秋田、新潟、松本、静岡、名古屋(小牧)への空路があります。航空券は安くはないですが、市内に直接入ることができるので便利です。最寄り駅は地下鉄東豊線の栄町駅です。参考までに。

プロペラ機(丘珠空港にて撮影)

おわりに

北大でお待ちしております。道中お気をつけて!

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