寺田心平 TYSONS&COMPANY

T.Y.HARBOR、CICADA、IVY PLACEなどのレストランに加え、カフェや…

寺田心平 TYSONS&COMPANY

T.Y.HARBOR、CICADA、IVY PLACEなどのレストランに加え、カフェやベーカリー、ビール醸造や珈琲豆の焙煎など、食の分野で幅広く展開するタイソンズアンドカンパニー。クリエイターかつ社長として、長く愛される店をつくり育てています。社内では心平さん、とよく呼ばれます。

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飲食業ほぼ未経験の自分が、東京を代表するレストランを経営する物語

~タイソンズアンドカンパニーのnote、はじめます〜 数々の人気店を手掛けてきた自分が、長く愛される飲食店づくりのノウハウを伝えていきます。まず第1弾として、閉店寸前だった店に入り、社長になるまでの物語から… 自分の飲食業のキャリアは、26歳だった1999年春、天王洲のつぶれかけていたレストランからスタートしました。そう、T.Y.HARBOR。今から考えると信じられない話ですが、当時は開業2年で経営難に陥っていました。 飲食業での経験はT.Y.HARBOR開業時に1ヵ月

    • 本とパンケーキが変えた代官山 ~ 都会の森が生み出す時間の過ごし方

      【ケーススタディ #6】 IVY PLACE2011年に誕生した代官山T-SITEは当時大きな話題を呼び、進化をつづけながら10年経った今でも多くの人が訪れる施設となって、代官山という街を大きく変えました。企画段階から関わっていた自分が見た、夢と汗のストーリーとは。 旧山手通り沿いの高台にあり、高級住宅街でありつつ独特の文化を育んできた街、代官山。ヒルサイドテラスにつづいた緑あふれる場所に忽然と現れた蔦屋書店やIVY PLACEは、街の風景だけではなく街そのものを大きく変え

      • レストランはなぜ隣にベーカリーを開けるのか ~ パン屋の夢と経済学

        【ケーススタディ #5】 breadworks レストランを経営する会社がベーカリーの運営に乗り出すことは以前からありましたが、最近はパンブームでそうした動きも多いように思います。その裏にはどんな考えがあり、どんな目的や理由があるのでしょうか? タイソンズはレストラン経営を中心にしていますが、ビール製造やコーヒー豆の焙煎などクラフトメーカーとしての顔も持っていて、レストランで使用するパンも一部を除きすべて自分たちで粉からつくっています。 これまでも色々なレストラン会社が

        • 飲食店のインテリアデザインがデザイン以上に重要な3つの理由

          【長く愛される飲食店のつくり方 #3】 インテリアデザイン 飲食店を開けるための工事には、大きく分ければ内装・厨房・設備の3つがあります。そのうち厨房と設備は選択肢がある程度決まっている中でどこまでやるか、ですが、一番オーナーによって差が出るのが内装、つまりインテリアです。デザインも工事費も徹底的に抑えることもできるし、かけようと思えば天文学的数字をかけてオープンすることもできます。タイソンズの店すべてでそれを担当してきた自分の考え方を解説します! さて#1と#2で解説し

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          レストランを水の上に建築せよ!難題を3年かかっても実現できた理由とは

          【ケーススタディ #4】 T.Y.HARBOR River Lounge 2006年にできた東京初の水上店舗、リバーラウンジ。法的に難しかった「係留された船舶での飲食店営業」を実現するには、複雑に重なる規制をクリアしつつ、水に浮かぶ船なのに建物として建築する必要がありました。多くの課題を乗り越え、熱き心で共に進んだ仲間たちの3年以上にわたるストーリーを初公開! バブルの時代を生きた人たちはよく知るホイチョイ・プロダクションズ。映画「私をスキーに連れてって」や漫画「気まぐれ

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          飲食店開業、運命を決める物件探しのポイントとは!

          【長く愛される飲食店のつくり方 #2】 物件の探し方 飲食店を開けようとする人がまず最初に向き合う試練の1つが、出店場所を見つけること。家と違って本当にダメだったら引っ越すということができず、多くの人がプレッシャーを感じながら勇気をもって決断しています。 どんなエリアでどんな環境の物件を選ぶかは、お店の運命を大きく左右します。そこでタイソンズが大切にしているポイントを解説! さて#1では「お店の軸づくり」というテーマのもと、自分の店はライフスタイル提案ができ地域に溶け込

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          CICADAのつくり方【2】表参道編 Twitter論争まで生んだその魅力

          第1部の「広尾編 君はあの頃の3Cを知っているか!」では、シカダというコンセプトが生まれ、広尾で人気店になるまでを紹介しました。今回の表参道編では移転と2回目のオープン、そしてTwitter論争が起きた真の理由について自分の考えを解説します! ■目次 4.9年目の移転 5.再び店づくり、そして広尾との別れ 6.2回目のオープンはちょっと違った 7.Twitter論争はなぜおきたか 4.9年目の移転広尾でにぎわっていたシカダには、課題がありました。今でこそ不動産は長期契約し

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          CICADAのつくり方【1】広尾編 君はあの頃の3Cを知っているか!

          【ケーススタディ #3】 CICADA 2003年、広尾と西麻布の間にでき、瞬く間に外国人を中心とした客層で人気となったCICADA(シカダ)。2012年に表参道に移転してパワーアップ、19年目の今も多くの人を惹きつけています。その2回の誕生秘話を二つのストーリーに分けてお届けします。 先日Twitterで店名がトレンド入り… 夜中にPRから電話が来たときはヤバい炎上か?と焦りましたが、どうやら色々な年齢層の思い出とリンクしているが故の、巻き添え事故みたいなものでした…

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          飲食店をつくりたい人へ、まず最初にすべきこと

          【長く愛される飲食店のつくり方 #1】 お店の軸づくり レストラン一軒を開けるのは結構大変で、とても多くのことを考えて決める必要があります。その際に自分が大事だと思う店づくりのポイントについて、様々な実例を挙げながら解説していきます。第1回は、つくる前にすべきアタマの体操から。そこでの準備がお店の成功を左右します! T.Y.HARBORからはじまった「ケーススタディ」では店舗ごとの歴史やストーリーを書いていますが、このシリーズでは立地探しやインテリアにオープニングなど、店

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          意外と知らないクラフトビールの事情をクラフトビールの社長が解説します

          【ケーススタディ #2】 T.Y.HARBOR Brewery 長く愛されるお店のつくり方、ケーススタディ第2弾はビール醸造所としてのT.Y.HARBORに焦点をあてます。地ビールからはじまりクラフトビールが浸透するなか、実は多様な業界の裏側や、私たちのビール戦略について説明していきます! 前回は冒頭から謝りましたが、今回はまず反省です…T.Y.HARBORの記事は思いがけず多くの方に読んでもらえましたが、お店でご満足いただけなかった方からは厳しいお言葉をいただきました。

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          閉店寸前だったレストランの来客数が、しながわ水族館を超え50万人になった話

          【ケーススタディ #1】 T.Y.HARBOR 長く愛されるお店のつくり方、そのケーススタディの1回目は、タイソンズのフラッグシップでもあるT.Y.HARBOR。1997年創業、決して交通の便がよくはない天王洲の運河沿いに、今も多くの人がこの店を目指してわざわざやってきます。その歴史とあわせ、長くつづく成功のポイントを考えます。 そもそもT.Y.HARBORとは 冒頭からごめんなさい…タイトルちょっと盛りました。年間50万人というのは、正しくはT.Y.HARBORだけで

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