一度起きたら眠れない

深夜に書く日記ほど、愚かなものはない。

大抵、朝起きてきっとすごく後悔することになるのだと思う。

世の中は今、結構歴史的な混沌のなかにあって、これまでの概念とか、常識とかが大きく転換していく流れにあるように思う。文春砲とかいつもの炎上ネタより、遥かにバズってんね自然現象、とか思うけど、不謹慎なので口にはしない。口にはチャックの代わりにマスクをつける。それにしても皆、マスクはどこで手に入れているんだろうか。みんな実はダークウェブの住人なんだろうか。あと、消息不明という唐田えりかさんは元気にしているんだろうか。

会社で、いよいよ週明けから在宅勤務令が出た。咲いた桜もびっくりなほど、閑散としていてさびしいトーキョー2020。いくら音楽やカルチャーが80'sをリバイバルしてるからって、消費行動までオイルショックを再現しなくたっていいのに。我が家のトイレットペーパーは残すところ、1ロール半。私のお尻は、どうやってもあと100日ももたない。

政治的なことは、今はあんまり話したくない。いろいろ疑問はあるけど。でも、この国は私も含めてそもそも今「政治的な議論をする」レベルにないと思ってはいる。私が明言するならば、政治について考えろ、イデオロギーを持てってよりかは、ただ単純に「せめて選挙の日は忘れないで」ってことだけ。

WebメディアのVICEが、本国のサービスとしてCOVID-19蔓延とロックダウンに際した具体的なニーズの読者アンケートを行なっていた。これくらい直接的に、受け手目線を取り入れていくべきなのだな、今のビジネスって。と学んだ。このタイミングで「予測と戦略」のPDCAが回るはずがないのだから。アンケートのデータは必ず有効なものになるし(記事ネタそのものとしても、メディアの方針のエビデンスにもなるし)、だからとっても頭いいなと思った。

最寄駅には、朝いつもビッグ・イシューを販売しているおじさんがいる。おじさんが体調を崩したり変な肺炎をもらったりしませんように、と心から祈る。今月号はもう買ってしまったので、バックナンバーを買おうとしたら「こんな時だから、売れ残らないようにバックナンバーをとってないんです、すみません」とのこと。私としても、同じ冊子を2冊も3冊も買うのはちょっと違うなと思ったので、購入は諦めた。おじさんが、今日も安心して眠れていますように。

この空白の時間を、やり場のない身体を、みんなはどうやって埋めているのだろう。私はボイラールームにわりと救われている。海外では、かなりビッグネームのアーティスト達がSNSを通じて個人的に配信したりしている。日本でも、サマソニが昨年のアクトをYouTubeで配信してくれるらしい。ありがたい。なぜか本を買おうっていう動きがよく見えるけど、オンラインでも本は読める。書店員や物流、印刷所で働く人も抗体を持たない人間であることを忘れちゃいけない。本に関わるすべての働き者が幸せでありますように。

ビールを缶の半分くらい飲んで、すやすやと眠っていたはずの私がこの時間に、残りのビールを煽りながらタイピングしているのはどうしてだろう? と自分に問いかけてみたはいいものの、実は理由はわかっている。コロナ不安ではない。経済不安でもない。でも理由は書かない。夢みたいだ。