【小説おすすめ】人間それぞれのタイミングに合った本はある
自分の中に残り続けて
心を永遠に温めたり
精神を支え続けてくれる作品は必ずある
と、まだまだ未熟ですが
20年ばかり本を読んでいて常々感じます
また、どれだけ名作と言われていても残らないものは残りません
合わないものは合わないし、入らないものは入りませんし...
(読み終えたためしがないジャンルがある)
過去、私が救われたり、生き方に影響を与えてくれたおすすめ小説を載せます
生き方へ影響を与え続けてくれている作品と作家さんたちです
通常あいうえお順とかにするんだろうけど、なんか難しくてできませんでした
村上春樹
海辺のカフカ
1Q84
カエルくん、東京を救う
読めば読むほど、新しい気づきのある物語が多いです
村上春樹といえば、ネガティブに捉えられる「セックス」ですが、これは人間が避けて通れない話題だと思います
ただ単に「気持ち悪い」「すぐやりはじめる、無理」で終えるのじゃなくて
「なぜ私は性描写を気持ち悪いと感じるんだろう?」「なんでこんなに性描写が多いんだろう?」と考えるのがいいかなーと思うんですね
生命が生まれるのに必須の行為であり、過剰に偏ると身を滅ぼす「欲」と強く結びついているから、人類としてはどうしても離れられないテーマなのではないかと私は考えてます
村上春樹は小説もいいですし、エッセイも素敵です
カズオ・イシグロ
日の名残り
わたしたちが孤児だったころ
降っても晴れても
出だしの文章の感触を記憶しているのは、カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』ただ一つです
あの異質感というか...私は今何かに足を踏み入れたんだ...という質感のある文章は、まだ他にないですね
イシグロの書く物語には、心地の良い寂しさというか、今後生きていく時間を温める寂しさ?があります
とても好きな作家さんです
カズオ・イシグロの思想に触れられるインタビューや、ノーベル文学賞授賞式のスピーチ、それらで使われる言葉や表現方法も逸脱です
英語で読むと、日本語とは違う物悲しさというか、作者が彼の母語でしか表せないなんらかを感じ取れます
イアン・マキューアン
アムステルダム
未成年
日本作家さんには無い、物事を見る角度の鋭さと不思議さ、人間の持つもの醜さと物悲しさへの視点を、読者が受けとめやすく表現されてるなーと感じました
まだ読み込めてないので、残りの人生の中で少しづつ読み進めたいと思う作家さんの1人です
三島由紀夫
春の雪
日本文学No. 1だと思います
これほどまで美しい日本語で書かれる小説はまだないはず
命を削って、身のうちから生み出した言葉と物語だと感じますし、そういった三島を思うと涙出ます
晩年(?)の小説がおすすめ
(私は『憂国』は読めませんでした、なんか強くて)
自決されますが、忘れさられるだろうしある意味では無意味だと理解された上で、やはり行動することを選んだんじゃないか...などと考えたりもします、素人考えです
とにかく、春の雪だけでも今すぐに読んでほしい
特に好きな文章は2つ
E・M・フォースター
少し昔の作家さんですが、文章の瑞々しさが素晴らしかったです
(訳者さんがすごい?)
特に短編小説においては、その物語の流れや、舞台設定の奇妙さが新鮮でした
あまり読めないものだと思います
川端康成
川端の小説はもちろんですが、
新人作家発掘のエピソードや
北条民雄とのやりとり
が非常に影響されました
ネガティブな話題も多い方ですが
良い面も見ていただきたいなーと思います
マンディアルグ
すべては消えゆく
たぶん一度しか読んでないのですが、その衝撃波は今でも私の頭を揺さぶります
たしか『すべては消えゆく』の一番最初の短編が「クラッシュ・フー」なのですが
風のように颯爽と駆け抜けていく、かげろうのような物語です...
忘れたくても忘れられません
恋?
ヴィクトル・ユゴー
レ・ミゼラブル
ユゴーが、時間をかけて書いた作品
重厚感があります
歴史が文字通り動いていて、あるひとつの流れが終わり、新しい時代が始まっていく中で、登場人物全員が複雑にからまりながら、悲しさや喜びを抱えつつ、一つの場所へ向かっていく作品です
言わずと知れた名作ですね
私はジャベールが好きです
彼の心境変化や、生き様を思うと切なくなります
デイヴィッド・ベニオフ
卵をめぐる祖父の戦争
「戦争」と一言で言っても、いろいろな戦いがあるんだ...と初めて知った小説でした
でもやはり、戦争は戦争なんだ、とも強く感じる作品です
ジャン・モラ
ジャック・デロシュの日記
隠されたホロコースト
中学の頃に読みましたが、それ以来常に頭の端にある小説です
ふと、思い出し、今でも我が身を振り返ります
マーク・トウェイン
不思議な少年
晩年は薄暗い、と言われています
私はその暗さというか、目を逸らし逃げ出したくなるけれど、最終的には向き合わざるを得ない人間の暗さが表現されている作品が好きです
ダレン・シャン
『ダレン・シャン』
多感な少年時代にこの小説と出会い、読むことができて本当に良かったと思います
家の本棚にあり、ある日取り出して読み始めました
週末になると次の巻を買いに行くぐらい、夢中ですみ進めました
人生で一番熱中した小説かもしれません
出会いと別れの表現などに、子どもながら涙しました
物語ラストが大好きです
スティーブン・ホーキング、ルーシー・ホーキング
『宇宙への秘密の鍵』
宇宙への興味が湧き、魅力に引き込まれる作品
不思議な感覚を味わえます
この本を読んで以降数年間は、宇宙飛行士になりたい!宇宙へ行く!とずっと言ってたな〜
森絵都
宇宙のみなしご
リズ
ラン
寂しくなったり孤独を覚えると、物語を思い出したり、読み返したりしています
小学生ながら「自分はひとりじゃないんだ、でも1人でもいいんだ」と思えて、とても救われた作品です
小学生の頃、図書館でずっと読んでいた作家さんです
宇宙のみなしごは、10年以上かな?
人生のベスト3に入っています
私の生きている時間を支えてくれている小説の一つです
ロアルド・ダール
チョコレート工場の秘密
ガラスの大エレベーター
ぼくのつくった魔法のくすり
今でも、ロアルド・ダールが描いた世界を信じています
「不思議なことは起こるし、変な人や、面白い人もたくさんいる。世界は不思議なことで溢れてる!」と
小学生の頃、図書館で森絵都と交互に読んでいた作家さんです
その結果、ワンダフル・ドリーミー・脳内が出来上がりました
(でも、そんな自分の頭をけっこう楽しめていますし、面白いし好きです)
こんな作家さん、他にいるんだろうかと常々思います
いつまでも生き生きしている登場人物と、物語が永遠に好きです
■小説のおすすめ。生き方に影響を与える作品
物語は本当に良いですね、心も生き方をも救います
たぶん、
人間ひとりひとりの、その時々に応じて、必要な本があるんだと思います
それは例えば
読むと、己の生き方に対して、なんらかのきっかけが与えられる本とか
抱えている傷や痛みをそっと包んでくれたり、救いになってくれる本とか
それがあると感じます
セレンディピティが起こりやすいのも本です
本は本当に素晴らしいです!バンザイ
参考:
三島由紀夫『春の雪 豊饒の海(一)』2020年10月、新潮文庫
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