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Z世代の真実 後払い好き?オンラインでのシェアは物理的な行動から生まれている?



コロナ禍の2年間で、アメリカの大学生、高校生は学校を卒業し、自分の力でお金を稼ぐために社会人になりました。しかし、彼らが足を踏み入れた世界は、これまでの世代が経験してきたものとは大きく異なっている。

米国では、お金の稼ぎ方と使い方が、パンデミック以前の現状に戻ることはないと予測されています。しかし、多くのZ世代にとって、この新しい日常はまさに「New Normal」なのです。

Z世代に関するデータを集めれば集めるほど、彼らがいかにユニークであるかということが分かってきます。Z世代の消費力を取り込もうとするブランドにとって、この世代がどのように考えているかを知ることは重要なことなのです。

Z世代とミレニアルスの違い


Z世代とミレニアル世代には、どのような違いがあるのでしょうか。この世代はリテール業界に何を求めているのでしょうか。そしてそれはコロナ終息後の世界における商業にどのような意味をもたらすのでしょうか。

物理的な小売を否定してはいけません。すべてのトレンドが年齢とともに変化するわけではありません。そしてZ世代はオンラインで多くの時間を過ごすので、オンラインショッピングにも積極的なのではないでしょうか?そうではありません。

実際、Z世代は他のどの世代よりもソーシャルメディアに多くの時間を費やしており、真にデジタルネイティブな最初の年齢層なのです。しかし、買い物をするときは、物理的な場所を好む傾向があります。

確かに、オンラインで商品を注文したいという点ではベビーブーマー世代を上回っていますが、ミレニアル世代にはかなり差をつけられています。そして、Z世代の中でも年齢が若ければ若いほど、オンラインショッピングを利用する可能性は低くなります。

製品よりも体験

2023年までに120億ドルに達するコト消費産業をプッシュしているのはミレニアル世代です。ミレニアル世代が単に商品を購入するよりも体験を好んで購入することは、よく知られた決まり文句になっています。Z世代はミレニアルスに比べ、コト消費よりも製品の方が比重が高いのです。

Z世代の小売店の嗜好を示す図表


Z世代、特に20歳以下の世代(その多くはまだ学生)は、他のどの年齢層よりも、体験よりも製品を選ぶと答える傾向が強く、オンラインよりも店舗での買い物を好むと答えたベビーブーマー世代に次いで多い世代でもあります。逆説的に思えるかもしれませんが、これはデジタルに起因している可能性があります。例えば、インスタグラムは今Z世代のオンラインライフの絶対的な礎となっています。YouTubeを除けば、1日に1回以上利用する可能性が最も高いソーシャル・プラットフォームです。

卵が先か鶏が先か

彼らの情熱は、モダンアートや写真など、非常に視覚的なものに引き寄せられる傾向があるため、個人的な興味にも影響を及ぼしているのです。

実社会の視覚的なアートや刺激は彼らのオンライン行動の多くのドライバーであり、オフラインの小売環境は、時に彼らがオンライン(SNS)の投稿理由とコンテンツを提供することになります。

InstagramがEコマースに進出すれば、この状況は変わるかもしれませんが、当面はオフラインとオンラインは非常に密接に関係しています。

パンデミックによってオンラインショッピングは活性化したかもしれませんが、実店舗がより活用されれば、依然として資産となり得ます。そして、それらはZ世代にとってSNS投稿の為の大きな魅力となるのです。

Z世代は、お金の使い方が異なる


テレビを見たり、音楽を聴いたり、デートをしたりと、Z世代の生活のほぼすべての部分は、何らかの形でインターネットにつながっています。

ですから、デジタル決済サービスを好み、現金を完全に放棄する兆しがあると思われるかもしれませんが、データはそうではないことを示唆しています。上記のグラフでは、現金で支払うか、その他の方法(クレカ、電子決済)で支払うかの世代別割合のグラフを示しています。
実は団塊の世代は、すべての世代の中で最も現金での支払いを希望しておらず、これはアメリカ以外の世界のすべての地域に当てはまります。実際、年齢が上がるにつれて、現金での支払いを好む傾向は減少しています。

Z世代はオンラインショッピングやモバイル決済をよく利用していることから、彼らの考える「現金」とは物理的なものではなく、すぐにアクセスできる資金を指しているのかもしれません。

米国のZ世代は40%しかクレジットカードを持っていない事実。

更に、20歳以下のZ世代では31%にまで落ち込んでいます。興味深いことに、クレジットカードを持たないことで倹約につなげているわけではないのです。

Z世代は、衝動買いをすると答えた人が最も多い世代で、その多くが「今買って、後で払う」サービスを利用して、この支出を賄っているのです。社会人になり、自分で買い物をするようになると、収入と買い物の必要性のギャップを埋めるために、こうしたツールを利用する人が多くなります。

ミレニアル世代がこの新しいクレジット制度を利用する可能性が最も高い世代ですが、Z世代も急速にこれに加わりつつあります。この世代の購買力が増すにつれ、クレジットのあり方にどのような影響を与えるかは時間が経ってみないとわかりませんが、普段の買い物習慣から、従来のクレジットカードのシステムと、"buy now and pay later"オプションのどちらかを選択せざるを得なくなるのは間違いないでしょう。

米国のZ世代の23%は、衝動買いをすることが多いと答えている。

年配の買い物客は消費に慎重なのに対し、Z世代は欲しいものがあるとつい使ってしまうようです。米国では、ベビーブーマーの10人に9人近くが「今、定価で買うよりセール時期を待つ」と答えていますが、同じように考えるZ世代は10人に7人にすぎません。

ブランド・ロイヤルティは、善の行動で得られる??


Z世代は、年配の消費者よりも店頭で買い物をする傾向が強いかもしれませんが、オンラインでより多くのブランドを友人やフォロワーに紹介する傾向があります。彼らはソーシャルメディアからウェブサイトやアプリの広告により広告疲れを起こしており、その結果、ブランドに対する忠誠心が低くなっています。

簡単に言えば、各ブランドはZ世代を顧客として維持するために、もっと努力しなければならないのです。

また、割引やポイントプログラムなど、顧客を獲得し維持するために通常使用される方法は、Z世代にはあまり人気がないことも分かっています。

それでは何が有効なのか?というと、金銭的なインセンティブよりもブランドはこの世代が最も大切にしている価値観を理解し、それと一致させることによって、Z世代を味方につけることができるのです。

Z世代はブランドが世界に対してポジティブな力を持っていると思えば、購入したい!と考える世代なのです。
若いZ世代の10人に4人近くが、ブランドには社会的責任を果たしてほしいと答え、10人に3人が、ブランドには地域社会に貢献してほしいと答えています。

パンデミックが世代交代を加速させる

ジェネレーションZは、コロナパンデミックの中でより明確なグループ・アイデンティティを確立し、来年には米国の消費者層の具体的なセグメントに成長すると考えられています。

ここで最も重要な教訓は、特にオンラインショッピングにおいて、Z世代がミレニアル世代と同じ道をたどると想定しないことです。

卵が先か、鶏が先かのセクションで紹介した通り、Z世代はオンラインでのペルソナ形成に長けているかもしれませんが、オフラインでの小売体験がペルソナの形成に役立っています。彼らは一日の大半をインターネット上で過ごしますが、SNSでは所有している商品を見せびらかすことを好みます。また、従来のような消費ではなく、衝動的にお金を使うことがあります。

各ブランドは、この新世代の消費者を認識し、C19後の小売戦略に組み入れることが重要です。


元ネタ:Gen Z Retail Trends: 3 Insights On How They Shop - GWI

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