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世界のコーヒートレンドを分析

私は元々自宅勤務で、コーヒーを飲んでやる気を入れるタイプなので、
世界のコーヒー市場はどうなっているのか気になり調べてみたところ、面白いFindingsがあったので共有します。

コーヒー市場を世界で比較してみる

世界のコーヒー市場のサイズ(金額:一人当たり消費量)と成長率(今後5年)を見るとコーヒー大国はやはりアメリカ、ドイツ、ブラジルなどの国でした。日本もなかなか市場規模では大きい。

将来予測値では、ナイジェリア、ベトナム、南アフリカは金額の伸びが大きいと予想されています、既存の大規模なコーヒー市場では伸びが鈍化しそうである。

ベース:バブルサイズは市場数量(トン)、横軸 CAGRは今後5年間の市場成長率(金額)で表したもの 調査会社MINTL参照


アジアは健康志向と利便性


市場サイズと将来予測値では、日本は確立された市場ですが、成長は鈍化するでしょう、ベトナム、中国、インドネシアにはより大きな成長の可能性があります。

ベース:バブルサイズは市場数量(トン)、横軸 CAGRは今後5年間の市場成長率(金額)で表したもの 調査会社MINTL参照

パンデミックにより、多くの消費者にとって健康が人生における第一優先条件になり、コーヒーブランドは機能性価値を強調しています。一方、消費者はいかに美味しく、簡単に作れるコーヒーを求めている。AGFのTOKETAもその一つとして考えられている。

カルシウム、鉄、ビタミンD配合のコーヒー  AGF ブレンディトケタ! カフェインレスミルクコーヒーミックス」は、お子様向けで、カルシウム300mg、鉄4mg、ビタミンD3.5mcg(日本)を配合しています。

健康的な食生活を維持することの重要性が高まっており、アジアの消費者はより健康的な食生活を送ろうと努力しています。消費者はよりホリスティックなアプローチ(食習慣、睡眠、運動などの包括的な施策)を取り、特定の健康問題に焦点を当てるのではなく、予防や生活の中のあらゆる行動を健康に変更しようと考えています。

機能性表示はコーヒーカテゴリーでは比較的ニッチですが、ブランドは抗酸化作用といったコーヒー自体が持つ特性を強調する傾向にあり、一方、RTDコーヒーブランドはビタミンやミネラルを強化して、需要を開拓しつつあります。

コカ・コーラ社製「ジョージア ブースト ラテ」は、カフェイン、ビタミンB6、アルギニン(日本)を配合したエナジードリンクです。

日本はその中でもかなり進んだコーヒー先進国

Nestle社(スイス)のネスカフェブランドは世界に先駆けて、植物性ミルクとビタミンを配合した乳製品不使用のラテコーヒーを発売しました。ビタミンB1配合の「オーツラテ」、ビタミンE配合の「アーモンドラテ」、ビタミンB2配合の「ライスラテ」の3種類です。

これらの製品は、持ち運びに便利な190mlパック、インスタントコーヒーミックスの小袋、1L紙パックで販売されています

アフターコロナのコーヒーが中国で出始めている?!


COVID-19の流行期間中、外食産業、接客業、レジャー産業の多くが休業または営業時間の制限を受けたため、消費者は外食に伴う楽しみの多くを自宅に持ち込むことを余儀なくされました。アジアの一部では規制が緩和されたとはいえ、よりハイブリッドな労働環境やインフレ上昇による予算の制約など、消費者が「アフターコロナ」に適応していく中で、この傾向は続くと思われる。

中国では、ドリップバッグコーヒーが人気となっており、簡単に調理できるフォーマットとして消費者に支持されているだけでなく、味と香りでも高い人気を獲得しています。

中国)Algebraist Coffee Costa Rica Honey Drip Coffeeは科学的な手法でユニークな味わいのコーヒーを開発しています。蜂蜜で処理することで、水洗式コーヒーよりも丸みのある酸味を実現しています



アメリカ:持続可能で植物性のコーヒーが人気

アメリカ大陸において、コーヒー生産は、その環境負荷や農家の待遇の問題から、長い間良い意味でも悪い意味でも、注目されてきた。特に若い消費者は、フェアトレード、レインフォレスト・アライアンス、UTZなどの認証を確認して、購入する傾向があるようだ

こうしたサステナブル認証はコーヒーのパッケージのいたるところに見られるようになり、スタートアップ系ロースターやクラフトロースターは、独自の倫理的・持続可能な取り組みを行い、パッケージでそのストーリーを伝えることで、多国籍企業との差別化を図るようになってきている。

アメリカ大陸におけるコーヒー関連製品の訴求内容

過去 5 年間で新製品のロウンチデータを見てみると、環境にやさしい製品、持続可能な生息地/資源、生分解性の主張はいずれも大きく成長している、 RTDコーヒー製品における倫理的・環境的訴求が中心であり、コーヒーのNPDでは持続可能な調達や倫理的-人間的といった訴求がより顕著である。

Cafe Kreyól Brazil Yellow Catuaiは、フェアトレードの基準より300%高い賃金を農家に支払うと謳っており、パックには「農家を紹介する」QRコードが入っています(アメリカ)
Beaniac Craft Roasted Coffee Organic Full on French Roast Dark Coffeeは、USDAオーガニック登録製品です。植物由来原料を使用し、世界初の認定を受けた100%市販のコンポスタブルポッドを採用しています(米国)

一方で機能性コーヒーはもう未来のコーヒーになりつつある

Brain Bean社のBrain Bean Blendは、独自の「スマート焙煎技術」を用いて、コーヒーに含まれる天然由来のポリフェノール、特にクロロゲン酸を多く含むと訴求している。実際、Brain Beanのコーヒーには、他のコーヒーに含まれるクロロゲン酸の5~10倍が含まれており、同ブランドによると、脂肪減少、記憶、血糖値を改善する効果があるとされています。

Brain Bean Whole Bean Brain Coffee Blendは、独自の「スマート焙煎技術」を採用し、脂肪減少、記憶力、血糖値の改善効果があるとされる天然由来のポリフェノール配合
(米国)

ヨーロッパは環境保護

欧州の消費者はコーヒーがどのように栽培され、加工されているかを気にかけている。森林破壊への取り組みは現在最も求められているサステナビリティの主張ですが、カーボンニュートラルな生産と農家への公正な賃金も支持されています。

環境にやさしく倫理的な証明のあるコーヒーを求める消費者の要求に応えているブランドが増えきていて、パンデミックによってもたらされたライフスタイルの変化により、消費者は家庭で飲むために挽き豆やホールビーンコーヒーに目を向けています。

ラバッツァ エスプレッソマエストロ リストレットコーヒーカプセル。ラバッツァの「Roadmap to Zero」環境戦略の一環として、この製品のCO2負荷をオフセットしています(スペイン)。

商業的なコーヒー栽培の影響に関する消費者の懸念に対応するため、ブランドはレインフォレスト・アライアンスなどの第三者機関と組み、独自の倫理的かつ持続可能な調達の流れを作り出しています。

フェアトレード、持続可能性に関する製品上のクレーム(訴求)の増加は、特にオーガニックコーヒーにおいて顕著であり、下記のようにオーガニックコーヒーの訴求におけるフェアトレード、持続可能性の訴求は増え続けている。

オーガニックコーヒーのロウンチデータをもとにした分析
ラバッツァ Voix de la Terre Biologique For Amazonia 100%アラビカコーヒー豆は、ラバッツァ財団が森林再生に資金を提供しているペルーの有機アラビカ豆を手摘みしたプレミアムブレンドです。


人々の生活スタイルがコーヒーの嗜好性までも決める?


このようにコーヒー単体で各国の消費財に対するアプローチの違いが見えてきました。欧米では環境保護などコーヒーを愛するジェネレーションZなどの消費力が上がり、メーカー側もそのような消費者の期待に応える為、
多くのリソースをつぎ込んでおり、アジアでは機能性と利便性が顕著にのびてきていることが分かりました。このように消費者分析を更に進めると、
より嗜好性の違いや各国の状況の変化や価値観の変化までもとらえることが可能です。


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