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バネ・ゴム不要の防振設計サービス"DFM PULSE"とは何か?

まずこの動画をご覧ください。
このnoteではバネ・ゴムを使わず振動を抑制、伝達を自在に制御する特殊な設計技術"DFM PULSE"の価値、利用方法について詳しく解説します。

DFM PULSEとは
"DFM PULSE"はNature Architectsが提供する防振設計ソリューションです。
従来の防振技術ではバネやゴムなどの部材を付加することで振動を抑制していました。一方、DFM PULSEは木材、金属、ガラス、樹脂など様々な材料に適切な形状を設計・加工し埋め込むことで、バネやゴムを用いることなく振動を抑制することができます。そのため、アクチュエーター、スピーカー、モビリティ、電子基盤など様々な部材やプロダクトに組み立て工程を増やすことなく省スペースかつシームレスに防振機能を埋め込むことができます。

防振構造設計の本質的難しさ
そもそも振動はどうやって抑制されているのでしょうか?
防振は一般的にバネやゴムなどの防振材と呼ばれる部材を振動源とその振動を伝えたくないモノの間に配置し防振をしています。しかし振動している周波数に応じた防振材を適切に選定しなければ、防振は達成されずむしろ悪化してしまう場合すらあります。防振材を選ぶ基準はざっくり言えば、

・振動源の周波数
・振動源の振動モード
・振動源の質量
・防振材を組み込む領域
・防振構造を組み込む環境の情報(温度等)

などを考慮し、これらの条件から適切な防振材を基本的にマニュアルで選定しています。従ってバネやゴムなどの防振材を選定するためにも、ちょっとした専門知識が必要となります。

DFM PULSEが行う効率的な防振設計
さらにDFM PULSEのようなバネやゴムを使うことなくゼロから防振構造を最適に設計しようと思うと、上記全ての制約や目的を考慮し設計を行わなければいけません。こうした設計をプロダクトごとに行うにはかなり高度な専門・職人的知識が必要となります。
DFM PULSEはこうした設計を社内で半自動化し膨大な防振構造候補をデータベースとして持ち、新たな設計課題に対しては瞬時に構造データを生成するコア技術を持っています。さらに弊社ソフトウェア技術のDFM Exploreを利用して生成された構造群を効率よく探索・適応することが可能です。

DFM PULSEを支える3つの要素技術
振動源、プロダクトに使用される材料、構造を埋め込む空間、製造制約などの情報から最適な構造を設計するソフトウェア技術

意図しない振動(*サージング)を発生させない構造データベース

*サージングとは防振材の1次共振周波数以降で共振が発生し、防振対象周波数帯域において意図しない振動が発生する現象です。一般にコイルバネはサージングが発生するため、ゴムなどの減衰の強い材料と複合して使用されています。Nature Architectsは、さまざまな材料で幅広い周波数帯域においてサージングが発生しないダンパーレスバネ™️を生み出しました。ダンパーレスバネ独自構造によって一体の材料でも狙った周波数帯域の振動の遮断を実現しています。(詳しくは上の動画を参照ください)

従来の一般的な防振材では防振が不可能な*超低周波数・低マウント荷重の振動を抑制する構造データベース。

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*超低周波・低マウントの防振をするためには複雑な部材の組み立てが必要な大規模な防振機構が必要でした。我々はシンプルな防振構造で低周波・低マントの振動を抑制します。
(より詳細な技術は今後公開予定)

DFM PULSEでどんなものが生み出せるのか?
DFM PULSEは従来では防振バネや防振ゴムが組み込めなかった領域に防振機能を組み立てや材料を複合することなく埋め込むことができます。従って、振動源の振動周波数や振動モードが特定されているアプリケーションの防振を従来手法より効果的に実現できるポテンシャルを持っています。例えば、

・エアコンやその室外機の防振
・発電機の防振
・洗濯機
・スピーカーなどが考えられます。
(*すでにダイキン工業株式会社様、株式会社ニフコ様と協業しています)

DFM PULSEは振動を抑制する技術ですが、同様の技術を応用すれば振動を効果的に伝えることで振動アクチュエータによる新しい情報提示を実現することができます。

DFM PULSE(防振)→DFM TOUCH(ハプティクス)へ
こうした振動によって情報を提示する触覚(ハプティクス)技術は、近年スマートフォン、ゲーム、モビリティなど様々な領域で用いられていす。

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"DFM TOUCH"は振動アクチュエータが組み込まれたプロダクトの筺体に適切な幾何構造を設計・加工し埋め込むことで振動伝達を次の4つの方法で制御します。

1. 狙った振動領域のみに振動を伝える
2. 振動を分離し複数振動子の共振なく情報を提示する
3. 特定の周波数の振動を強める
4. 振動方向によって振動の強度や伝わり方を個別に制御する

これにより、より多様な情報を振動によって伝達します。

こうした振動伝達技術"DFM TAOUCH"を活用すれば
・よりリッチな振動によるハプティクス情報提示の実現
・あらゆる材料の振動を制御し多様な材料でスピーカーを実現
・単1の振動子で多様な振動の表現

などのポテンシャルアプリケーションが考えられます。

Nature Architectsへお問い合わせください。
DFM PULSE・DFM TOUCHのソリューションに興味を持った方は、
webをチェックいただくか、メールにてご連絡ください。
弊社設計ソリューションを効果的に活用することでこれまでの技術の延長線上にはない付加価値の高いプロダクトを開発を強力に支援します。

web:https://nature-architects.com/solution-services/
mail:info@nature-architects.com


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