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こういう自分でもデザインを実践していいし、やれるのがとても楽しい。

社会人にデザインの知見を、という想いで講師と学生が共になって日々の学びを深めているXデザイン学校。実際に学びの場にいる方々の声を届けていく、クラスルームインタビュー。第12回目はビギナーコース、ベーシックコースで学ばれている北栄麻弥さんです。


北栄麻弥さん
社会人向け教育サービスに従事。 講師業・受講サポートの傍ら、サービスの品質改善に取り組まれています。

現在、どんなお仕事をされていますか?

社会人向け教育サービスの仕事をしています。ビジネスパーソン向けのスクールで今年で5年目になるのですが、受講されている方の講師だったり、学習のサポートだったりを担務しながら、サービスの品質向上に携わっています。昨年度からそのサービスの品質向上を図るチームに配属になり、自分としてもそういう分野に関わったことが全くなかったので上司に教えてもらいながら仕事をする感じで、自分から何かを提案したり考えたりすることが全くできなかったんです。やっぱりそれってちょっとあんまり面白くないなという中でいろいろ調べている時に、UXという分野やサービスデザインってところを学んだら自分で考えながら仕事ができるんじゃないか、仕事が面白くなるんじゃないかと思ったのがきっかけで、昨年からデザインを学び始めました。

Xデザイン学校ではどんな学びをされていますか?

デザイナーでもないし最初からベーシックコースで授業についていけなかったら怖いなと思い、昨年秋開講のビギナーコースを受講したんですが、半年近く月一回のペースでプラットフォームビジネスやPDUモデルの話、パーパスの定義から始まって、課題企業のリサーチをして、新規事業を考えて最後に提案、という一連の流れを学びました。私のグループは幅広くて、エンジニアやITコンサル、企業の新規事業部門や実際にサービスデザイナーとしてお仕事されている方もいらっしゃって、皆さん業界・業種がバリエーションに富んでました。具体的にカスタマージャーニーマップやサービスブループリントを書いたりするよりも、その上流のところからサービスデザインについて学んでいきましたが、最初の頃はもう本当に、全くついていけないわけではないんですけど、情報詰め込むのにいっぱいいっぱいで、新しく学ぶ、知ることが多すぎてとにかくメモ取ってかじりついて何とか終えた、っていう半年でした。その後ベーシックコースに進んだのは、何より自分の学びたい、面白いなと思ったものに当時よくわかっていなかったサービスデザインという分野が合致したのが一番大きいところで、とにかくビギナーコースは必死で何とか無理矢理飲み込んで終わってしまったというのがあるので、もう一回記憶が新しいうちにしっかり学びを深めて定着させていきたいと思ってベーシックコースに通っていて、本当に今デザインの世界の扉を開けているところって感じです。

自分と社会を、デザインが繋げていく。

学ばれているデザインは自分の中でどんな存在ですか?

まだまだ自分として掴みきれていないなっていうのが一番正直なところではあって、デザインってどんなものか?とか、どう役立ってるの?って言われたら、自分としてもあまりまだ言語化できないんです。ただ、やっぱり講義で学んでいく中で、きっとこの力をつけたら、もっともっと面白いことができるんじゃないか、とか、自分のやりたいこととかを描く力になるんじゃないか、という期待感や希望みたいな気持ちはビギナー、ベーシックと受講してきて確信として持ててきたと思います。プログラムは楽しくて、本当にいつも授業を受けながら先生が本当に元気だなって思うんですが、とにかく怒涛の如くいろんな知識や具体例がどんどん出てくるのでついていくの大変なんですけど、単純に聞いているだけですごく楽しいというか自分には新しいことだらけでした。自分自身が事業の上流部分に関わっているわけではないので直接学んだことを使うということは今ないですが、現場の社員として上司から言われたことをただやるだけではなく自分から質問をしたり情報を求めにいくようになったりだとか、手を動かしていく中でも視点が変わったりだとか、そういった主体性がついてきて視野が変わってきたという変化があるなと思っています。

デザインを学ばれて、どんなところが楽しいですか?

社会に対して本当に価値のあるものを作れる力がデザインなのかな、と感じるとともに、自分がやりたいからやるというよりも、自分のやりたいことと社会で求められていることを合致させる力がデザインなんだな、と思っています。そこが面白いっていうか、自分が漠然と欲しいな、できるようになりたいな、と考えていた分野でもあったので、あ、それが“デザイン”だったんだなって腑に落ちたような面白さを感じています。講義も序盤からアート思考の話で、サービスデサインと思ってXデザイン学校に入ったので、「あ、デザイン思考の話しないんだ!?」っていうところから面白くて。それに、社会人教育という仕事に従事しながらそれは目的でもあるんだけど、その仕事をより良くしていく、充実させていく手段としてデザインがとても有効に機能するという実感があって。私は会社の中でも比較的若手になるので、デザインってもっと偉い人がやるものというイメージがあったし、いわゆる狭義なデザインには全く触れたことがなかったので自分には全く関係がないというか、いつかはやるんだろうけど別に今学ぶものでもないというイメージを持っていたんですけれども、学んでいく中で、そんな訳でもないんだなと感じたと同時に、何か選ばれた人しかデザインはやれないと思っていたのも別にそういうものでもないというか、あ、こういう自分でも“デザイン”っていう分野のものをやっていいんだ、というか、やれるんだ!ということを体感していて、何だかもっともっと知りたいなという気持ちがすごくあります。

全ての存在を、ベターに導く。

大人になってから学ばれることをどう思われます?

個人的なことではあるんですけど、社会人になってからも学校に行く、ことをどこかのタイミングでやりたいなってずっと思っていたんです。でも、やっぱりいきなり仕事しながら修士をとるとか、仕事を辞めて大学院に入るとかってとてもハードルが高くて、そういう意味で仕事しながらでも気軽に学校というものに通って、いろんなことをインプットできるというのはすごく刺激的ですし、普段の仕事と直接関わってない部分が多くても、それはそれでとても楽しいし、どこかでまた繋がる時がきて「あ、あの時やったやつじゃん!」という発見があったりで、すごく気持ちが豊かになるな、と思います。授業ですごく自分として“ああ!”と思ったのが、平易な解決の方ばかり向くな、ありたい未来を描け、という話を言われて、自分はどちらかというと、課題解決の方にいわゆる対処療法的に小さく小さく見てしまうところがあるので、そこがもう序盤の授業からガツンと殴られる気持ちというか「あ、こんなちっちゃいとこを見てちゃダメなんだな」と気付いたのは衝撃的でした。目の前の困ってる人たちというのは大事かもしれないけど、それを今やって5年後そのビジネス続いてるの?と言われた時に「あ、確かにそうだな・・・」とすごく思いましたし、ビジネスの持続性として納得したと同時に、そういう課題の穴を埋めるのだけずっとやり続けていても自分は楽しくないなと明確に感じたので、ワクワク仕事し続けるためにも学び続けて視野を広げるのって大事なんだな!と今、非常に思っています。

デザインにはどんな力があると感じていますか?

授業の中で出てきたことでもあったんですが、サービスデザインというものが単にユーザにとってだけでなく、社会にとって、関わるカウンターパートみんなにとっていいものを作ることなんだってことを定義の如く学んだんですけど、やっぱりそれが全てだなと思っていて。関わる人、モノ、全てにとってよりベターな方に導く力がデザインだな、と感じているので、それをずっと社会の状況や関わる人の状況が変わってもやり続けられる、描き続けられるのがデザインの力であるとともに、可能性だと思っています。私は社会に役立つものを作りたいとか、その価値を提供し続けられる仕組みを作りたいって気持ちがすごくあって、それを実現できるスキルや力があってそれができている状態はとてもワクワクするし、どんどんそうなっていきたいなって思いますね。自分の仕事としても今、既存のサービスとしてはもう成立しているんですが、今後改善していったり、新しいもの作っていったりって考える時に、じゃあそもそも社会人教育を通じてどういう社会を目指したいんだろう?とか、どういう人を育成したいんだろう?とか、考えなきゃいけないところになってくるので、応用ができると思っています。もちろん、まだまだそれを作るような立場にはないんですけども、やっぱり上の人たちが作ったものに対して「どういう意図でそれを作ったんですか?」とか「どういうプロセスで作ってきたんですか?」という意識が向いてないと「それでやっていくんですね」とただ受け入れて終わるだけになってしまうので、やっぱりそこを知りに行くことができるようになってくる、というのは若手社員としての変化として大きいものかなと考えています。現在、サービスの品質向上チームにデザインという名前を与えられてはないんですが、デザインの視点・思考を持って自社のサービスをもっと良いものにしていきたいというのはチームの中で思っていますし、学んだものをちょっとでもチームに還元していけたらいいなと思っています。

私にとって、デザインとは「ワクワクする未来を描いて実現する力」。

そんな北栄さんにとって、デザインとは何ですか?

現時点で思うのは、ワクワクする未来を描いて、それを実現する力がデザインかな、と思ってて。・・・今、ちょっと迷っていたのは主語をどうしようかなって思ったんですね。誰のワクワクする未来なのかなって。でも、改めて考えると自分も社会もカウンターパートもみんなだなと。だから、主語をなくして、“ワクワクする未来を描いて実現する力”がデザインかなと思います。