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自宅を建てたことの振り返り

はじめに。
僕は自分が建築を学んできて、建設会社に就職して、設計・調査や現場に関わってきていたので、ある程度の知識はありました。
とはいえ、専門は伝統建築であり寺社仏閣や古民家といったものが強く、住宅の設計については、まだまだ甘いとは思っていました。
そんな自分が自宅を建ててみて、考えたことや感じたことなどを書き記せればよいな、と思います。


自分が設計した建物に住んでみて

今のところ、満足しています。
賃貸の頃に比べて、冬は暖かく、夏も涼しく快適な住環境です。
YouTubeやInstagramの方たちのように気密! 断熱! みたいな建築ではありません。
けれども、住んでいる中ではやはり自分が設計しただけであり、こだわった部分の使い勝手については非常に良いです(笑)
それは妻も同様の意見なので、夫婦ともに満足しています。

色々と自分で図面を描いていました

土地編

重視したこと

最初のころは、価格です。
以前、住んでいたところでは億を超える土地の値段や手ごろな価格?と言えるようなものですと、建物が3階建て! なところだったので、予算的に合うような場所を選びました。
子供が乳児の時に近くの川が氾濫しそう、ということで大雨の中、道が若干冠水しているところを非難した経験から、災害にはある程度強いところがよいよね、というので選びました。

そのほか考えていたこと

テレワークとはいえ、通勤圏内をどうしようかとは悩みました。
あとは実家へ帰るときの交通の便です。
長期休暇になると非常に混むので、その辺りを避けられそうな場所を選択しています。
土地については、建物の大きさにも関係するので、本当にこの辺りは大変難しいところです。

設計編

設計事務所との進め方について

依頼した会社さんの進め方として、専属の設計士ではなく、外部の設計事務所の方が設計してくださるということで話を進めていました。
途中から基本設計を僕自身が行うような形になって、話を進めていました。
仕事が忙しかったこともあり、設計全てを行ってはいませんでしたが、やはり描けるのであれば、自分で全て(詳細設計や一定レベルの施工図まで)描いておくのが良いとは思いました。
デザインについては、ある程度話をしていたにも関わらず、僕の把握していないところで改悪されているのがあとで発覚していたので、この辺りは本気でやらなければならない項目だったな、とは思います。
もちろん、合う設計事務所とやれればそれが一番なのでしょうが、自分の場合、合わなかったにも関わらず百パーセントを注ぎ込まなかったのは痛手だったかな、と感じる次第です。
微々たるものに納まってはいるから大した話ではないのですが。

こだわるところについて

何についてこだわるのかは自分たちの生活スタイルがどのようなものか、どういう風にレイアウトすればよいのか、など様々だと思います。
この辺りは実際に色々な住宅展示場や生活スタイルをみることによってわかってくるので、掘り下げていく形でしょうか。
僕の場合、基本的な設計をした上で妻に説明してイメージを伝えて、より図面を作りこんでいく感じでやっていました。
設計事務所から「やめておいた方がよい」「使い勝手が悪い」とか散々言われた部分もありますが、僕の設計通りなかなか良い使い勝手になっています。
何度も迷走はしていますが、悩めるうちに大いに悩み、時には誰かと話しながら描いておくのはいいことです。
建築を始めた段階でコロナが世間を騒がせていた時期でもあったため、手洗いは玄関近くに置いています。
また、夫婦ともにテレワークが主軸になる予定だったので、書斎スペースを広めに確保するなど、しています。
YouTubeやInstagramなどで「これがいい!」「こうでなければダメだ!」的なものもたくさんあって、参考になるのもたくさんあるのですが、実際に住む人が満足する形が一番落ち着くんですよね。
そういった意味で、リビング・ダイニングはほかの住宅に比べると非常に狭いですし、子供部屋・寝室なんかも狭いです。その代わり書斎が広かったりします(笑)

インテリア設計

基本的に妻にお任せしておきました。
一部、色合いについて相談を受けたので答えたり、あまりにもおかしな色を選んでいたときには誘導をしたりなどはしましたが、基本的に妻の好きなようにさせてました。
インテリア関係で意見したのは、コンセントの位置と分電盤の位置、床下収納の位置くらいでしょうか。
インテリアについて、自分の考えとしては来客が来たときに使う部屋・通る場所については、デザインを統一させるということです。
なので、トイレだから! と言って奇抜な色合いを持ってくると非常に不自然な建築になってしまいますので、その辺りの冒険はプライベートスペースでやった方が吉ですね。

工事編

全体を通して

大方良かったとは思います。あれれ? と思うところもありましたが、そんな潤沢な予算でお願いしている訳でもなく、有名な建設会社である訳でもないので、予算に対してどうなのか? といった感じです。
設計通り、満足する建物になりましたし、細かな数点についてはまぁ仕方ないかな、といった感じですね。

良かった点

現場へ行く度にカメラを持って写真撮影をしたことは良かったです。
特に360度カメラは本当に便利で、一発で周辺を撮れるのは後から見直しても非常に良いです。
それ以外はドローンでの撮影も非常に見ごたえがあってよかったです。
普段の目線ではなく上空からみる景色は非常に良いものですね。

悪かった点

電気の配線や気密処理など見れる部分や注意すべきところについては、逐一質問したり現場対応してもらった方が良かったかな、と思います。
ちょうど、そのころに2人目が生まれるってことで、実家へ帰省してしまったのがそのまま痛手になったのですが。。。(それ以外の工程は本当に良く撮った
あとは、工事をしてくれた人や現場監督などとの意思疎通ができておらず、色々とトラブルが発生した点についても本当に頭を悩ませました。
一難去ってまた一難のように色々とあるんだなぁ、と思う次第です。
この辺りは自分も建築に携わってきたので、よくわかる心境です。主に同情的な意味で。

自分が作った家について

最初にお伝えした通り満足しています。
設計事務所とは喧嘩するわ、施工については不良みつけて、どうするの? と伝えたり、施工後にも不備をみつけてごねるので、「もういいうちでやる」と伝えてみたりと色々すんなりいかなかった部分などここに書いていないだけであります(笑)
ただ、賃貸の頃の生活に比べると非常に快適ですし、子供が成長するにつれてもなかなか良かったかな? と思えます。
そもそも建築なんてのは、時代と共に改修していくものなので、追々手直し含めてやっていけばいいのかな、と考えています。
設備系だと10年経つとボロボロになってきますし、不具合も出てきます。
外装も20年と言わずに、シーリングからいかれてきますし、樋についてもゴミが溜まって排水しないこともよくあります。
そういったメンテナンスをしながら、今後自宅と付き合えばいいのかなぁ、と思います。
各項目の細かなところについては、追々機会があれば記していこうかな、と考えています。

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