メカニックに欠かせない「魔法の箱」が果たす役割とは。『備えあれば患いなし』をモットーに取り組む仕事との向き合い方
働く人にとって、日々扱う道具は「相棒」と言っても過言ではありません。
相棒とどのように出会い、どんな思い出を刻んできたのか。
長らく使ってきた道具に焦点を当てると、その人の個性やこだわりが滲み出てきます。
今回の「相棒」は、太陽インダストリー（株）の竹内龍造さんが扱うツールボックスにフォーカスしました。
多種多様な工具が入った「魔法の箱」には、メカニックとしての仕事に対するモットーも合わせて詰め込まれています。
《プロフィール》竹内龍造（たけうち・りゅうぞう）
九州国際大学卒業後、2021年に太陽インダストリー（株）に入社。2年目まで段ボール製品の抜き加工の工程を担当し、2023年から戸畑工場の設備全般整備、保全を担当している。趣味は学生時代から乗り続けているバイク。休みの日には熊本・阿蘇までツーリングで出掛けることもある。福岡県出身、1998年生まれ。
豊富に揃った工具類が自慢のメカニックに欠かせない「相棒」
ー「相棒」と出会ったきっかけは。
竹内
「太陽インダストリーに入社した2021年からです。社内で6年くらい前から使われていたものを譲り受けた形ですが、段ボール製品の抜き加工を担当していた2年目までも時折生産技術のサポートに入っていたので、その際はこのツールボックスを使っていました。2023年から生産技術として工場内の設備のメンテナンスを担当することになり、本格的に使い込んでいます」
ーどんな時に相棒は活躍していますか？
竹内
「工場内にある設備のチェックやメンテナンス、突発的なトラブルが発生した時に使っています。ボックスにはレンチやスパナ、ソケットなどの工具類が標準セットとして100点ほど備え付けられ、自分で買い足した工具やスプレー類なども収納しているためかなりの重さがありますが、キャスターがあるので押し運びながら工場内を回っています」
重量感と引き換えに得られる作業での安心感
ーそんな相棒にはどんな「個性」がありますか？
竹内
「やはり、たくさんの工具が収納されているところですね。現場で作業する際に設備に合わせて使いたい工具をすぐに取り出せて助かっています。ただ、トータルで約100kgあり、工場内の路面のガタツキなども影響して前のキャスターがふらつくので運ぶ際に苦労する時があります…」
ー印象に残っている思い出を教えてください。
竹内
「ある設備のメンテナンスをする際、老朽化していたこともあってネジを外そうとすると頭の部分がボキっと折れて設備の内部に入り込んでしまったことがありました。その日は工場内の設備を止めていたのでラインを止めずに折れた部分を取り出すことができましたが、通常の稼働日であればパニックになっていたかもしれません…」
ートラブルを防ぐため日頃からルーティンとしていることはありますか。
竹内
「毎日1時間かけて工場全体を巡視していますね。工場内は熱を持ちやすい設備が多く、段ボール製品を作るので紙紛が原因で火災が生じるリスクもあります。よく聞いていないとわからないエア漏れやベアリング音などで異音がないかを日々確かめていますし、部品の交換をはじめとするメンテナンスを頻繁にすることでトラブルを未然に防ぐようにしています」
「まさか」や「万が一」を防ぐために意識する心がけ
ーもし相棒が現れなかったら、どんな社会人生活になっていましたか？
竹内
「整備や修理の大切さ、楽しさを知ることはなかったと思います。もともとバイクを扱うのが好きでこの会社に入りましたが、仕事として設備の保全をやることで学んだこともたくさんあります。トラブルが起きないようにするだけでなく、万が一何かが起きた時にもすぐ対応できるようにパーツを揃えるなど『備えあれば患いなし』を意識するようになりました」
ーこれから相棒とどのように付き合っていきますか？
竹内
「現場で作業するとキズが入ったり油で汚れたりすることもありますが、綺麗に拭きあげるなどしていつか入ってくる後輩に引き継げるまで長持ちさせたいですね。生産技術の仕事ではまだ1年目なので今は先輩に助けてもらっていますが、早く1人でこなせることが目標です。まだまだ先の話ですが、いずれは生産技術の仕事で皆をまとめる立場になりたいと思っています」
《今回紹介した竹内さんが働く会社はコチラ》
【会社名】太陽インダストリー株式会社
【本社】福岡県北九州市小倉南区湯川4-1-1
【設立】1965年
【事業内容】段ボール製品、FRP（強化プラスチック）製品、レジンコンクリート製品などの製造
【HP】https://www.taiyo-industry.co.jp/
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今回取り上げた竹内さんをはじめ身近な人の働く姿やモノへのこだわり、働く人のアップデートした姿を切り取ってお届けしています。
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