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入社時から使い続ける「相棒」の存在。ものづくりの奥深さと品質の大切さを実感したそのワケとは

働く人にとって、日々扱う道具は「相棒」と言っても過言ではありません。
相棒とどのように出会い、どんな思い出を刻んできたのか。
長らく使ってきた道具に焦点を当てると、その人の個性やこだわりが滲み出てきます。

今回の「相棒」は、ミハラ金属工業(株)の黒澤龍星さんが使い続ける導通チェッカーにフォーカスを当てました。
アルマイト処理の後に手がける検査に欠かせない道具の存在は、黒澤さん自身にとってものづくりにおける「品質」に対する考え方を深める役割を果たしてきたことがわかります。

《プロフィール》黒澤龍星(くろさわ・りゅうせい)
 希望が丘高校卒業後、2019年にミハラ金属工業(株)に入社。1年目に表面処理七課に配属されて以来、現在に至るまでアルマイト処理の工程を担当してきた。趣味は筋トレ。平日の仕事終わりや休日にジムに通って汗を流している。福岡県出身、2000年生まれ。



製品の良否を判断するために欠かせない道具

導通チェッカーを使ってアルマイト処理がされているかを確認する黒澤さんの手

ー「相棒」と出会ったきっかけは。
黒澤
「入社後にアルマイト加工の工程に配属となった時から使い続けています。
社内ではそれまで別のものを使っていたみたいですが、入社のタイミングで新しいものを用意されていた状態でした。高校時代は自動車課だったため、入社するまではめっき処理やアルマイト処理に関して詳しくなく、最初は先輩に教えてもらいながら作業や扱い方を覚えていきました」

ーどんな時に相棒は活躍していますか?
黒澤
「アルマイト処理を終えた後の検査で使います。アルミの表面に皮膜を作るアルマイト処理を施したものは絶縁性があるため、通常は電気が流れません。ただ、処理が不十分だと電気が流れるだけでなく腐食や摩耗にも弱いものとなってしまいます。検査では導通チェッカーのケーブルの先端にある接点部分を処理したものに触れさせ、絶縁性に問題がないか確かめています」


創意工夫によって上手くできた時に感じる達成感

黒澤さんが使い続ける導通チェッカー「Community Checker DT-37」

ーそんな相棒にはどんな「個性」がありますか?
黒澤
「コンパクトで使い勝手がいいのですが、毎日使うので電池がすぐに消耗します。検査漏れを防ぐため乾電池は1か月ごとの交換を徹底してきました。あと、この導通チェッカーは歌が上手なんです(笑)電気が流れるとメロディ(エリーゼのために)が流れる仕組みですが、検査中に流れると不良品ということになるため『流れないように…』と思いながらやっています」

ー印象に残っている思い出を教えてください。
黒澤
「見た目でわかりやすいめっき処理と違い、アルマイト処理をしたものは目視だとなかなか見分けがつきません。形状が複雑で難しいアルマイト処理は、『どうやってやればいいのかわからない…』となることもありました。そうした中でも自分で工夫しながら解決策を見つけ、検査によって良品と判定された時には達成感がありますね」

ーアルマイト処理をやってきてどんな時にやりがいを感じますか?
黒澤
「アルマイト処理にはいろんな方法があり、染料を流し込んで色を付けるやり方もあります。イメージするならば鉛筆の芯の部分に染料を加えていく感じですが、調整具合によって色の濃さも変わってきます。最初は先輩に教わりながらやっていましたが、自分で調整しながら処理を施してうまくいった時がこの仕事をやっていてやりがいを感じる部分ですね」


仕事を通じて学んだ「品質」の大切さ

「子供のころからモノづくりが好きで今の仕事を選んだ」と語る黒澤さん

ーもし相棒が現れなかったら、どんな社会人生活になっていましたか?
黒澤
「品質に対して深く考えないままに仕事をしていたかもしれません。処理の方法や治具の扱い方によっては、1個の不良品の発生で全体に影響が出てしまうこともあります。効率性や生産性を考えながら作業をしていますが、不良品が出ないための慎重さも大事だと学びました」

ーこれから相棒とどのように付き合っていきますか?
黒澤
「愛着を持って使い続けてきましたが、接点部分がモノと触れて荒れてきたので丁寧な当て方で長持ちさせるように使いたいです。アルマイト処理の仕事はシビアさが求められる部分があり、自分の中ではまだ完全に仕事をマスターしたとは思っていません。先輩にアドバイスを求めずにこなせるレベルに早く到達するためにも、色んなやり方を試していきたいです」


《今回紹介した黒澤さんが働く会社はコチラ》
【会社名】ミハラ金属工業株式会社
【本社】福岡県北九州市八幡西区夕原町3-3
【創業】1949年
【事業内容】表面処理(一般めっき、塗装)、アルマイト処理、導体加工
【HP】http://mihara-kinzoku.com/


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