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「試されているな」コロナ禍で異例の研修運営で気づいた「好きなこと」とは?

世の中の99.9%は「普通の人」。スポーツやビジネスなどで活躍する著名人は、あなたにとって憧れであっても手が届かない遠い存在でもあります。

一方で身近にいそうな人のエピソードを通じて学べることもあるのではないでしょうか。あなたにとって今後のヒントになるかもしれません。

今回は西部ガスホールディングス(株)の小川周太郎さんに焦点を当てました。コロナ禍で異例の変更を余儀なくされた研修を運営して気づいた「好きなこと」とは一体、どんなものだったのでしょうか?

《プロフィール》小川周太郎(おがわ・しゅうたろう)
 福岡県立福岡工業高校卒業後、2014年に西部ガス(株)に入社。長崎支社で販売促進業務に従事した後、本社の人財戦略部で主に若手育成やキャリア開発施策、社内大学の立ち上げを手がけてきた。現在は事業開発部で新規事業立ち上げに向けた企画や実証などを担当。プライベートではコンビニジムに通うことがマイブームとなっている。1995年生まれ、福岡県出身。

【西部ガスホールディングス株式会社のホームページはこちら】https://hd.saibugas.co.jp/

コロナ禍で対応を迫られた研修プログラムの変更

「ジム通いは体を動かす習慣を身に付けるため」と語る小川さん

高校卒業後に入社した西部ガス(株)で自らの希望が叶って配属された部署で販売店の営業支援に携わっていた小川さん。入社4年目に人財部門に異動となり、その後のキャリアを意識する機会が訪れます。

小川
「異動は予想外でした。いつかは人事関連の仕事はやってみたいと思っていましたが、『まさかこのタイミングで』との印象が強かったです」

新たな部署では主に社員研修やキャリア開発に関する業務を担当することになります。例年実施する新入社員研修では、宿泊形式による約1か月半~2か月のプログラムを組んで運営していました。

例年約40人が参加する研修を3年間担当し、4年目を迎えた2020年。新型コロナウイルスの感染拡大で今まで通りの実施が難しい状況に見舞われます。

小川
「3月に入って福岡県でも感染者が出るようになり、今までよりも急激に増えたタイミングで休日に上司と緊急でミーティングをしました。その段階で宿泊の研修は止めようとなり、期間も短縮して実施する判断に至りました」

例年、研修の準備には企画を含めて3~4か月を費やしていました。そんな状況から急きょ会場や講師などのキャンセル対応に追われますが、まずは4月から研修を実施する流れでまとまります。


さらなる対応に追われるも「燃えている自分」を認識

「新入社員の成長機会を失わせないようにするためにどうすればいいか悩んだ」と振り返る

世の中ではイベントの中止や延期が相次ぎ、周囲で新入社員研修の中止を決めた企業の動きも耳にしていました。それでも小川さんたちが実施の判断を下した背景には、ある思いがありました。

小川
「新入社員研修は一生に一度しかないですし、その後を決める大切なことなので『全て止めます』との判断はどうしてもできませんでした。できるだけのリスクを排除した上でどうやったらできるかを考えながら進めました」

実質3人体制の運営で余裕はありませんでしたが、社会、そして社員のスタートが持つ意味を重視して何とか研修を始めました。ただ、開始から約1週間後に発出された「緊急事態宣言」によってさらなる対応を迫られます。

小川
「さすがに『これはヤバイ』となりました。会社の方針としても出社を原則禁じられ、『これは強制終了になるのでは…』との思いも募りましたね」

ただ、そこでも研修を止めず、在宅でのオンラインによる研修に切り替えて継続させます。さらなるスケジュールや内容の調整に追われますが、小川さんにはピンチだからこそ浮かんだある思いもありました。

小川
「大変な状況に『燃えている自分』が居たんですよ。ヤバイと思いつつ、誰もやったことがないことに『試されているな』との気持ちもありました」

もともと「チャレンジすることが好き」と語る小川さん。対応に追われる苦しさより、新入社員の学びの機会や同期の一体感を育む場が奪われることへの危機感がピンチな状況で「試されているな」との考えに行き着きます。


ピンチで気づけた「何もないところから作り出すことが好き」

困難な状況でも「コレができるかも?アレができるかも?と試す機会になった」と語る

研修は期間短縮や開催形式の変更を余儀なくされましたが、即興のディスカッションやワークショップなども盛り込みながら約1か月にわたって展開しました。そんな経験を通じ、小川さんはある気づきを得るようになります。

小川
「当時の上司に『目的思考が大事だ』と日頃から言われていましたが、新入社員が社会人としての基礎知識やマインドを持って職場へ送り出す目的を果たせたと思います。その上で何もないところから作り出すことが好きだし、得意だと改めて認識できました」

イレギュラーな状況が訪れても「自分自身の経験と知見を総動員できた」と語る小川さん。過去3年間で研修やワークショップなどを運営した経験や世の中のトレンドや仕事で使うツールなど日頃からインプットしてきた情報を生かせたことも、「何もないところから作り出すことが好き」と前向きに捉える原動力となっていました。

2023年には新規事業の立ち上げを担当するチームに異動し、今まで以上に何もないところから作り出すことが求められるようになりました。当時の経験や教訓を基に、今後に向けてどんな思いを描いているのでしょうか。

小川
「新しい事業を作ることが今のミッションです。そんな立場で改めて自社を見たときに地場企業だからこそできることも沢山ありますし、会社がもつポテンシャルや社会に与えられるインパクトは大きいと思っています。過去に捉われず、ゼロから先頭に立って新たな価値を生み出していきたいです」

「答えがないぞ。さぁ、どう自分で正解を作っていこうかな?」といった物事に取り組むことが好きだと語る小川さん。既存事業にない会社の新たな可能性を求め、自分自身で価値を創造するチャレンジはこれからも続きます。


今回のおさらい

新たなことを進めるにはどんなことにも苦労や困難を伴います。チャレンジ精神が旺盛な小川さんですが、イレギュラーな事態に立ち向かえた要因として「情報のアンテナを日頃からどう張るか」を挙げています。

日頃から情報をインプットする習慣がなければ、とっさの対応を迫られた時にもアウトプットする土台がなく、さらなる困難を伴います。小川さんは「変化に適応し、変化できるものが生き残ることも学んだ」とも語っていますが、変化に対応するための準備として情報や経験の蓄積を重ねていたことが大きなポイントとなるのではないでしょうか。


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