ベネッセの女性メンタリングサービスの開発プロジェクトマネージャー(PM)を担当しました
日本の女性の管理職の状況
政府は、2003年に「2020年までに指導的地位の女性割合30%」という目標を掲げ、2016年4月からは「女性活躍推進法」を全面施行しました。
しかし、2020年時点では目標は未達成。後に可能な限り30%程度目指すという目標に変更されたようですが、実態としては課長が10%、係長で20%弱程度とのことです。全然届いてません。
管理職を目指す女性を応援するサービス
そんな中、2024年6月、ベネッセから新規事業がリリースされました。
「withbatons(ウィズバトンズ)」は、他社の現役女性リーダーとのメンタリングを通じて自分のキャリアを見つける、女性社員向けキャリア形成支援サービスです。
社内に女性管理職のロールモデルが見つからない、そんなときに社外のメンターに(社内では話しにくいことも)あれこれと相談して自分のキャリアについて考えられるようになる、そんなサービスです。
ちなみにこの事業は、株式会社ベネッセホールディングスで数年前から始まった「B-STAGE」という取り組みから出たアイデアとのことです。
ここからどんどん新しい事業が生まれてくるようですので、ベネッセOBとしては強く応援したいですね。
システム開発のプロジェクトマネージャー(PM)
少し昔話しになりますが、私はベネッセにいたときは、1999年の進研ゼミのインターネット版(チャレンジネット)、2002年に子供向けISP&メーラー&アンチウイルスソフト(TRAMくん)、2015年にはコンビニで買えるIT教材(BenePa)など、色々なデジタル教育サービス開発に携わっていました。
最近は教育に限らずアジャイル開発スタイルの案件が多かったのですが、今回はがっつりウォーターフォール開発スタイルのWebアプリ(Webサイト)サービスでした。
最初、こちらの話を聞いたときには「そこまで重くないかな?」と思ったのですが、AIによるメンターとメンティーのマッチングや、AWSを利用しながらの高度なセキュリティ要件など、気づけばリリース期限ギリギリで完成にこぎつけました(開発ベンダーの皆様、お疲れさまでした)
職責に必要な素養を正しく持っているか?
ところで、私は今年で51歳になったのですが、今でもこんな感じのスカウトメールが転職サービスから届きます。
人手不足とは言われていますが・・・・どうして来るのか?
サービスを開発するに当たって、「サービスを企画する(プランナー)」と、「サービスを開発する人(エンジニア)」が必要です。
今回の場合は前者がベネッセ、後者がベンダーですが、この間を繋ぐ部分が圧倒的に不足している様子が伺えます。
そして、もし仮にPMがいてもうまくワークしていなかったりするとプロジェクトの途中でリタイアするケースも珍しくありません。
PMが足りない?ワークしない?なぜなのか?
それはPMに必要なスキルや素養がないままにPMとなってしまうからなのではないか?ということに最近気づきました。
もう少し分かりやすく言うと、例えば年功序列で管理職になった人すべてが「人事考課」が得意とは限らないのに、部下の評価という仕事をしないといけないですよね(できるものとして昇格している)
では……、野球チームに長くいたからと言って投球が遅い選手がピッチャーになったりはしませんよね?
でも、社会においてはそういう人事が意外とあるように思います。
PMに向いてるのはどんな人?
では、どういう人がPMになるとよいのでしょうか?
PMPといった資格もあり、フレームワークが使えるとかWBSがかけるとか、そういうテクニカルな部分も必要ですが、私はそれらよりも必要な要素がいくつかあると思います。
1.休まない人
もちろん、どのポジションのメンバーも休まないことが大事なのですが、PMポジションは「常にいる」存在感、安心感、信頼感が大事です。
プロジェクトの最中にメンバーから「今日は体調が悪くて1日休みます」みたいなことはままあると思いますが、もしPMがこれやってしまうとそこから仕様の確認が遅れたりして開発が止まったりなど、プロジェクトの遅れは1日ではなく3日以上は遅れるでしょう。
2.マメな人
仕様に疑問があったときにすぐに確認したり、予定通りに進んでいないときにスケジュール表を細かく更新したり……、とにかく毎日、面倒くさがらずに情報を最新化しておくことが重要です。
今は便利な自動化ツールもありますが、それらを使いこなす上でもとにかく可視化して更新し続けるところは人力のままです。
今回もジョインしてすぐに
メンバーごとの業務範囲を確認するための体制図の作成と更新
外部SaaSなど利用しているサービスURLの一覧の作成
コミュニケーションツール(Slack)のチャンネルやメンバーの整理
など、散らばっている情報を最新化して共有を行いました。
3.メンバーの気持ちが推し量れる人
基本的にはオンライン会議かチャットでのコミュニケーションのため、いつもバッチリ意思疎通を図るのは難しいので、そういった環境でもうまくプロジェクトを進めることが求められます。
そのためにはチーム全体のスタッフがみんな気持ちよく業務できるように、タイムリーに連絡したり、アプローチを変えたり、時には事務所へ訪問して対面で話したり、一緒にお菓子を食べたり、飲み会を開いたり……。
仕事とはいえ人は人なので、ただ仕事を依頼するのではなく、気持ちよく仕事に取り組めるようにする、それもまたプロジェクトマネジメントではないでしょうか。
がくまるくんでは、教育系サービスの開発プロジェクトのご相談もお待ちしております。
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