近視の遺伝子発見 予防・治療に期待

2020/6/8付 日本経済新聞 朝刊

■横浜市立大学 目黒明特任准教授と水木信久主任教授らは近視の発症や進行に関わる遺伝子を見つけた。日本やシンガポール、台湾の1万人以上を対象に遺伝情報を調べた。遺伝子をもとに近視の発症リスクや進行の速さなどが事前に分かれば、進行を抑える治療に役立つ可能性があるという。

近視の発症には環境要因と遺伝要因が関わるが、近視の程度が強くなるほど遺伝的な影響が大きくなるといわれている。視力0.05未満の「強度近視」は網膜の中心部の出血や緑内障などを招きやすく、失明の危険度も高まってしまう。強度近視の患者はアジア人に多いことが分かっている。

研究チームは日本やシンガポール、台湾の強度近視の人などの遺伝情報を解析し、近視の発症や進行に関わる遺伝子を9種特定した。詳しく調べると、これらの遺伝子は網膜での情報伝達や神経の発達などに関係していた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?