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『同志少女よ、敵を撃て』を読んだ

※注意※本記事は『同士少女よ、敵を撃て』のネタバレを含みます。

積読をせっせと消化ている。今回はセールで半額くらいになったのを見て購入したものの、半年くらい放置していた『同志少女よ、敵を撃て』を読んだ。

前半部分は割とありきたりな展開だなと思いながら読んでいた。序盤の方でメインキャラクターだと思っていたアヤがあっさり戦死したのには少々驚いたが、戦争を舞台としているので、他の小説よりも人の死はつきものだろう。

私は登場人物が容赦なく死ぬ作品が好みである。例を挙げるとしたら『進撃の巨人』や『呪術廻戦』などである。戦いのたびに登場人物が瀕死状態になりながらも助かってるのが繰り返されると、緊張感が薄れてダレてくる。まあ、ストーリーを盛り上げる展開が登場人物の死ばかりな作品もつまらないのだが。

『同士少女よ、敵を撃て』は終盤部分が予想を裏切る展開の連続で引き込まれた。終盤の1/5こそがこの小説の神髄ではなかろうか。特にセラフィマがミハイルを射殺する場面。セラフィマが戦う理由である「女性を守るため」という信念が赤軍、すなわち味方に向く展開は予想していたが、それが旧友のミハイルに向くとは思ってなかった。タイトルである『同志少女よ、敵を撃て』の「敵」はソ連軍の敵ではなく、女性の敵だったわけだ。

個人的には読んで満足な作品だった。昨今の国際情勢でなければアニメ化されていただろうな、と思う。

久々に小説を読んだが、面白い小説を読むのは良い。下手なビジネス書を読むより、よっぽど人生を豊かにしてくれる。

そんなことを言いつつ、私は小説を読むのが苦手である。下手に登場人物に感情移入してしまい、読み進めなくなるときがある。冒頭のイワノフスカヤ村の住人が惨殺されるくだりで、少し本を読む手が止まってしまった。

折角小説を読むのなら、登場人物の心情を深く感じ取る方が、より深く物語の世界を体感できると思っているが、あまり感じ取り過ぎると心がしんどくなってしまう。そういったこともあり、小説を読むのは比較的エネルギーに余力があるときに限られる。なので、小説を読む頻度はそこまで高くない。

2024年は、もっと色々な小説を読んできたいと思う所存である。


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