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 蜜蜂と遠雷 著:恩田陸

 話しのプロットが良い。逆にプロットができた時点でこの物語は結末が読めるような所もあった。芳ヶ江ピアノコンクールと言う日本で開催される近年特に注目される若手ピアノコンクールに参加した若者をエントリー、一次予選、二次予選、三次予選と数珠繋ぎに見開き4段で500ページ越えの分量。ピアノと言う音を比喩を使ってどうしてここまで書き込めるんだと、その音楽(クラシック)への造詣の深さに脱帽した一冊だ。

 登場人物の個性も、演奏の順番も、仲良くなって行く様も全部好もしい内容だった。それらを紹介する訳にはいかない。天才少年少女のピアノ人生を本になぞらえて体感してみて欲しい。

 でも若干、力技だな。コンクールの結果発表の部分と最後の演奏は割愛され、最後のページに箇条書きの形で終わっているのが残念だった。恩田陸さんの本は初めて読んだ。直木賞を受賞し本屋大賞を受賞し、吉川英治文学新人賞も受賞し、山本周五郎賞も受賞してる。推理作家協会賞も受賞している。しかも宮城県出身の方で本屋大賞は二度も受賞をしている。凪良ゆうさんだけが本屋大賞を二度受賞してると思い込んでたが、恩田陸さんの方が先に二度の受賞に輝いてる模様だ。

 上下二段構えで500ページ以上となってるが話しの筋書きは至ってシンプルだし、途中の副題も全部作られてあって、もう読めないかなって思う頃に丁度一テーマを読み終える。読み易い事この上なくなっている。長いと言う理由で敬遠してたが確かに三日で読み終えたとかじゃなかったが、存分に話しの世界に浸ってられた時間は有意義な物だった。

 恩田陸さんを知ってしまった。他の著作も読まなければと今思っている。

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