オンラインフューチャーセッションとパラダイムシフトの渦に飛び込む
おはようございます。
最近、オンライン対話のエナジャイズに自分の気持ちをお天気マークで表現するのが気に入っています。
今は絶賛雨マーク。
仕事と家庭の両立、という言葉にモヤモヤしているからです。
仕事でも、家庭でも、ない時間が山ほどほしい。
私は妻であり、嫁であり、母ですが、そうでない自分がやりたいことをやる時間をどのように家族に認めてもらうのか、目下の課題です。
今も、この文章をまとめるために、家族と折衝をし、無理やりにでも得た時間を自分のために費やしています。
さて、今日の記事は、無事に終了した「オンラインフューチャーセッション」のイベントレポートです。
①まずは感想!
私は今回、パラダイムシフト分科会の運営スタッフという立場で、当日のオンラインフューチャーセッションを迎えることになりました。(enPiT-everi:オンラインフューチャーセッション)
何を大切に企画をするのか、参加してくださった方にどんなことを考えたり感じてもらいたいのか、パラダイムチームのメンバーとともに計画をし、ついに本番を迎えて感無量というところです。
パラダイムシフトとは、その時代の常識や当たり前のことが覆されること。
私たちは、いわゆる一般的な会社員の働き方に目を向け、今までのこと、これからのことを対話で深めていくことにしました。
私自身、田舎在住・子育て中・フリーランスという働き方をしていることから、以下のような働き方のパラダイムに課題意識を持っていました。
・理想的な同期・非同期の働き方バランスは?
・在住地域により仕事が制限されない方法は?
・リモートワーカーは管理できる/信頼できる?
・リモートワーク浸透で社員・パート・アルバイトのストラクチャーは揺らいでいくのか?
でも、こんなことに興味を持っている人なんて他にいるんだろうか。こっそりそんなことも思っていました。
ところが、オンラインフューチャーセッションで出会ったたくさんの人たちとの対話から、同じような課題に立ち向かう人、別の課題だけど同じような姿勢で取り組む人、環境は違うけど興味関心が近い人に出会うことができました。
フューチャーセッションは、一過性のイベントではない。この出会いが次に何を生むのかというところまでを内包するのだ、というのが体験してみて実感できたことでした。
②働き方のパラダイムシフト
パラダイムシフト分科会のインスピレーショントークは、KDDIの山崎真人代表取締役社長をお招きしました。
山崎さんが代表取締役社長を務めるKDDIウェブコミュニケーションズは、『ITで明日のビジネスの当たり前を作る』という標語を掲げ、誰もがその目標に向かって働きやすいように、例えばフレックス制や時短勤務、分割勤務といった、一人ひとりが働きやすい選択肢を用意されています。 また、コロナ以前の数年前からフルリモートワークの社員の方もいらっしゃいます。
今回のインスピレーショントークでは「キャリアリセットしないための柔軟な働き方」「都市部と地方の企業採用面で競合するのか」「属人化が進んでいく」といった刺激的なお話が印象に残っています。
「社会に向かう生き方に仕事を近づける」ということを考えざるを得ない時代が来てしまった。この1~2年でどうやって自分が立ち振る舞っていくのかの変化を遂げる。そしてその変化の先に30年後の自分がいるのでしょう。
仕事に自分を合わせるのではなく、暮らし方に仕事を合わせる選択をしていくのだ、というお話。
自分自身も複数の仕事を組み合わせて四苦八苦しているだけに、山崎さんのコメントが温かく染み渡りました。
分科会で出たキーワードを振り返り、上の図にまとめてみました。
・リモートワークで輝く人、コミュニケーションが取れる人は、もともとその資質を持っているのか
・組織に所属しているという感覚なのか、個人同士が集まって仕事を組むという感覚なのか
・住んでいる場所や情報の格差が限りなく取り払われていくことの弊害は?あるいはあらたな格差が生まれ軋轢を深めていくのか
・これまで口伝や背中を見たり空気を読んで得ていた情報や組織文化がどのように伝えられていくのか
・コロナ禍でリアルなコミュニケーションのないまま入社した新たな世代との関係の構築
もっともっと対話を重ねたいトピックばかりです。
この分科会の後は、オンラインでワールドカフェを行い、分科会で話したこと、持論ではなく今日の気づきを共有しあうことによる新たな発見を楽しむ時間が設けられたのでした。
③enPiTって何?
Education Network for Practical Information Technologies の略称で enPiT(エンピット)と呼んでいる.これは 2012 年度から開始した文部科学省支援の教育プロジェクトで,「実践的な」情報技術の教育プログラムを全国
の大学に展開するためのいろいろな活動を行っている.
(コラム:enPiTって何ですか)
私が今回参加したのは、enPiTという大きな情報技術の教育プログラムのうち、enPit-everiと呼ばれる社会人向けのリカレント教育。リカレントとは、循環。生涯にわたり、学び、働くことを繰り返すことで、自身の必要とするスキルをその都度更新することができます。
「リカレント教育」とは「寿命が延び、働く期間も延びていくに従って、職業上必要な知識や技術はどんどん変化していく。その変化に対応するために、フルタイムの就学と就職を繰り返していこう」というものです。
提唱されたのは、ここ数年のことではなく、1969年のヨーロッパ。1970年代の国際会議を経て、大きく広がりました。発祥であるヨーロッパ諸国では、「フルタイムの就学と就職を繰り返す」制度が充実しています。
(特集 リカレント教育とは)
私は勝手に、日中働いている社会人が、夜間に通う大学・大学院のことをイメージしていましたが、そもそものリカレント教育構想では、「フルタイムで働く」「フルタイムで学ぶ」を交互に繰り返すことを提唱されているそうで、それはやはり制度のなせる業なのではないかと感じています。
とはいえ、突然仕事を辞めて今日から学生に戻ります、というのは子育て世代の私には少し難しいこともあります。
そんななか、ご縁があって、オンラインフューチャーセッションという特別実習型の講義を受講することになりました。
④オンラインフューチャーセッションって何?
フューチャーセッションという耳慣れないメソッドについて改めて調べてみました。
フューチャーセッションの最大の特徴は、既存の問題や課題を再定義することで、「このステークホルダーが協力し合えば変化が起きるだろう」という、新たなシステムの箱庭をつくることである。つまり、“未来の新しい仲間を招き入れ、創造的な対話を通して、未来に向けての「新たな関係性」と「新たなアイデア」を生み出し、新しく集った仲間同士が「協力して行動できる」状況を生み出すための場” であると考えられる。
(経済産業省:ものづくり白書2016)
未来の新しい仲間を招き入れ、新たな関係性と新たなアイデアを生み出し、協力して行動できる状況を生み出す場としての対話イベント。
これを、さらにオンラインで実施するという「オンラインフューチャーセッション」がenPiT-everiの特別講義となっており、第一回の講義は様々な立場からの受講生が初めましての自己紹介をするところからスタートしました。
4月から8月まで月に一回の講義で、対話を重ね、グループが結成され、最終的に100名を超える参加者の集うオンラインイベントを成功させる体験ができたこと。
それは、厳選された素材を使い、コトコト煮込んだスープをみんなで味わうような感覚でした。しかも、持ち寄りパーティ。いろんな味のスープを一度に味わって、おなかいっぱいです。
月に一度というペースは、子育て中の私にとっては負担感がなく参加でき、それでいて非同期の間(つまり、講義以外の時間)はチャットワーク(ビジネスチャット)で連絡を取り合うというスタイルも自分に合っていました。
イベントの最後には、参加者の間で名刺交換ならぬFacebookのURL交換が大流行。また、事後にはLINEのオープンチャットも立ち上がり、まだまだこれから新たなものが生まれてきそうな気配を感じます。
おわりに
5か月間、オンラインで講義を受け、運営スタッフを経験したことによる達成感もさることながら、今は、燃え尽き症候群のような感覚を覚えています。
リカレント教育、社会人を対象にしたクラスだったこと、オンラインでの開催だったこともあり、もしかしたら一緒に学びあった仲間とは、もう二度と会えないかもしれません。
一期一会の機会にはかなさを感じます。でもこの高揚はきっと忘れない。
感謝の気持ちでいっぱいです。
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