見出し画像

「ウェネバーウェアエバー・リサーチ」とは?

有料マガジン「ウェネバーウェアエバー・リサーチ」
|期間:2020年4月〜2021年3月末(1年間)
|掲載物1:リサーチの予告と記録(年間約30本)
|掲載物2:ミーティングの予告と記録(月1回)
|購読料:1000円(年間価格)
|リサーチャー:Aokid、木内俊克、七里圭、西村未奈、福留麻里、村社祐太朗、山川陸、山崎広太
|リサーチテーマ:各自設定(詳細)
|助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京

|リサーチャーごとの目次


 2020年4月より1年間、ウェネバーウェアエバーフェス(whenever wherever festival)は活動のコンセプトとして「リサーチ」を掲げます。2018年から約3年間にわたりフェスティバルを主導してきた8名のアーティストが、個々にリサーチテーマを設定し、散り散りになり、1年かけ見識と経験を深めていきます。これで全体の動きが多少ひっそりとしたものになるにつけ、重要な指針として挙がったのはリサーチをできるかぎり体験可能な状態にしておくということです。

 そこで有料マガジン「ウェネバーウェアエバー・リサーチ」を開設しました。ここではリサーチの記録を読んでいただけます。1年間で30本以上の記録記事を公開する予定です。またマガジンでは実施前にリサーチの目的や場所を予告し、リサーチに加わるひとを集います。つまりリサーチには加わることもできます。

 「リサーチ」は基本的に、まだ見ぬ2021年実施予定のWhenever Wherever Festival 2021に向けた準備です。街歩きから観劇、ワークショップ、読書会、食事、旅行、スポーツなど、リサーチの方法は多岐に渡る予定です。8名のアーティストがここ数年の活動を振り返り(参考)、その発展として各々が設定したテーマにのっとり、リサーチを企画・実施していきます。ぜひご参加・ご支援ください。

--

(補遺)
 ウェネバーウェアエバーフェスへの参加は、一定程度「親密」なものです。たとえば2019年の「しきりベント」には日々、ほんの数名の参加があっただけです。参加者よりもフェスティバルを企画している人間、プログラムを実施する人間の方が空間に多くいる、ということが常でした。そんなつもりはなかったのに互いの顔が割れてしまう、ひとことふたこと話をしてしまう、それがこのフェスティバルの強みです。また今年度の活動指針であるリサーチとそこへの参加の促しは、この「親密さ」を維持し継続するためのアイデアでもありました。最大でも5,6名の小さな集まりの提案と維持、それはたまたまですが多少時宜を得たものになるかもしれません。
 奇しくもこの一ヶ月は世界的に、集まることの危険性がすごい勢いで喧伝されています。ただ一方で急を要する場合は「外出の際、人と1.5m以上距離をとること」といったように、人と人の接触の仕方が平常時と違った仕方で計られている興味深い場面にも多く出くわします。マスクをどうつければいいのか、手をどのように洗えばいいのか、そういった目に見えないもののの扱いが一旦無理くりにでも明文化されるのを横目に、ただそれは日常ではなかったかという思いも湧いてきます。適切な距離、適切な声量、適切なスキンシップ。それらはもともと目に見えないものです。ただだからといってそれを見ようとせず諦め、語らず、触れずに済ませようとする度に、わたしたちは他人を傷つけてしまいます。
 「演劇がペストのようなものであるとすれば、それは伝染するからではなく、それがペストと同じように啓示であり、前面に押し出すことであり、潜伏する残酷の背景を外部に向かって押しやることであるからだ」とアルトーは書いています。いまの時勢は、今一度どの深淵への探求がわたしたちを結びつけているのかを考える機会なのかもしれません。それが困難であると理解しつつ、また「錯乱」であると認めながらも無心に潜り、「あるものとないものの間、可能なものの潜在性と物質化した自然のなかに実在するものとの間を鎖でつなぐ」ことで、本質的な"親密さ"を少し手繰り寄せられるかもしれません。そしてそれは演劇が本来担うやりようでなかったかと、いま問われているのでしょう。(文責・村社)

引用:「演劇とペスト」(アントナン・アルトー『演劇とその分身』,鈴木創士訳,河出文庫,2019)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?