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退職エントリと、その次のステップの話

 まさか、こんなことになるとは思ってなかった。
 というかそもそも、こんなに短期間に再び行うことになるとは思ってなかった。……いや、そんなことはないな。ここはずっといる場所ではないんだろうな、ということは、当初からわかっていた気はする。ただ、こんなにゴタつくのは予想外だった。

 12月28日(土)が最終出社日になるはずだった。外回りのあとは、いったん会社に戻りスマホ等の返却を行い、冬休み明けの1月からは有給消化に入るはずだった。

 それが、なぜだか叶わなかった。

 12月28日の夕方。お客様先の訪問を終えた連絡をグループLINEに投稿すると、上司から電話がかかってきた。
「1月から有給消化に入るって言ってた話なんだけど。俺も、ちょっとは融通きかせてくれればいいのにとは思うんだけどさ……まくはりさんの有給休暇が付与されるのは1月からだから、12月の今の段階では、有給申請の書類を提出してもエラーになってしまうんだ。だから、1月も出勤してもらうことになるかも」
 だから今日はもう会社に戻る必要はないから、直帰でいいよ。はぁ、わかりました……。そんなやりとりで電話は終わった。
 有給消化の申請は1週間前だと聞いていた。だから、1月4日(土)の1週間以上前である、12月26日頃には申請書類を提出していた。それなのに、それはどういうことだろう。

 ……いろいろなシステムが未熟だと感じたところも、この会社を辞める理由の一つだった。だから今さら腹立たしい気持ちにはならない。ただ、1月上旬は長野旅行の予定があった。それさえ無事に行ければよかった。そしてフルで有給を消化できればよかった。

 ところが、話はそう単純ではなかった。

 1月1日。友人たち6人と初詣のあと、スマブラをしたり料理をしながら過ごしていたら──まさかのインフルエンザに!
 なので、私が会社に出勤できたのは、1月2週目の半ばだった。

 有給申請の件についてどうなっているのか確認したく、上司のもとを訪れると、なんと上司も入れ違いでインフルエンザに!
 このことについて人事部に確認に行くと、そもそも人事部では、私の有給申請の書類は受け取っていないとのこと。いったい書類はどの段階で止まっていたのか。本部長やいろんな人に掛け合い、ようやく無事に有給消化が叶い1月18日付の退職となったが、このときかなりモメてしまった。(そのやりとりはTwilogに残している。https://twilog.org/wuzuki_/date-200109 https://twilog.org/wuzuki_/date-200110)

 そして1月21日から、次の会社に転職した。次の勤務先は秋葉原だった。前職よりも職場は遠く出社時間も早いが、こちらは仕組みも整っており働きやすく、オフィスビルも綺麗で近隣のグルメ街も充実している。業界としてもオフィスの場所としても前々職と近い部分があり、懐かしい気分にすらなった。転職して2週間くらいは毎日「この会社に転職できてよかった……」と心の中で思っていた。

 さて、前置きが長くなったが、前回の転職での失敗と、今回の転職で気をつけたことについて書いてみたいと思う。
(ちなみに、前回の転職の際の退職エントリはこちら

転職サイトは一つに絞った​

 前回の転職とは違い、今回は就業しながらの転職だ。いくつもの転職サイトをチェックしながらの活動は難しそうだと判断した。また前回の転職の際、もっとも私好みの求人が多く使いやすかった転職サイトはLiBzCAREERだったが、結局、別の転職サイト経由で内定が出た会社に行ってしまった。そこでギャップを感じたということもあり、今回はLiBzCAREERだけを使おう、と決めた。

前回の転職と、入社後のギャップ

 前職は外回りの代理店営業だった。前回の転職の際、ギャップとしてはさまざまなことがあった。
 まず、思っていた以上に土曜出社が多かった。「年に数回」であるかのように聞いていたが、実際は、月に一度は土曜休みの日があるが、それ以外の週3回は土曜出勤があった。社内カレンダーをあらかじめ見せてもらうべきだった。
 そして土曜日は午後からの出勤とはなっているが、午前中に案件訪問が入ることもたびたびあった。また、たとえ午後からの訪問案件だとしても、それが遠方だと実質、午前中から時間は拘束される。
 平日は10時出社となっており、家がとても近い私は、朝9時に起床しても頑張れば9:45にタイムカードを切ることも可能だったが、関東全域が訪問対象だったため、訪問先によっては午前6時台に起きなければ間に合わないようなこともあった。(交通費は出るが、有料特急のぶんは出なかった。出先で仕事をした際のカフェ代なども、基本的には経費扱いされなかった)
 また、残業時間に関してもなあなあな部分があった。仕事が長引いた日は別の日に早く帰っていい、などの配慮はあるにはあったが、あまり厳密に運用されていなかった。また、残業申請のメールなどもこちらが尋ねるまで教えてもらえず、やや煩雑だった。

 面接1回、面接官1人と話した印象で内定を受諾してしまったが、やはりその判断は失敗だったのかもしれない……と時々考えた。面接官の印象と、実際に一緒に働く人たちの印象はだいぶ違った。
 会社の社風として、体育会系だということは口コミサイトや関連会社の評判で把握していたが、想像していた体育会系とは少し違った。私もあまり知っているわけではないが、いわゆる広告代理店系の体育会系っぽさとは質が異なるな、と思った。
 言うならばこちらは、学校の部活っぽい体育会系だ。そもそもここの系列会社は、報告書や書類申請をやたらと求められる傾向があるということをのちに知ったが、「これ、わざわざ送る必要があるんだろうか」「このシステムって必要?」と思うような工程が業務の中に多々あった。学校の教育システムだったら、結果ではなく過程を重視する仕組みがあるのは良いと思う。だが、ビジネスの現場で、こんなに無駄に手間のかかることをする必要があるのだろうか……と思うタスクがいくつもあり、「ただ、決まっているからやっている」という人も多く違和感があった。
 これが、長く勤めていく予定の会社であったり、ほかに長所が多い会社であるならば改善する方向に提案を試みたかもしれないが、「組織として未熟だな」と思う部分があまりにも多く、細かな改善を期待するよりも自分が辞めた方が早いと思った。また、良い悪いの話とは別に、会社の社風としてあまり自分と合っている感じがしなかった。

「年齢関係なく出世が可能」というのは事実ではあった。しかし、「年齢は重視しない」が「上下関係はかなり重視される」職場だった。20代の上司が50代の部下に「おい古川、ちょっと来い。この書類どうなってるんだ!」と叱責するような場面もあった。
 主任・係長・課長クラスは20代の男性が大半を占めていた。おそらく、他の会社での勤務経験はあまりないと思われる。中途入社の年上部下たちを指導するには、どうにも未熟だと感じる場面も多かった。私の入社の前後にもいろいろな人が中途入社で入ってきていたが、20代男性たちは割と定着しているものの、30〜40代の男性たちは私が知る限り皆短期間で辞めているし、20代の女性社員も2ヶ月で辞めていた。 
 そもそもここは、「異なる職能を持つ他者と仕事をしていく」というよりも、「上下の立場を誇示して士気を高めていく」というスタンスのようだった。
 部署内での飲み会も、月に一回あった。私は飲み会は嫌いではないのでこれはこれで楽しかった。普段の友達とは違うタイプの人と飲むのはいい機会だし、新鮮だった。だが、私はそもそも基本的に、社員同士の交流が活発なことや、営業成績がいい人はVIP旅行や食事会があることなど、仕事そのものと直接関係のないことにやたらと精を出すチームにはあまり魅力を感じず、それを売りにする会社は好きではないなと改めて感じた。

 また、副業や独立支援などに関しても、「事前に会社に申請をして、認められれば副業は可能」という具合で、流行りの「パラレルキャリア」を応援するような社風ではない。どちらかというと「修行を積んだあとの、暖簾分けでの独立」的なものを応援していると思われた。

 そして何より、商材や売り方に関して疑問に思う部分が多かった。お客様にとってメリットになるかどうかより、売り上げに繋がることのほうを大きく重視する傾向には不満があった。「とりあえず売って、クレームが来たらそのときに対応すればいい」というスタンスすら垣間見えた。営業職である以上、多少の大風呂敷はテクニックとして許容される範囲かもしれないが、それにしたって限度があるだろう。
 毎日あちこち遠方の個人商店に行き、この仕事じゃなかったら知り合うこともなかったであろう人たちと交流することには面白さがあったが、かなり盛った話をして、自分の本名の入った名刺を配るのは嫌だな……とも思っていた。代理店営業であるため、こちらでは商材そのものを改善することもできないのももどかしかった。
 東京本社の営業部は、秋からは女性は私1人だけだった。私は営業成績自体は悪いほうではなかったし、「女性の営業だと、警戒されにくいからいいのかもね」と言われることもあった。ただ、愛想を振りまきお客様にかわいがられて契約を獲得しても、それはいつまでも通用するものではないのもわかっていたし、そういうことで契約を取ることを求められるのも嫌だった。
 そもそも私は転職の際、「人と情報の適切なマッチング」を行いたくて転職したのだ。私が提案する商材について「この商材を使うことでどんなメリットがあるのか、正しく知ってもらうこと」ではなく「どのようにして、詳しいことを尋ねられないよう話を進め、契約に持ち込むか」に意識を向けるのは、私のやりたいこととは大幅に異なっていた。

 給料は、未経験や新卒としては悪くない額かもしれないが、営業のインセンティブは微々たる額だった。土曜出勤があることを踏まえると、そう良い給料とも思えなかった。(平日は10時~18時、土曜は13時~18時が勤務時間とされているが、この時間を超えることも多かった)
 基本的には、出世していきマネジメント業務を行うようになった際に基本給が昇給するようだ。短期間での出世も可能と謳っており、確かにそれは可能で、その難易度もそう高いわけではなさそうだったが、そこでのキャリアパスにはあまり魅力を感じなかった。
 
社員には20代男性が多かったが、アルバイトのアポインターは若者から主婦、中年男性などさまざまな人がいた。テレアポのバイトは給料が良く服装も髪型も自由なため、芸能関係の仕事と掛け持ちしている人もちらほらいた(なので、美男美女も多かった)。マネジメント業務では彼らの教育も行うことになる。多様な人が集まっているのは興味深かったものの、入れ替わりの激しいアルバイトの人たちへの教育でキャリアを積みたいかというと、そこにあまり興味はわかなかった。

 入社前、事前にもっと確認すればよかった……と思ったことはいろいろある。もちろんその上でも正しい説明が行われるとは限らないが、もう少し多様な判断材料から内定受諾を決めても遅くなかった、とも思う。

 ただ、そう思う一方で、「この会社での経験がなければ、今の会社にはほぼ確実に転職はできなかった」「そういう意味では、前職の会社に入れたのもいいことだった」とも思っている。
 そして、前職は2ヶ月程度の短期間で辞める人も多かった中、半年というのはとても良いバランスだったのではないかと思っている。
 今の会社は、営業職としては「法人営業経験2年以上」の人を探していたようだった。私は半年しか営業経験がなかったが、それでも構わないということで入社できた。これが2ヶ月程度で辞めていたら難しかったかもしれないし、前々職の事務職からは、いきなりこちらに転職するのは無理だっただろう。
 今の会社では、商材について詳しく丁寧に説明できることが求められているため、「いかにお客様から突っ込まれないようにして、契約に持ち込むか」という前職の営業方法に、これ以上染まらなくて良かったとも思っている。
 前々職のWeb広告業界での経験と、前職の営業職経験。この二つが合わさって今の転職が叶ったのだ。

ギャップをなくすために行ったこと

 前回の転職活動をしていた2019年4月〜5月にかけては、母が倒れて入院することになったり、SNSでとある女性から逆恨みされ毎日のように絡まれていた時期があったり、とにかく精神的に余裕がなかった。そのような事情もあり、転職活動がままならなかった部分もあった。なのであまり吟味せず「内定が出た会社にとりあえず入り、そこで自分の経験を積んでいこう」と考えてしまったのは短絡的だったが、そこで経験を積み、さらなる良い会社へのステップとして活用できたのは、一概に良いとも悪いとも言えないと思っている。(ただ、再現性は保障できないのでほかの人にはむやみにこういうやり方は勧めないけど)

 今の会社に対しては、入社後のギャップをなくす為に、面接時だけでなく内定をいただいたあとも様々な方向から質問をした。
「会社が今抱えている課題点は何か。それを改善するためにどのようなことを行っているか」ということは、どの会社にも面接の際に尋ねた。(前職も、数年前に比べれば業務環境は改善されていたようだったが、私が求めるクオリティには程足りていなかった)
 また、営業職の場合は、どのような企業にどのような営業を行っているのかを尋ねた。(知らないところへのテレアポ中心なのか、反響営業なのか、など)そして、営業のロールプレイングやWeb会議でのやりとりも実際に見せていただいた。
「一緒に働くのは、どのような人たちなのか」も、どの会社にも質問した。そして今の会社からは、入社前ではあったが、12月には忘年会にもご招待いただいた。会社そのものの社員は少人数ではあるが、クライアント、パートナー、かつて働いていた人、そのほかお仕事のご縁があった方々が多く集まっており、とても刺激的な会だった。(私の前々職と業界も近い人も多く集まっていたため、共通の知人がいた人もいた)この会社から内定をいただけて本当に良かった……と、その時に強く感じたのを覚えている。
 前職のような「話を盛ってでも、お客様に契約いただくことが第一」というところだったらこんな忘年会はできないだろうな、とも思った。
(その後はインフルやら退職手続きのゴタゴタやらで、入社前にあまり勉強する余裕が持てなかったのが悔しい……)

 そんなことがありつつ、今の会社に転職して1ヶ月が経過した。この会社のいいところはたくさんある。
 リモートワークで地方や海外で勤務している人も多く、子育てしながら働いている人も多数。年齢も国籍も幅広く、皆「異なる職能を活かして働いている」という印象が強い。完全週休二日制のありがたさも痛感し、「土曜日休めるって素晴らしいな……」と、毎週末感動している。月給は前職の基本給とほぼ変わらないが、賞与や残業代や移動時間、土曜出勤の有無、経費申請できるものの違いを踏まえると、実質、今のほうが給料は良いと言えるかもしれない。

 商材も、Webのライティングやメディア制作業務、コンテンツ解析に関わるもので私の関心とも一致するし、商材としての魅力も大きい。問い合わせがあったとしても、なんでも引き受けるのではなく、クライアントやその先のお客様のためにならないものにはきちんとお断りをする。訪問する際も、23区内の会社なら現場に出向くこともあるが、遠方のクライアントにはWeb会議ツールで対応する。リモートワークのスタッフも多いため、社内ルールや情報共有はWebのシステムで全て情報管理されている。勤怠管理や残業代、有給申請などは「人事労務freee」が使われており、スマートに管理されている。
 また、少数精鋭の会社のため、営業以外の幅広い業務が経験できる。
 書籍購入やセミナー代などの勉強にかかる費用や、カフェで仕事をした際の費用も負担される。副業なども、特に申請の必要はない。社員としてだけでなく、業務委託として関わっている人も多い。
 秋葉原はグルメ街なのでランチには困らないし、シェアオフィスの内装も、ドラマ「わたし、定時で帰ります」に出てきたオフィスのようにオシャレでカッコいい。まるで仕事のできるヒロインになった気分だ。

 この会社にもっと貢献していきたいし、長く働いていきたい。
 初めてそう強く思えた会社だった。
 もちろん、今の会社に課題点がないわけではないし、私も今回は即戦力として入社したため、プレッシャーもある。仕事の終わりどきが決めきれず、長く残業してしまったこともあった。どういう場合にどうすれば良いかということは、まだ模索中なところもある。

 先日、頑張って作り上げた資料をクライアントに提出し、その資料を使ったミーティングに同席したことがあった。
 クライアントの方々が、私の作った資料を眺め「この案、いいな」「私はこっちもいいと思う」などとコメントされていたり「楽しみだな〜。これで商談や問い合わせ、増えたらいいな」とおっしゃっていたのがとても嬉しく、今思い出しても胸が弾む。そうだ、私がやりたかったのは、たぶんこういう仕事。

 先日、前職で使っていたノートを見返していたら「話を大風呂敷に広げることも必要。この経験も役に立つ」とか「転職するならマネジメント経験を積んでからでもいいのでは」とか、自分の仕事内容を肯定していくための自分への言い訳がたくさん書き並べてあった。
 こんなふうに無理やり自分を納得させずに働けることが、今、とても嬉しい。私は今日も秋葉原のオフィスへと足を運ぶ。

#はたらくを自由に

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まくはり うづき
より素敵なものをお届けできるよう頑張ります。よかったらブログにも遊びにきてね。http://www.wuzuki.com/

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