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情報と判断の間には、「バイアス」が存在する

みなさま、おはようございます 渡辺です。息子が昨日、朝ご飯に「卵と牛乳の汁に浸けたパンを焼いたのが食べたい」と言いまして、一瞬なんだその不味そうな食べ物は!?と思ったら、よくよく考えたらフレンチトーストのことでした。モノは云いようですね。今朝、満足そうに食べてました。

ある意味息子はいつも突拍子もないことを言い出すというバイアスが、簡単にフレンチトーストという解にたどり着くの阻んでしまったような気がします。

先日から、何度となく行動経済学について紹介してきましたが、週末に読んだ「ビジネスデザインの為の行動経済学ノート」

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が網羅的にあらゆる情報が整理されているうえに、それぞれが3ページほどでイラストと共にシンプルに説明されているために、非常にわかりやすかったです。行動経済学に興味持って頂いた方には、1冊目にこれをお勧めしたいです。

情報と判断の間には、「バイアス」が、判断と行動の間には、「ナッジ」が作用する

先ずは、人の認知の流れが整理されています。「情報」をインプットして、「判断」し、「行動」というアウトプットをするという流れになります。人と機械の違いは、機械は同じインプットであれば、必ず同じアウトプットをするのに対し、人はその場の雰囲気や状況によりアウトプットが異なります。さらに、情報と判断の間には、「バイアス」が存在し、判断と行動の間には、「ナッジ」と呼ばれる行動を後押しする仕組みが作用します。この本では、8つのバイアスと4つのナッジに整理されて紹介されています。

●8つのバイアス
バイアス1.人は相手を気にする
バイアス2.人は周囲に左右される
バイアス3.人は時間で認識が変わる
バイアス4.人は距離を意識する
バイアス5.人は条件で選択を変える
バイアス6.人は枠組みで理解する
バイアス7.人は気分で反応する
バイアス8.人は決断にとらわれる
● 4つのナッジ
・デフォルト(無意識にうながす)
・仕掛け(自然にうながす)
・ラベリング(意図的にうながす)
・インセンティブ(報酬でうながす)

全ては、紹介出来ないですが、今まで出てこなかったものを中心に今週は紹介していければと思います。それでは、10月もあっという間に最終週ですね。今週もよろしくお願いいたします!

ピア効果(一緒だと頑張れる)

おはようございます。経営企画部 渡辺です。寒いですね、すごい寒いなぁっと思っていたんですが、妻が半袖で、そんなに寒い?と言っていました。

今週は、行動経済学について考えています。今日からは、いくつかバイアスを紹介していきます。先ず1つ目は、ピア効果になります。

ピア効果(一緒だと頑張れる)
要約
・相手の適度なプレッシャーがあるとパフォーマンスが上がる
・競う相手とは、程よい力量でフラットな関係であること
・競いつつも意識は相手ではなく自身に向けること
活用方法
1.知らない人とつながる(ex.みんチャレ)
2.自分と似た人とつながる(ex.Duolingo)
3.自分のコピーを使う(ex.マリオカートのゴースト機能)

ペア効果ではなく、ピア効果です。ピア(peer)は同僚とか仲間という意味で、個人間が直接つながるのをP2P(Peer-to-Peer)と云ったりしますね。上の活用例で挙げられていたのは、最近のアプリやサービス、ゲームの事例でしたが、古くは1800年代に自転車競技のタイムが単独で走った時より、他の選手と競った時の方が速くなることが発見されたり、スーパー店員が同僚のレジ打ちの生産性があがると、他の店員の生産性も上昇するという調査結果があります。

1年半位前に、clunhouse上でもリモートワークを一緒にやりましょうという無言のルームが幾つか立ち上がっていましたが、これも家で独りで仕事しているより、誰かと一緒にやっている方が頑張れるというのを感じて行われていたんですね。

他にも身近なところで、ピア効果が使われている事例など探してみてください!それでは、本日もよろしくお願いいたします!

シミュラクラ現象(顔の力)

おはようございます、渡辺です。今朝は少し暖かいですかね?

今週は、行動経済学におけるバイアスを紹介しています。2つ目の今日は、人の顔に見える錯覚、シミュラクラ現象になります。

シミュラクラ現象(顔の力)
要約
・人は人の顔を強く意識する
・対象物が顔に見えると親しみなどの感情が芽生える
・視線が合うと相手のペースに支配されてしまう
活用方法
1.目で訴えかける(ex.Unicef などのポスター)
2.表情の加減を調整する(ex.初代AIBOやASIMOが敢えて表情がないこと)
3.本人を登場させる(ex.野菜の生産者の写真)

人は、人の顔に惹きつけられてしまうだけでなく、3つの点が逆三角形に並んでいると人の顔と認識してしまう錯覚を「シミュラクラ現象」と云います。たとえば、コンセントの差し口、バンジーの花、正面から見た自動車など。対象が顔に見えると愛嬌を感じたりします。

昔のマックOSも古いマックのモニタに顔が描かれた可愛いアイコンが登場しましたが、これは「コンピューターは怖くないよ」という親しみを訴求していたそうです。

心霊写真で顔が写っているとか、火星の地表に顔が浮かんでいるとかは、このシミュラクラ現象が多大に起因していますね。ちなみに、simulacrum はラテン語で「似ている物」という意味になります。

今日は、身近なところのシミュラクラ現象を探して愛着を感じてみてください!それでは、本日もよろしくお願いいたします!

ピークエンドの法則(終わり良ければすべてよし)

おはようございます、渡辺です。秋晴れのいい天気ですね!

今週は、行動経済学におけるバイアスを紹介しています。3つ目の今日は、ピークエンドの法則になります。

ピークエンドの法則(終わり良ければすべてよし)
要約
・最初よりも最後の時間帯の方が強く印象に残る
・急に変化すると印象に残るが、徐々だと気づきにくい
・時間がかかるほど効果があると考えてしまう
活用方法
1.最後にご褒美を与える
(ex.IKEAの最後にカートに商品を乗せて、会計しアイスを食べる)
2.ムードを突然変える
(ex.IKEAのレストランの子供の誕生日を祝うサービス)
3.長く滞在させる
(ex.IKEAは途中にレストランも挟みショールームの滞在時間を延ばす)

人は、時間経過について最後が大事、急激な変化だと気持ちが切り替わる、時間と効果を関係づけて考えるという傾向があります。

一つ目は、以前紹介したダン・アリエリーの痛みの研究でもありましたね。2つ目はゆでガエルなんて言葉もありますが、急激な変化には反応しやすいのですが、少しづつの変化だと気づきにくいというものです。3つ目は例えば、何かの修理を依頼した場合、料金は同じ8000円だとして、腕利きの修理工が5分で解決した場合と見習いの修理工が1時間かかった場合を比較した場合、我々には修理工のスキルは分からないため、前者の方が何となく高く感じ、後者の方が適正に思えてしまうということです。
プレゼンでも、最後が締まると全体締まって感じるので、最初と最後はしっかりしめた方が良いと若いころに習いましたが、ピークエンド効果がこんなところにも応用されていますね。

活用方法を見ると、IKEAはピークエンドの法則の宝庫のようなばしょですが、他にも身の回りのピークエンド効果を探してみましょう!それでは、本日もよろしくお願いいたします!

好意(好きだと寛容に)

おはようございます、渡辺です。昨日に引き続き良い天気ですね!暖かくてポカポカしています。

今週は、行動経済学におけるバイアスを紹介していますが、最終日の今日は、好意 となります。

好意(好きだと寛容に)
要約
・好きだと受け入れやすくなる
・好きには瞬間的な好意と累積的な好意がある
・商品やサービスの好き嫌いは人に対する印象と似ている

これに関しては、いくつかの効果バイアスがあるので、まとめて紹介していきます。まず、一言に好意と云っても直接的な要因(瞬間的な好意)と間接的な要因(累積的な好意)に分かれます。以下の1~3は直接的要因で、4,5は間接的要因となります。

1.ハロー効果(身体的魅力)
目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のことになります。このハローは、Helloでなく、Haloで後光が差した状態です。身なりをきちんとしていると、ちゃんとした人に見えるという感じです。

2.親近感バイアス(類似性)
自分に似ている人を好意的に評価することです。見た目であったり、出身校だったり、趣味嗜好だったり。採用面接の際に気を付ける事の1つにあげられています。

3.イイネ(称賛)
厳しい人が多い環境で、優しい言葉をかけられたら、相手のお願いを聞いてしまったり、相手に好意を感じるというものです。危険な勧誘はこれを上手く使っていたりします。

4.ザイアンス効果(親密性)
人や物、サービスに何度も触れることで、関心や好意を持ちやすくなるというものです。同じクラスや職場の人に愛着を感じたり、身内に甘くなったりするのもこの効果です。また、新製品の試食やお試しなどもこの効果を活用しています。

5.集団意識(連合)
時間が積み重なると共に協力し合いたくなる気持ちが生まれます。ストックホルム症候群というのがあり、ストックホルムの銀行で2人組の強盗が4人の人質をとって立てこもる事件があったのですが、長時間の監禁されたことにより、人質が犯人に協力したり、解放後も犯人に有利な証言をしたりするものです。

以前、メルカリのイベントに当選して息子と参加したのですが、そこで運営しているスタッフは、メルカリの社員ではなくてメルカリのヘビーユーザーの方たちでした。シェアリングエコノミーやプロセスエコノミーは、ザイアンス効果を活用した一つのモデルとも言えますね。

如何でしたでしょうか?僕自身は、ここ数回で大分満足したので、暫くは行動経済学の話はしないと思います(笑)

それでは、10月の営業日も今日でおしまいですね!
後、1日よろしくお願いいたします!
(2021.10.25-10.29)

本の「はじめに」を読み飛ばしていたのですが、著者の中島亮太郎さんは、noteでの連載を元に本になったみたいです。

また、本未収録内容の記事も併せてご参照してみてください


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