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あの恋=片思い

3年間片思いしてた人は、とても面白い人。というより、いつも5,6人で遊んでるいるうちの1人で、その人が話をするたび私が勝手に笑ってた。だから友人にも私の片思いはずっとバレていたし、なんなら本人も気づいてたはず。私は必死に気持ちを隠してたつもりだったのに。

その人も片思いをしてた。相手は彼氏のいる女の子。その情報を知らなければ、私はさっさと告白してたと思う。でも友人から聞くその人の片思いの話は、いつも切なくて、思わず「わかる~」と唸ってしまっていた。だって私も片思いしてたから。

3年間片思いしてる間、私なりにいろいろ試してみた。例えば、ちょっと付き合ってみようかなと思う人と何度もデートしたのに、やっぱりダメで、片思いでもその人がよかった。それから、結果はわかってたのにその人に告白した。もちろん返事はお断り...最後はおかしくなって、夜だけ呼び出される関係でもいいとさえ思ったり、私がその人を嫌いになる出来事が起きないかと、毎日妄想したり。その人を想う気持ちから逆らおうとすればするほど、心はあなたが好きだと叫んでいた。

だから、そのままの気持ちでいることにした。月曜日に「よく遊んでるから、少しは期待あるのかなぁ」と思っても、火曜にはもう、「会いたくない」ってなったり、週末には「友達のままでもいいよね」って思うような、日々変わる感情のままでいることにした。

お断りのお返事をもらってから1年が過ぎようとしていた。

ある日、そんなこと言うつもりなんてまるでなかったのに、気づいたら2度目の告白をしていた。その人との会話の流れの中で、ポロっと気持ちがもれてしまうように言葉が出てしまった。まるで独り言みたいに。





「まだ好きみたい」


その後、私がものすごく慌てたのを覚えている。なんでまた告白してるんだろうって、自分に驚いたから。たぶん、長い片思いに弱音を吐きたくなって、あろうことか本人に言ってしまってた。



ただ、この告白の後から少しずつ距離が縮まっていった。そして「その人」から、「彼氏」になった。


ほんとに何がどうなって想いが通じたのかわからなくて、そのきっかけを聞いたら、たった一言。







「負けた」

って言われた。

確かにその人はかなりの負けず嫌いだったから、その言葉は重みがあるような気がする。







#あの恋

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