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セミナーに出ても、本を読んでも、行動変容できずにモヤっているあなたへ。

セミナーに出ても、本を読んでも、あまり成果がでない。いろいろスキルを学んでいるんだけど成長実感がない・・・・そんな人が増えている気もします。

知識を貯める学習にとどまってしまい、行動を変える学習には至りつかない。どうしたらいいのだろう。モヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。

コピーライターとして多くの後輩を育ててきた僕が、今、考えていることを紹介したいと思います。

前回書いた、「拾う人」にも関連があることです。ヒントになればイイなぁと感じています。

突然ですが、僕は歴史の勉強(日本史とか世界史とか)を見ていくといろんなことがわかってくると思っています。例えば。

1192。なんだかわかりますか。イイ国つくろう鎌倉幕府。そうですね、源頼朝が征夷大将軍になった年ですね(最近の教科書では、平氏を滅ぼし、諸国に守護・地頭を置いた1185年を鎌倉幕府が成立した年としているようです)。武士が最初に作った政権とも教えられました。

ところで、この歴史的事実を知ったからと言って、あなたの行動が変わるでしょうか。ものの見方が変わるでしょうか。答えはNOです。

さて、次に1333は? 語呂合わせがないので知らない方も多いと思いますが、鎌倉幕府が滅んだ年です。発見するファクトは、鎌倉に幕府があったのはわずか150年足らず。つまり日本史上、かなり短命な政権だったということ。
では、なぜ、そんなに短命だったのか。一つの問いがふと生まれます。さらに、なぜ、そんなに短命だったのにも関わらず、鎌倉は人々に現代にまで愛される土地となったのか。そんな問いも生まれます。

簡単な例でしたが、導き出されるのは2つのことだと考えます。

①一つの年号を知っても意味はなく、他の年号を知ることで「初めて」意味が生まれてくる。つまり覚えたファクトを「じぶんの中で紐づける」ことで新しい意味が生まれる。

②知ったファクトを単にしまい込むのではなく、発酵させて「なぜ」「WHY」の段階を生み出す。つまり、次のステップへじぶんの中で昇華しなければ、知識はほとんど役に立たない。

「紐づけ」(関連づける力)と「WHY」(問いを生み出す力)。

じぶんで発見し、じぶんで獲得するプロセス。それがなければ、セミナーや本という他者からの学びを、自己の行動変容には結びつけられないのです。

コピーライティングの世界でも、同じことです。どう書けばいいかの外側からの学習をいくらしても上手にはなりません。内側からの学習、つまり、じぶんという器でファクトを発酵させていかないと上手くはなりません。

コピーライターは初心の頃、「写経」という過去の名作広告の名作コピーを書き写します。その作業を膨大な労力をかけてやります。知るのではありません、書くことで、体に徹底的に覚えさせるのです。

そして、いいコピーには何か法則がある、何か共通した視点がある。
そこには、何かが確かにある! では、それは何なのか? が生まれます。

じぶんで関連づけながら、その「確かにあるけれどわからないもの」を問いにしながら、体得していく。やがて、それは、いい広告とはなんなのか? の本質的な問いにもぶつかります。

「書く人」と「拾う人」の話で言えば、「拾うひと」は知識を与えているのではなく、気づかせているだけなのです。

そんな中途半端な教え方ってあり? という方がいらっしゃるかもしれませんが、それで十分なのです。社会人にはそれで十分だと僕は断言します。

むしろ、関連づける力と問いを生み出す力をどう伸ばすか、の方に注力した方がいいのです。それには、クリエイティブ領域の課題を与え、グループや個人で深く考え、アイデアを生み出し、発表する場を設定することです。座学で過去の成功例をいろいろ教えても、細かなスキルやノウハウを教えても、すぐに脳のどこかにスタンドアローンでしまわれてしまう可能性が高いでしょう。

ネット社会の深化は知識を多様に短時間で取得することを可能にしました。僕の大学での授業(「コピーライティング演習」)では、キャッチコピーを考える時間は、いくらでもネットを調べ、近くの席の人と話してもいいことにしています。

知識はもはや共有物なのです。問題はそこから先です。その先の能力を育てることこそ、今、必要なことだと考えています。

鎌倉はなぜ、人に愛されて続けているのか、その答えも、きっと鎌倉を散策して導き出されるのでしょう。知識や情報を体験化することで、「紐づけ」と「WHY」が生まれやすくなります。

そもそも散策すると頭脳や感性が働きやすくなることもありますし、気分も晴れ晴れとします。古い鎌倉ですが、新しい「じぶんの鎌倉」の発見もできるかもしれませんね。


(おわり)




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