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思い込みの力

『史記』に限らず、中国史を読んでると怪しげな人相見がちょいちよい出てきます。

人の人相を見て「あなたは将来こうなるだろう」って予言していくような人。

そして歴史書なんかには、まるでその予言の通りになったかのように書かれる。

これってあり得ないようであり得る話だと思うんです。

「あなたは将来出世する」

自分の身の回りの環境にそんな雰囲気もないのに「それっぽい人」に突然言われたとします。

それを信じるも信じないも個人の自由です。

ただ、そこでちょっと調子に乗って、

「おっしゃぁ!出世してやろうじゃないの!」

って思ってみる。信じてみる。

その言葉を信じて、「自分は出世する」と思い込んでみる。

そうやってると、案外「言われた通り」になるのかなぁと思います。

だからこそ、「そういう事例」として歴史書の色んなところにそんな人相見の話が載る。

歴史書に出てくる人相見は、主人公たちにとってただの思い込むためのきっかけでしかありません。

人相見に出会おうと出会うまいと、「自分の将来はこうなる」って心の底で思い込んでいると、良くも悪くも本当になっていくのかなと、今日も『史記』を読んでいて思いました。

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