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プログラマーが感じるRPAの実情

現在、RPAが非常に人気になっています。

RPAとは、ロボティック・プロセス・オートメーションの略で、システムにユーザーが普段行っている作業をそのままさせて、業務を自動化させてしまおうという仕組みのことです。

私の上司もこのRPAに非常に興味を持っており、事あるごとに業務をRPA化しようと持ちかけてきます。

2つほどRPA商品も試しましたし、実際に購入して使っても見ました。

そこで感じたことをいくつか挙げたいと思います。

1.RPAを行う前にやるべきことが山積み

RPAを行う以前に、本当はやらなければいけない事がたくさんあります。

それは、「不要な仕事を削る」ということです。

過去の慣習などで、本当は必要のない仕事をやっている事は多いと思います。

例えば書類。

今の時代、誰でも簡単にpdfを作って特定の場所に保管するだけで社内でファイルを共有することができます。

社内でGsuiteを利用している人であれば、グーグルドライブに入れておけば、URLを社内にアナウンスするだけであらゆる掲示ができるでしょう。

にもかかわらず、印刷して張り出したり、時には給与明細と一緒に渡したり。

この給与明細も、WEB化すれば簡単に自分の個人のスマホなどからも閲覧することができます。

なのに、「給与明細は紙でしか受け取らない」という社員がいるなど、非常に非効率的な会社が多いように感じています。

本当はそういった作業はいらないと思っています。

いらない作業をRPA化した所で、RPAの開発コストが掛かるだけで、業務的には一切良くならないというのが個人的な意見になります。

2.各部門でシステム開発者レベルのロジカルさが求められる

RPAは、開発するのにコストが掛かりますので、情報システム部門などが行うべきではないと考えています。

正直、プログラマーからするとRPAのシナリオを考えるくらいなら、実際にプログラムを組んだ方が早く確実なものができます。

どうしてもRPAは、動作するPCの環境に依存してしまうので、画面が開くまで時間がかかってしまうなど、プログラマーからすると動きが遅いのです。

なので、シナリオは各部門でお願いするのがベストだと思っています。

しかし、このシナリオを作る作業には、ロジカルに考える必要性があります。

業務の手順をフロー化して、それをシナリオにする必要があるので、システム開発者レベルの思考ができる人が各部門に必要になります。

まぁ、そんな会社あるとは思えないので、正直かなりハードルは高いと思います。

定期的に勉強会をしたとしても、使いこなせるようになるまでに相当な時間が必要なのではないかと思っています。

3.結局RPAを管理する人も必要になる

RPAは、作って終わりというわけではありません。

例えば保管しているファイルの場所が変わったり、取り込む用のエクセルの列の順番が変わったり、PC負荷が高くなって遅くなったためにエラーになったり。。。

このように、動かなくなることも結構あるのですが、そうするとそれを管理・修正する人が必要になってきます。

基本的には情報システム部門がそれを担うことになると思いますが、そうなると業務負荷が増えるでしょう。

4.まとめ

RPAを見てきましたが、現状を考えるとあまり導入するメリットはないかなと思っています。

良く「RPAで業務効率は50%アップ」みたいな記事も見ますが、

「そもそもその作業自体が必要ないのでは?」

という所から疑ってかからないと、結局管理・開発コストがかかってしまっては意味がありません。

今はプログラマーとして、社内の業務をシステム化していますが、私自身、そのシステム開発前の要件定義の段階で、必要な作業と不要な作業を分けて考えます。

今までは、社風で上司承認をもらっていたものの、そもそも判子がいるのか?といった細かい部分を省いていくと、案外シンプルで簡単な作りのシステムで良くなったりするので、自社でわからない場合には、ご相談いただければと思っています。

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