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小池都知事「世論誘導テクニック」を考察する/情報戦の裏側アップデート

「情報戦の裏側」最多登場のスター小池百合子


このページはノンフィクションライター窪田順生が、ダイヤモンドオンラインで連載している「情報戦の裏側」の過去記事を自分自身でレビューしながら、内容をアップデートしこうというものです。

と言っても、記事数がかなり多いので、ひとつずつやっていくのもなかなか大変ということで、毎回テーマを決めて複数の記事をまとめてふりかっていきます。

最初のテーマは「小池百合子東京都知事」です。2016年9月に「情報戦の裏側」がスタートした際の最初の記事が、就任間もなかった小池都知事を扱ったということもあって、やはりここから始めていこうかと。

これまで「情報戦の裏側」で、小池都知事や関連する東京都政について扱った記事は2016年9月から2021年4月までで以下の9本です。

1年間で平均2本ペースで小池都知事を扱っているということことなります。7年半の連載期間でここまで多く扱った個人はいないと思います。

なぜ私は小池都知事の「ファン」になってしまったか


ただ、私は特に小池都知事を支持しているとか、その逆になんとしても都知事の座から引きずり下ろしたいとか、そういう特別な思い入れは一切ありません。政治家としての小池都知事については正直、それほど関心もありません。

では、なぜここまで小池都知事をテーマに記事を書いてきたのかというと、「情報戦の裏側」という本連載のテーマにピッタリのスピンコントロール(情報操作)に長けている人だからです。

そのあたりをわかりやすく説明した文章が過去記事の中にあるので引用してます。

小池氏といえば、新党を結成した国政進出、五輪競技場問題、豊洲市場問題などを思い返していただければわかるように、マスコミを用いた「情報戦」を得意としている政治家である。報道対策アドバイザーとして、政治家のマスコミ対応にも関わった立場から言わせていただくと、小池氏はセルフブランディングに非常に長けているという印象だ。
 キャスター出身らしく、マスコミ受けしそうなキャッチーな言葉を駆使して、有権者にわかりやすい「敵」を示す。そして、そこに立ち向かうという姿を見せることで、「既得権益と戦う女」というブランディングに成功してきたのだ。

小池知事、IOCに噛み付く「既得権益と戦う女」アピールのしたたかさ(2019年11月7日)

こういうスピンコントロール(情報操作)の使い手が個人的に大好物です。だから、小池都知事がマスコミを巻き込んで面白そうな情報戦を仕掛けているのを見ると、黙っていられずに気がついたらこれだけ記事を書いていたというわけです。

そういう意味では、私自身も小池都知事のスピンコントロールにまんまに乗せられて、「ファン」になってしまったと言っていいかもしれません。

そこで次回は小池都知事を扱ったこの9本の過去記事を振り返りつつ、具体的に「小池百合子」という人がいかにメディアを巧みに操ってきたのかということなどとまとめつつ、「ファン」の視点で、この稀代のスピンコントロールの使い手が今後どのような道に進んでいくのかを予想していきたいと思います。

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