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【ディレクター】「自称ディレクター」の恐怖【地獄度 : ★★★】


編集者=ディレクターではない

出版業界に縁がない人でも「編集者」という肩書は聞いたことがありますよね
締め切り間際の小説家に張り付いて、「先生!」と鬼のように叫び続ける、彼らです (イメージ)

編集者の仕事は、著者とともに企画を練り、スケジュールを調整し、校正に出して、装丁を依頼して…と多岐にわたります。
ぼくも紙媒体に寄稿していたころは、編集さんのお世話になっていました。

Webライティングの世界では、この「編集さん」にあたる職業は「ディレクター」と呼ばれることが多いようです。
ほら、あれですよ。
ライターが進化した姿という噂の。

「ディレクターはライターの進化形」という都市伝説

ディレクターを名乗る人の中には、フリーのディレクターもかなりいるようです。
ライターと同じく、業務委託でディレクター業を任されている人たちですね。
ここには自分が受けた仕事を外注する、「中抜き系」ライターも含まれます。
こういう人たちの実力はピンキリ……と言いたいところですが、たいていの場合「キリ」です。

ドキリ。

いわゆる「ステップアップ系」のディレクターたちですね。
こういう人たちは自分がレベルアップしたと信じているので、まだライターでいる人たちをナチュラルに見下しています。
自分が導いてあげる、指導してあげる、と思っているのです。
いい迷惑ですよ、本当に。

ライターからのレベルアップ?

なぜか「ライター」から「ディレクター」になった人たちの一部は、「自分は出世した」と感じるようです。
FBを返したり、採用に回ったりすることもあるので、そういう勘違いをするのでしょうか。
もしかしたら、単価が変わるのかもしれませんね。

担当業務が変わっただけなのに、「自分の実力が認められた!」などと勘違いをされると、迷惑をこうむるのはライターです。
そういう自称ディレクターは、平気な顔で「うちで求められる水準は高いので」とかほざきつつ、落書き系FBをかましてくるわけですから。

落書きFBに関しては、こちらもどうぞ。

ぼくの原稿を自称ディレクターがめちゃくちゃにしてくれたあげく、エンドクライアントから修正を求められる、なんていうこともよくあります。
もちろん、対応するのはぼくです。

地獄ですね。

ディレクターの役目とは

ぼくの場合、自分より優れていると感じるライターがそもそも少ないので、よけいにそう思うのかもしれません。
とはいえ、「なんでこうなった?」という修正をされたことがあるライターは、決して少なくないはずです。
あなたも経験、あるでしょ?

ディレクターの本来のお仕事は、調整とすりあわせ。
クライアントとライターをつなぎ、コミュニケーションの過不足を埋めることです。
ライターには誤解や理解不足をただす文章修正を求め、クライアントが無茶ぶりすれば防波堤となって調整するのがディレクターの役目です。

それなのに、どうして。
ねえ、どうして?
人がちゃんと書いたものを、どうしてめちゃくちゃにしちゃうの……?
料理人が作った料理に、ウエイターが勝手にマヨネーズをかけまくって客に出す、みたいな現象が平気で起こるのがこの業界です。

FBの難しさ

いえ、わかります。
人の文章を直すのって、難しいですよね。
自分の言葉で書き直したほうが、よっぽど楽ですよね。
でもそれ、本当に読みやすくなってます?
「あなたの文章」に書き換えただけじゃありません??
そのマヨネーズ、本当にいる???
それで本当にお客様が喜ぶなら、 (どうでも) いいけど……。

どんな内容でもより読みやすく、正確に書き直す「実力」がないなら (「自信」ではなく) ライターがあげてきた記事を、自分の気に入るまでいじくりまわすのはやめて。
好き勝手に文脈を変えた挙句、さらにこちらに修正させようとするのはやめて。
もう、わけがわからないよ!

いっそ、ほかの人に依頼してもらったほうが、まだマシです。
ライターは、あなたの弟子でも、道具でもありません。
自分のお好みどおりのものじゃなきゃ許せないなら、はじめから自分で書いて!!!

そういうディレクターに限って、「うちは高単価なんで」を繰り返すのもデフォ。
なんですかね、あれ。
単価が高くなるのは作業量に対して報酬が多いときだけで、修正や工程が多ければ、支払い額があがるのは普通のことなんですけど……足し算、できないのかな?
提示される数字はそれほど高くないっていうのも、お約束ですね。

ディレクターがライターを踏み台にする地獄

SNSでは、かれらが鼻息あらく「ライターとしての心得」とか「優れたライターは、ここが違います!」などと喚いています。
多くの場合その内実は、「自分にとって都合のいい」ライターです。
度重なる修正も、画像加工も、全部無料とかね。
初心者ライターが真に受けて、トンデモナイことになってるのを目にすると震えがとまりません。
こうしてWebライター業界が地獄と化していくわけですよ。
南無三。

意識的にせよ、無意識にせよ。
自分の業務を勘違いしている自称ディレクターは、平気で他人を踏みつけます。
自分の立ち位置が見えていないのだから、周りが見えないのは当然のことです。
そんな人と仕事をしても、ろくな目にあいません。
世の中には、まともなディレクターがたくさんいます。
というか、大多数は普通です。
一部はとびきり優秀です。
そういう人と、仕事がしたいですよね。
そうしましょう。
ね。
それが自然と、自称ディレクターを淘汰することにもつながるのですから。

さあ、おゆき。ここは危険だ

基本的に、ライターはクライアントの求めるものを書きます。
文体や言い回しも、レギュレーションや既存の記事をもとに、できるだけクライアントの好みを探るのが鉄則です。
クライアント側からディレクターが出ている場合 (社員とか) は、どんなにひどい修正指示に思えても、ディレクターの言うことが正解! ということももちろんあり得ます。 
それはそれで、仕方のないことではありますが。

「あわない」と感じる案件からは、そっと離れるのが吉ですよ。
後のことを心配する必要はありません。
かれら好みの、相性の良いライターが、ほかにいるはずですから。

しらんけど。

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