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投資とは、資本主義という暴君の小さな手綱を握ること

こんばんは、ひらっちです。今日は1日、農作業でした。しばらくライターの仕事で忙しくしていたので、がっつり農作業というのは久しぶり。体力的には疲れましたが、頭は逆に冴えた感じです。やっぱり適度な運動は定期的に織り交ぜていかないといけないですね。

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2020年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

■アメリカの株式市場に「分断」が起こり始めている?

あらためまして、ひらっちです。今日は「資本主義」をテーマに書いてみたいと思います。資本主義って…。なんだか僕には壮大すぎる気もしますが。

さて、今日の日経新聞の1面はこんな記事でした。

このお話、ここ1週間くらいものすごく話題になっていますよね。僕も「何が起きているんだ…?」と思いながら観ていたんですけど、めちゃくちゃざっくり言うと、「SNSを通じて結託した個人投資家たちが、好き勝手やっているヘッジファンドにみんなの力で対抗した」というお話のようです。詳しくは、リンク先の記事をじっくり読んでいただければと。

SNSで個人投資家たちがつながるようになれば、確かにこういったことが容易にできるようになるわけで。

資本主義経済が「たくさんの株を持って儲ける富裕層vs一致団結して株を買う小さな個人投資家たち」という分断のフェーズに移行してきている感じがして、、いよいよ資本主義の終わりの始まりが本格的にやってきたのかなぁ~なんて個人的には感じました。

■資本主義が生み出し続ける「クソどうでもいい仕事」

これも少し前ですが、NHKの『100分de名著』という番組で、マルクスの『資本論』が取り上げられていました。

で、指南役として登場していたのが、大阪市立大学経済学部准教授の斎藤幸平さん。日本人初、史上最年少でドイッチャー記念賞を受賞した方で、僕もしばらく前に著書『人新世の資本論』を読ませていただきました。

僕なりに『人新世の資本論』をざっくり解説すると、この本が伝えたいメッセージは、「これまでの先進国の発展は、後進国&自然から散々搾取した結果でしかないんだから、SDGsなんて詭弁をいっていないで、そろそろ資本主義には限界があるって真正面から認識したら?」といった感じでしょうか。

GDPを稼ぐためにマーケティングを駆使し、生きていくために必要のない見栄と嫉妬で塗り固めた商品を大量に売りさばくという世界観は、もういい加減に維持が難しくなっている気がします。SNSという救世主の到来により、自己顕示欲が際限なく焚きつけられることで延命していますけど、この先に一体どんな未来が待っているのか?というと、その延長線上には決して明るい何かはない気がしています。

『資本論』を題材にした『100分de名著』はどうやら全4回だったらしく、僕は3・4回しか見ていないんですが、そこで取り上げられていたのが「ブルシット・ジョブ」という言葉でした。昨年『ブルシット・ジョブーークソどうでもいい仕事の理論』という本で話題になった考え方で、この本で紹介されていた「クソどうでもいい仕事」について解説がなされていました。

あなたも「これ、本当にどうでもいい仕事だな…」と思う瞬間ってありませんか? コロナ禍で「ハンコを押すために職場に行く」みたいなことが話題になっていましたけど、「不要不急」というフレーズが炙り出したのは、「どうでもいい仕事」がいかに多いか?だったと思います。

資本主義は構造上、資本家が儲けるために合理化を進めることを止められません。すると、生産性向上の旗印のもとに徹底した分業化が行われ、単純作業をひたすら繰り返す労働者がどんどん増えることになります。で、そこに何がやってくるかというと「IT化」や「ロボット化」です。単純作業を機械にとって代わられた労働者は、他にやることがない。で、社員を辞めさせることが容易ではない日本の企業に生まれてくるのは、「本来やらなくてもいいどうでもいい仕事」というわけです。

今、農業の世界では「スマート農業」がもてはやされています。すべてをデータ管理し、工場生産のように農作物を作り上げていく。確かにすごい技術です。でも、その発想から完全に抜け落ちているのが「働く人たちのやりがい」「そもそも仕事自体が楽しいという発想」だと僕は思います。働くことの意味は、お金を稼ぐことだけじゃない。仕事自体にやりがいを持ち、楽しみを感じられるものであることが、最も幸せな人生であるはずです。

資本家の論理を振りかざす資本主義がこれからもどんどんと先鋭化していけば、資本主義は徹底した合理化で私腹を肥やし続ける資本家と、その他大勢の不幸せな労働者を無限に生み出すシステムが完成します。もうすでに現時点でもそうかもしれませんけど。

もう少し非合理的な方が、仕事も楽しいし、余裕が生まれるのに…。だからうちでは、これからも全然スマートじゃない農業をやっていきたいなぁ~と個人的には思っています(笑)。時代に逆行するかもしれませんが、その方が断然面白いし、スマートじゃない方が強いこともありますからね。

■まとめ

冒頭のアメリカの個人投資家のお話は、多くの人たちが「小さな投資家」になっているという社会の変化の表れだと見ています。以前であれば、おそらく一部の特権階級でしかなりえなかった「投資家」という「資本主義の最上位クラス」に、誰でも簡単にスマホでなれるようになった。これはすごいことだと思います。

トマ・ピケティの『21世紀の資本』では、「r>g」という不等式が提示されました。「r」は資本収益率を、「g」は経済成長率を示していて、資産運用により得られる富は、労働によって得られる富よりも成長が早い。つまり、「裕福な資産家はより裕福になり、労働でしか富を得られない人はいつまでも裕福になれない」という資本主義の残酷な真実を炙り出したことで話題になりました。

じゃあ、みんなが投資するようになったらどうなるのか…。ネットで誰もが気軽に投資家になり、そしてSNSでいつでも情報交換できるようになったことで、資本主義は新しい姿へと進化するのか、それとも全く新しい概念が登場するのか。いずれにしても、今まで通りの資本主義が機能しなくなる世の中がいよいよ始まった気がしています。

しばらくは、荒れ狂う資本主義という暴君に、振り回される時代なのかもしれません。だからといって、この時代に身を委ねることしかできない。せめて僕ができることといえば、「投資」という資本主義の手綱をちょっぴり握りつつ、自給自足という資本主義以外の糧を持ちながら、「ブルシット・ジョブ」ではない「やりがいの持てる仕事」を続けていくことかなぁ~なんて思います。

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