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イナちゃんのTPS(ターニングポイントストーリーズ)

 人生にはターニングポイントが付き物。そしてその直前には『なんで、どうして』っと、思い悩む日々がある。だからこそ答えを探求する。そんな模索の最中、仲間を見つけ仲間に支えられ、これからの道に気づき始める。そんなイナちゃんの物語。


 今、学童保育に携わっている。学童とは、子どもの放課後もしくは長期休暇中に子どもを預かるところ。共働きの世代には欠かせない保育の場であり、なくてはならないものである。
 一方私は、結婚して子どももできた。だけど子育てがひと段落し、何かしたいと思っていた。企業内の一般事務もした。製造業のパートアルバイトもした。だけど合わない。細かいことや正確さを求められると、『苦手なのよね~』と、思ってしまう。
 そんな私が出会った仕事が、学童保育の指導員。小学生低学年の子どもたちを預かる仕事。子どもが好きな私にとっては打って付けである。そんなことで学童の指導員をしている。
 しかしながら、子どもの世話は甘くはない。あるとき学童で多動傾向の子を預かることになった。落ち着いて接してくれない。ほんと困る。一人教室に、多動傾向の子どもがいると、辛うじて我慢できていたほかの子どもも座っていられなくなる。そして学童の教室は、混乱状態に陥る。
 つまり、一般的によく言われる小学校で起こる学級崩壊状態だ。小学校では大きな問題になるのだが、一方学童では、「放置でよいのか、いけないのか」そんな議論になる。問題のレベルは大きくはないが、起こっている事象は同じなのだ。

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 他の指導員の人たちも、手を焼きながらも、「子どもって、そういうものだから、自由に遊ばせるのも良い」と言われてしまう。「怪我の危険性もあるからきちんとしないと」「親も預けっぱなしで良いというものではない」。などなど、指導員同志の足並みがそろはない。実際に、多動傾向の子どもは怪我も多い。子どもを預かる立場からすると、ちゃんと注意して見守らないといけない。だけど、一部の子どもに注力していると、他の子ども達から、「あの子ばっかりずるい」との声が上がる。
 本来はのんびりしている私なのだけれど、子どものこととなると、何故かそうはいかない。『こんな状態ではいけない』そんな問題意識を持つようになった。
 そんなある日、youtube で鴨さんと出会った。マクドナルド時代のお話の中で、『黒鴨頭』が出てきた。『黒鴨頭』とは、目標達成のためには何でもする、社員を怒鳴りつけることも厭わない。だって、目標達成のためには必要なことなのだから。今の私はまさにそれ。子どもに「ちゃんとしなさい」「言うことを聞きなさい」机に座らせることを目標に見据えた、『黒鴨頭』だ。
 そのことに気づいてから、鴨さんのyoutube のとりこになった。
 鴨さんの地方公演のボランティアスタップ募集の案内を見つけ応募した。そして、『やっぱりこの人だ』と思た。そして自分を変えたくて、話す力が欲しくて、話し方の学校へ入った。
 話し方学校に入って、承認空間で過ごす内に考えた方が変わってきた。

「もっと楽しく仕事がしたい」

 こころから、子ども達と楽しく一緒に学んでいきたいのだ。だけど今の環境ではそれができるのか。
 今取り組んでいること。それは、以前からこつこつと目指していた保育士の資格を取ること。理由は、子どもの基本的なところから、まず知っておかないといけないと思ったから。そして、書道教室を計画している。

 実は私、書道の師範の資格を持っている。言葉で、そして書道の力で表現をすることも好きなのだ。学童保育のことで頭がいっぱいで、自分が得意とする書道のことも最近はすっかり忘れていた。

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 白い紙に向かい、気持ちを静める、そして一気に書きあげる。そんな凛とした空間の心地よさを、子どもに伝えていきたい。知ってほしい。そして、子ども達と過ごす楽しい時間を一緒に楽しんでいきたいと思っている。





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