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ラピュタの島・猿島

ジブリの映画「ラピュタ」の世界に似ていると話題になった神奈川県横須賀市の猿島に行って来たので写真を交えながら書きたいと思います。


猿島は東京湾に浮かぶ唯一の無人島です。

現在は無人島ですが、島からは縄文時代や弥生時代の土器や人骨が出土しているので大昔には人が住んでいたようです。

江戸時代、猿島は神域で人が住んだり島の物を持ち出したりすると祟りがあるとして祭礼以外では人が近づくことありませんでした。


猿島が重要な場所になってくるのは幕末になってからのことです。1853年(嘉永六年)ペリー来航などによって海防の重要性に気付いた江戸幕府は江戸を守るためにここ猿島に台場を造りました。台場とは大砲を置く砲台のことで有名な台場は東京の「お台場」ですね。

明治時代からは軍が管理しはじめ明治十四年ごろから猿島はさらに本格的に要塞になっていきます。

▲砲台に向かう幹道。石積みに苔が付いて神秘的。自然に飲み込まれていっている感じが歴史を感じさせます。直線ではなく見通せないように屈折させており、工夫が見られます。

▲弾薬庫。猿島にはこういった煉瓦でできた部分が多くあります。ここにある煉瓦の建築物のほとんどが「フランス積み」で造られています。

フランス積みとは長手と小口が横並びで交互に配置する積み方で明治初期に見られた積み方です。現在では当時のフランス積みを見られる場所は少なく、貴重なものです。

こんな感じです。

ちなみに煉瓦の積み方には段ごとに長手と小口を繰り返す「イギリス積み」や全ての段で小口が表面になるドイツ積み、長手数段ごとに小口が一段入る「アメリカ積み」などがあります。

▲トイレ。パッと見ではトイレの痕跡だとは気付かないですね。

▲石積みに書かれた落書き。かなり深く掘られています。どこの観光地にもこういったイタズラはありますが、猿島の場合は島なので監視が難しいらしい。

↑二階に行くための階段。山頂付近にあった司令所への重要な連絡通路でした。現在は二階と地下には立ち入り禁止で行けませんが、もし解放されたら見てみたいなぁ。

▲煉瓦造りのトンネル。幹道と同じように見通すことができないよう中で傾斜が作られ工夫がされています。

見る事ができるのは施設の一部だけですが二階と地下があることから、かなり複雑な構造になっている事がわかります。かなり綺麗にトンネルが残っていてビックリしました。

▲砲台跡。大砲自体は当然残っていませんが、こういった痕跡がいくつか見る事ができます。

▲明治二十六年〜二十八年に造られた発電施設。当時は石炭を焚いて蒸気で発電機を動かしたそう。ここで起こす電気でトンネルの中の灯りを灯していたのでかなり重要な施設。



幕末期の痕跡はもう残ってはいないものの、明治時代の痕跡が沢山観られて勉強になったし良い写真も撮れたので大満足でした。



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