![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114920501/rectangle_large_type_2_a7fdbec13b3c7806397a87e7da3e966e.png?width=1200)
Photo by
mioarty
おじさんとパートナーシップについて語るときに私の語ること
某月某日。私は欧州都市にある高級アパートの一室で、ほろほろと涙をこぼしながらブルネッロ・ディ・モンタルチーノを飲んでいた。
向かいには水色のポロシャツを着た、白髪の日本人男性(ここではYと呼ぶ)。週に3日はジムに通うというだけあって胸板は厚く、肩もしっかりとハリがある。顔も腕も日焼けして赤く火照っている。Yが私のグラスにそのブルネロを継ぎ足しながら口を開く。
「ひとつ聞きたいんだけれど、つかふるちゃんにとって、パートナーというのはいったい何?」
ひとつ聞きたいんだけれど、というのは彼の常套句だ。
何か真剣な話をしたい時、彼はそんな風にテーマを定めようとする。
彼は底面で判子を押すかのように慎重にそのボトルをテーブルに置き、椅子に深く腰掛け直し、指を組んでから、ふたたび私を見た。
ここから先は
3,412字
¥ 500
いつもありがとうございます。あなたの貴重な時間やお金を、このような形で私に使ってくれること、すごいご縁だと感謝しています。私の力の源です。