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壁に少々らっきょう【毎週ショートショートnote】

私は呪いを受けてしまったらしい。
夜になると物音がして、部屋に誰かいるような不気味な気配がする。
無理に寝ても寝苦しく、悪夢を見て、起きると寝汗でびっしょりだ。
日中も誰かに見られているような気がする。
この間は誰もいない階段から突き飛ばされそうになった。
異変を感じたメイドが父に報告し、父は一人娘の私のために森に住むという祈祷師を呼んだ。

「吸血鬼に狙われています」
フードを深くかぶった祈祷師は、私に質問したり屋敷の様子を調べたりした後、徐に口を開いた。
「貴方への想いが叶わないまま死んだ男が、吸血鬼になったようです」
「そんな!身に覚えが無いわ」
最近身の回りで亡くなった人物に心当たりはない。
知らない内に想われてた人が吸血鬼化して、自分を狙うなんてお門違いだ。
「どうしたら良いの?」
「そうですねぇ」
祈祷師は銀の十字架と呪符を取り出した。
「十字架は常に身につけて。呪符は扉に。後は壁に少々らっきょうを」
「……ニンニクじゃなくて?」

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
裏お題「壁に少々らっきょう」です。

表のお題が「スベり高等学校」で裏お題が「壁に少々らっきょう」。
すごいなあ。

らっきょうの匂いはニンニクと同じアリル硫化物ということで、もしかしたら代用できるかもしれませんね。
そして、この祈祷師は信用できるのでしょうか。
どちらにもなれる気がします。
フードを外したら、赤い目が光っていたりして。


表のお題「スベり高等学校」はこちら


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読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。

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