見出し画像

ゲームばかりしていた子がゲームをしなくなった理由を考えたら感謝することになった

「ねぇ、一緒にマリオカートしない?」
「んー…しない」
「なんでよ?」
「えー、飽きた。違うことの方がいい」
「あんなに一緒にゲームしたのに!
 一緒にやろうよー!!」


フラれた…


少し前までは
あんなにゲームしようと
誘ってきたくせに

まさか私が
断られる日が来るなんて
思いもしなかった



特に書くネタがなく
noteをサボっていたところ

なぜかゲームでかんしゃくを起こす子の記事が
また読んでいただいているので
久々に自分でも読み返してみた

「こんな時代もあったな」
と、懐かしい気持ちになり
久々に彼にゲームをしよう
と誘ってみた

すると見事に断られた!


最近の彼は


ゲームを全くしなくなったのだ



なぜゲームをしなくなったのか


「飽きた」

と彼は言ったが

私は2つ理由があると思っている


まず一つ目に”安心感”だ

今までゲームはたまにしかできない
特別感のあるものだった

突然、切り上げられたり
取り上げられたりすることもなく

・約束を守ればいつでもできる

・今、やらなくても
 またやりたくなったら
 いつでもできる


その安心感は彼の意識を大きく変えた

その安心感の中で
彼はゲームを
とことん楽しみ
遊び尽くしたことで
次へ興味が移ったようだ


この”約束を守ればいつでもできる”

実はここに辿り着くまで
かなり時間がかかった

・ゲームは1時間
・宿題をやってから

こうやって約束事を決めるのは簡単だ
でもその約束事を守ることの方が
はるかに難しいのだ


約束事を決めるより守る方が難しい

・ゲームは1時間

それが彼とゲームをやる上での約束事だった

しかし一度ゲームをすると
時間になっても
「まだやる」
とかんしゃくを起こした

「最後だよ」
「本当にほんとに最後だよ」と
ズルズルと伸びてなかなか終わらない

しかも、ようやくゲームを切り上げても
拗ねて次の行動に行けず

「そんなことならもうゲームしないよ」

といって火に油を注ぐ事になる

最初に終わり時間を伝えても
10分前、5分前と
こまめに終わり時間を伝えても
それでも最後はかんしゃくを起こす

せっかく楽しくゲームをしたのに
なぜ「楽しかったね」で終われないのか

ゲームをしてもいいけど
その後が面倒なことになるから
最初からゲームをしない方がラクだ

だから
「この前、約束守れなかったし
 今日はゲームしない」
そう伝えても
「今度は約束守るから!」
という言葉を信じてまたゲームをする

”なぜ彼は約束を守れないのだろう”

そう考えた時に
ふと思った

では私は約束を守っているのか?

1時間で終わりと言ったが
彼に守らせようとするばかりで
自分はどうだろう?


最初に決めた1時間という
ゴールの場所が
ずるずる伸びて
終わりがハッキリ決まらない

自分自身が約束を守っていないのだ

結局、自分で納得して
終わって欲しいからという思いから
延長したが
延長したところで
納得して次に行くことは
ほとんどなかった

だから線引きをハッキリすることにした


今まで通り終了時間になると彼は
「あと1回!!」と言った

「あれ? 約束は?」
「だって負けて終わるのやだから」
「その気持ちもわかるけど
 それと約束は違う話しだよね?」
「ヤダヤダヤダヤダ!」
「約束だから今日はおしまい」

と、ここで終わると彼は
かんしゃくを起こす

それに今まであった
おまけが一切なくなるのは
戸惑うだろう

だから「本当の最後の1回」を使えることにした

「これで勝っても負けても本当に最後だよ」
「これで負けても悔しくても
 次回に持ち越しね」

まぁ、この最後の一回をしたところで
彼はまた言うのだ
「本当の本当の本当の最後の一回! お願い!」
と…

でもこれで終わり
私はその場を離れる

かんしゃくを起こしても
それに対して何も反応しない
約束のことを
彼はわかっている

今、彼はどこまでやったら
自分の主張が通るのか
ボーダーラインを測っているのだ

だから私にできることは
その一度引いた線を動かさないことだ


次にもうひと工夫することにした
ゲームを始める前に
最後の一回アイテムを作ったのだ

この”最後の一回アイテム”は
ランダムで彼がその日決める

その日は
ガチャガチャで引いた
カブトムシのおもちゃ

これが今日の最後の一回アイテムになり
18:00になって「今日は終了」
と言った時にそのアイテムを出すと
最後の一回が使えるのだ

「あと一回」が目に見えることが
彼にとってはわかりやすかったようで
その日以降終わりのない
「あと一回」は無くなった

どうしてももうあと一回がしたい時は
次回分を前借りした

勝って調子のいい時は
次回に貯金することもあった

このアイテム制度は彼に上手くはまり

最終的には
「よし! ラスト! 絶対勝つ!!!」
と気合を入れ、負けても
「次は絶対に負けねぇ!」
とジャンプの主人公かよと
言いたくなるような
セリフを言うようになった


続けることの才能

2つ目に彼がゲームを辞めた理由は
本当に飽きたのだ

彼は最初に記事を書いた時には
ゲームに勝てなくて
かんしゃくを起こしていた

そこで私は手抜きをせず本気で彼と対戦した

負けても負けても
彼は一緒にゲームをやり続け
時にかんしゃくを起こし
時に怒られ、喧嘩して
そんなことを繰り返しながら
やり続けた彼は

確実にゲームが上手くなった

私が本気で戦っても
彼が勝つようになったのだ

負けても諦めず
続けられるのは
彼の強みだ

私には負け続けるゲームを
続ける根性はない

彼はその強みを生かし
とうとう勝てるようになり
そしてやりきって飽きたのだろう

飽きたと言うより成長したのだ


こうしてずっと見守ってきた
彼とゲームとの関係は
彼の成長によって終了した
だからこのシリーズも今日で終わりだ


子どもはいつもそうだ

着替えを手伝おうとすると
「自分で!」と怒っていたのに
「やって〜」と甘えたかと思えば
いつの間にか自分でサッサと
着替えるようになっている

「抱っこ 抱っこ」と言っていたのに
気づけば抱っこなんて
恥ずかしいと言う

あんなにゲームしようと言っていたのに
こちらが誘っても
ゲームしてくれないのだ!!


彼らはどんどん成長していく


今や彼がゲームで負けて
かんしゃくを起こしていた
泣き顔さえ懐かしく

かわいい思い出だ



ゲームは楽しむためにあった

楽しい時間をありがとう

また気が向いたら一緒にゲームをしよう


yakko


フィンランドワークショップomenaでは
フィンランドの幼児教育やウェルビーイングに
ついてのワークショップを不定期で開催しています
↓ 詳しくはこちら ↓







最後まで読んでいただきありがとうございます! もしこの記事が良いと思いましたら スキをいただけると「また更新頑張ろう」というパワーになります^^